フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

219.知らないうちに採用試験を受けて合格していた、なんて信じられる？辞退出来ないんだって。しかも、試験が特注って、どういうこと？

「フィリップ殿下の専属の近衛なんていたの？」
見たことがないよ？
「私用に作った。」
新設か。
「王子が作っていいの？」

「私の周りは、王妃と公爵家の息のかかった近衛ばかりで固められていたからな。」

「母と外戚に取り込まれる王子そのものね。」
外聞が悪いよね。
「私は、私に意識を向けている近衛が欲しかった。父も兄も、反対しなかった。ウィルソンとレオナルドが頑張ったな。」

「ウィルソンとレオナルド？嫌な予感しかしない。誰なの？」

「ジーン、ラウル、シドニー、エスター。」

「4人とも、ボクのお友達。フィリップ殿下にとられるくらいなら、ボクのものにしたかった。」
フィリスが項垂れる。
「フィリスのものとはどういう扱いだ？」

「言葉のままよ？誰にも持っていかせないの。」

「ガランの感覚か。」

「4人は、今、何しているの？」
4人の話題になると、ウキウキしてくる。話し相手がフィリップ殿下でも。
「成人して、近衛の入団試験を受け、入団したな。今は訓練しているはずだ。」
聞き捨てならない情報があったよ。
「入団試験があるんだね？ボクは受けてないから、無効。」
フィリスが得意げになっていると、フィリップ殿下がバッサリと切り捨てた。
「受けただろう？」
なんですって？
「覚えがないもの。」

「私の目の前で、腹の中身をさらけ出してくれただろう？」
え？人前でのお漏らし？
確かに、ここに来てから、殿下の前でお漏らししたけども。
「あれ？試験なの？4人も、お漏らししたの？」

「いや、フィリスのために用意した試験だ。」

「その配慮は、いらない。」

「洩らす姿も可愛かったな。」
フィリップ殿下は、フィリスが、我慢出来ずに洩らしていく姿は、何度でもみたい、またやろう、と言っている。

「可愛くなくていい。思い出さないで。」