フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

206.近衛になりたくないけど、近衛の制服着てる。他の選択肢が、全裸にシーツ、お色気下着しかなかったからね。寝間着と部屋着は必要でしょうよ。

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フィリスは1枚1枚着せてもらって、服を着たが、不満でいっぱいである。

ボクは、今、近衛の制服を着ている。
不本意だけど。
服と呼んでいい服が、他になかったの。

近衛の制服か、全裸にシーツか、お色気下着。
3択でさえないよね。
『寝間着と部屋着は?』と聞いたら、
『着るまでに、用意しよう。』だって。

今、着るの。
今、いるから持ってきなさいと言っているの、ボクは。

言っておくけど、ボク、準備も用意も全部してもらう側の人だから。

欲しいと言ったら、返事はどうぞ、以外受け付けない。


ボクが、話し合うことを主張したのは、フィリップ殿下が話し合える状態だからよ。

考えていることも、やっていることも、無茶苦茶で、ボクには迷惑でしかないけど、今日のフィリップ殿下は、1度も理性を失っていない。

フィリップ殿下は、欲望のまま動いているわけじゃない。
自分が、何を要求して、その結果がどうなったか、理解していて、その上で、感情を動かしていない。
冷静に、自分とその他を見ている。
最初から、ね。



フィリップ殿下を断罪するのは、簡単。
生かしておく?と聞かれたボクが、いらないと言うだけでいい。

その1番簡単な方法じゃ、ボクの大事なウィルソンとレオナルドが、悲しみから立ち直れなくなる。

2人が悲しむことを想像すると、ボクも悲しいから、なんとかする。


フィリップ殿下も、側近の2人を大事にしているのに、なんで、こんなことを仕出かしたんだろう。

自分が大事なものは、自分で大事にしなくちゃ意味がないんだよ。
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