フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

216.やることやって、後は、帰るだけの段階になって、厄介事を知らされたりすること、あるよね?

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裏付けとか、色々は、お願いして、全部、デヒルお兄様にお任せしちゃおう。

ボク、そろそろ、甘やかされたいもの。

デヒルお兄様は、もう来てくださっているかしら。

ぎゅっぎゅっ、撫で撫で、抱っこで、ごろんが足りなくなってきたの。

デヒルお兄様、呼んじゃおう。

仕上げの前に下準備ね。


「フィリップ殿下、だいたい、分かったから。今から、王城に戻るよ。」

「戻る?蜜月なのに。」
蜜月など、ボク達の間にはない。

「蜜月を味わいたいなら、婚約者候補の女性方と同意の上で、籠もったらいいよ?」

「フィリスのいない蜜月は、この世にない。」

「フィリップ殿下の心の中で完結した世界は、この世に存在しないの。」

さて、出ていく段取りを考えようとしたら、フィリップ殿下がとんでもないことを言い出した。

「フィリス、ここを出たら、正式に発表することになるが?」

「何を?」

「フィリスが私の護衛筆頭になったことを。私は、王子配の方でも構わないが。」

「寝言は、寝てから。ボクは、どっちもならないの。忘れた?」

「忘れていないから、話をしている。近衛の手続きは、既に済んでいるぞ。」

「いつの間に?」
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