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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?
195.7歳のハーマルが決意した日
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先代当主夫妻が、夫妻初の外国旅行にフィリスを連れていくと聞いたとき、ハーマルは羨ましかった。
フィリス4歳、ハーマル7歳。
『いいな。ぼくも行きたいなー。』
羨ましい気持ちを素直に表したハーマルの頭を祖父は撫でた。
『ハーマルは、次だ。今回は、フィリスの用事がある。』
『フィリスの用事なら、フィリスが行かないと。それで、次は、ぼくと。おじい様とフィリスがいない間に、どんな国があるか、調べます。次の行き先は、一緒に考えてもいいですか?』
ハーマルは、すぐに気持ちを切り替えた。
『いいとも。ハーマルの好奇心を満たす旅にしよう。』
当時、7歳のハーマルは、祖父母夫妻とフィリスが旅立つのを見送り、分家や使用人の子ども達と、ああだこうだ言いながら、遊ぶように学んだ。
フィリスが帰ってくると聞いて、次はいよいよ、自分の番だと心を踊らせた。
到着したのは、フィリスを含めた、何人かの大人だけ。
ボロボロの姿をした4歳の弟は1人、自分の足で立っていた。
フィリスは、血と汗と涙で全身がぐちゃぐちゃのヨレヨレになっている。
他の大人は、フィリス以上にひどい。
『デヒルお兄様。4男フィリス、帰還しましたことを報告申し上げます。』
その口上は、出発前に、フィリスが、賑やかな子ども達と一緒に毎日練習していた。
旅から帰ってきたご挨拶は、フィリスがするのだ、と祖父が言ったのだ。
デヒル相手に1日1回、毎日練習し、出発前には、スムーズに言えるようになって、皆で拍手した。
『報告せよ。』
『神々の子ども達の領域に面している非武装中立地帯に滞在していた、ボクとおじい様、他の滞在者は、突然、何者かの奇襲を受けました。おじい様は、ボクと他の滞在者に、王に謁見して報告を上げよ、とお命じになり、ボク達への攻撃を減らすため、おばあさまと残られました。ガランに帰ってこれたのは、ボク達だけです。力不足で申し訳ありません。』
フィリスは、報告するまで、何度も練習したのだろう。
奇襲から逃げている間も。
すごくなめらかに報告していた。
『残りの者は?』
『おじい様の者は、全員おじい様と共に。ボクの者は、ここにいる者のみです。』
『報告、ご苦労。休め。』
『感謝します。』
フィリスを母の者が抱えて、連れていく。
フィリスは疲れ切っていて、自分では動けなくなっていた。
デヒルは、4歳のフィリスを連れ出させると、フィリスの者達に、まず、フィリスを連れ帰ったことを褒め、次に、その者達自身が帰ってきたことを褒めた。
すぐに、報告を聞きたいと、生き延びた者達を連れてデヒルは移動していく。
10歳の次兄リドリグとハーマルも続いた。
産み月の母は、フィリスに付き添うようで、フィリスの後を追った。
おじい様という保護者もなく、フィリスの乳母の姿も見えない。
フィリスの側近として一緒に育ってきた分家の子ども、側仕えになるべく一緒にいた使用人の子どもは、1人もガランの地を踏んでいない。
大人の使用人も護衛も、フィリスについていた者のうちの何人かしかいなかった。
ここに今いない者は、帰れなかった。
ハーマルは、リドリグに走り寄り、手を繋いだ。
1人では不安だ。
父は王都にいて、不在の今。
現在、ガラン領は、15歳の長兄デヒルが背負っている。
リドリグとハーマルは、頑張ったフィリスを労って、デヒルの助けになる。
フィリス4歳、ハーマル7歳。
『いいな。ぼくも行きたいなー。』
羨ましい気持ちを素直に表したハーマルの頭を祖父は撫でた。
『ハーマルは、次だ。今回は、フィリスの用事がある。』
『フィリスの用事なら、フィリスが行かないと。それで、次は、ぼくと。おじい様とフィリスがいない間に、どんな国があるか、調べます。次の行き先は、一緒に考えてもいいですか?』
ハーマルは、すぐに気持ちを切り替えた。
『いいとも。ハーマルの好奇心を満たす旅にしよう。』
当時、7歳のハーマルは、祖父母夫妻とフィリスが旅立つのを見送り、分家や使用人の子ども達と、ああだこうだ言いながら、遊ぶように学んだ。
フィリスが帰ってくると聞いて、次はいよいよ、自分の番だと心を踊らせた。
到着したのは、フィリスを含めた、何人かの大人だけ。
ボロボロの姿をした4歳の弟は1人、自分の足で立っていた。
フィリスは、血と汗と涙で全身がぐちゃぐちゃのヨレヨレになっている。
他の大人は、フィリス以上にひどい。
『デヒルお兄様。4男フィリス、帰還しましたことを報告申し上げます。』
その口上は、出発前に、フィリスが、賑やかな子ども達と一緒に毎日練習していた。
旅から帰ってきたご挨拶は、フィリスがするのだ、と祖父が言ったのだ。
デヒル相手に1日1回、毎日練習し、出発前には、スムーズに言えるようになって、皆で拍手した。
『報告せよ。』
『神々の子ども達の領域に面している非武装中立地帯に滞在していた、ボクとおじい様、他の滞在者は、突然、何者かの奇襲を受けました。おじい様は、ボクと他の滞在者に、王に謁見して報告を上げよ、とお命じになり、ボク達への攻撃を減らすため、おばあさまと残られました。ガランに帰ってこれたのは、ボク達だけです。力不足で申し訳ありません。』
フィリスは、報告するまで、何度も練習したのだろう。
奇襲から逃げている間も。
すごくなめらかに報告していた。
『残りの者は?』
『おじい様の者は、全員おじい様と共に。ボクの者は、ここにいる者のみです。』
『報告、ご苦労。休め。』
『感謝します。』
フィリスを母の者が抱えて、連れていく。
フィリスは疲れ切っていて、自分では動けなくなっていた。
デヒルは、4歳のフィリスを連れ出させると、フィリスの者達に、まず、フィリスを連れ帰ったことを褒め、次に、その者達自身が帰ってきたことを褒めた。
すぐに、報告を聞きたいと、生き延びた者達を連れてデヒルは移動していく。
10歳の次兄リドリグとハーマルも続いた。
産み月の母は、フィリスに付き添うようで、フィリスの後を追った。
おじい様という保護者もなく、フィリスの乳母の姿も見えない。
フィリスの側近として一緒に育ってきた分家の子ども、側仕えになるべく一緒にいた使用人の子どもは、1人もガランの地を踏んでいない。
大人の使用人も護衛も、フィリスについていた者のうちの何人かしかいなかった。
ここに今いない者は、帰れなかった。
ハーマルは、リドリグに走り寄り、手を繋いだ。
1人では不安だ。
父は王都にいて、不在の今。
現在、ガラン領は、15歳の長兄デヒルが背負っている。
リドリグとハーマルは、頑張ったフィリスを労って、デヒルの助けになる。
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