フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

201.ハーマルの専属護衛は、年齢バラバラ。ハーマル様は婿入り、難しいんじゃないかなあ。女の人より、オジサマに好かれそうな雰囲気あるよねー。

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ハーマルの専属護衛達の見立ては、執事とはまた異なる。

ハーマルは、学校生活のために、攻撃から避ける訓練を護衛としている。

命の危険を感じているので、それはもう真剣に取り組んでいる。

主人が望むから、護衛も側にいけない分、鍛えるのだが、こう、思わないでもない。

「権力をさ、使えば、解決じゃない?」
「今の状態に甘んじている意味、ある?」
「なんでも素直に受け入れすぎて、心配になるレベル。」
「ガラン家を蔑ろにされて、腹が立つんだけど。」
「上も下もクセあるお方だから、かなあ。物凄く普通っぽい。」
「威厳もとう!と呼びかけたい。」
一瞬、静かになる。

「でも、一生懸命なんだよなあ。」
「自分で、頑張ろうという健気さ。」
「面倒みないと、という気になる。」
ふと、主家のお子様方を振り返る。
「他の方には、ない特性だよな。」
1人1人思い返してみる。
「他の方々は、基本的に、人の上に立つか、乗るか、だよな。」

年上の護衛が言った。
「今、同年代しか、いないから、周りも分からないだろうけど、めちゃくちゃ年上の人に可愛がられるタイプだよ。」

「婿入り先で、御簾の後ろに隠されてそう?」
「分かる、わかる。」
そもそも、と1人が言った。
「婿になれるのかな?」

「うん?」

「地位のある女の人って、仕事から帰って癒やされたいとか、家庭で労られたい、とか、言っていても、男を可愛がるだけでは不満溜まらない?夫にするには、頼り甲斐がないとやっぱりだめね、と言う人いない?」

「可愛がられる男は観賞用だけどなー。ハーマル様は、権力者の女子に好かれる容姿じゃないんだよな。」

「年上の男を旦那にして、甲斐甲斐しく世話を焼こうとして、可愛がられていそう。」

「わかる、手ほどきとか言って、食われてそう。」

「あれ、その場合さ。オレら、止める?見守る?」

「ハーマル様の場合、始まる前に、デヒル様から通達あるだろう。」

「寸止め、させろ、とか?」
「下半身は隠しておけ、とか?」
「キスが始まる前に、雰囲気ぶち壊せ、とかな。」

「割って入る技術いるのかー。」
「今の執事くんには、無理だろ?」
「ああ。ハーマル様のお兄さんしているからなー。」
「ハーマル様がオジサマにお触りされているのを見たら、お嫁さんになりたいんですか!とか言って乗り込みそうじゃん。」
「まとめて食われるやつだな、それ。」
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