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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

172.ボクの家は、ボクを甘やかす教育方針なの。近衛教育、されないからね?

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「フィリス。やっと声が届くのに、挨拶もなしかい?」
とフィリップ殿下。

「ボクのご機嫌は最悪なの。全然麗しくないの。フィリップ殿下は、挨拶したいの?挨拶がしたいなら、ボクは邪魔しない。」

ボクは腹が立っているの。

ウィルソンとレオナルドがいないなら、フィリップ殿下なんて知らないんだからね。

「殿下。ご安心下さい。ガラン家は甘やかすことしかしていませんが、我々は違います。殿下の近衛としてしっかり教育しますよ。」
とレオナルド兄。

確かに、ボクは甘やかされているよ。
ボクは、甘やかされていいから、問題ないの。ボクの家の事情に首を突っ込んでこないで。

「フィリスに教育はいらない。今日から私が甘やかすから。」

フィリップ殿下に甘やかされたこと、今まであったかしら?

フィリップ殿下の言葉に、ウィルソン兄とレオナルド兄は、にちゃっと粘っこく笑った。

「いやいや、それは。じゃじゃ馬が、殿下にメロメロになるのも時間の問題ですな。」

ウィルソン兄とレオナルド兄は、我々はお楽しみを邪魔しませんと部屋を出ていった。

近衛は残っている。
ということは、この近衛は、フィリップ殿下の護衛。


「お家に帰して。」

「私のいるところが、今からフィリスのお家だよ。」

「違う。ガラン領に帰して。あと、ウィルソンとレオナルドはどこ?ボク、ウィルソンとレオナルドは好きだけど、2人のお兄様とはお話ししたくないの。あっち行って、なんだから。」

「ウィルソンとレオナルドは、兄の言うことを聞かない男だから、側近は一時棚上げにして躾け直すと兄達は言っていたな。どこにいるんだろうね?ここに来てからは、見ていないな。」

「あんなに一緒にいて、3人仲良しなのに、いなくなったらだめでしょ?」

「フィリスは最初から、私のことは眼中になかったね。私がいても、ウィルソンとレオナルドばかり気にしていた。」
当然でしょう?

「2人は、デヒルお兄様から許可の出ているボクの友人よ?フィリップ殿下が自分と比べるのは烏滸がましいと思う。」

フィリップ殿下は、ボクが何を言っても嬉しそう。ボクはフィリップ殿下に酷いこと言っているのに。

「ウィルソンとレオナルドが酷いことになっていたら、フィリップ殿下は、お仕置きだからね。」

ウィルソン兄とレオナルド兄がウィルソンとレオナルドに何かしたなら、デヒルお兄様は、ボクとの約束を守ってくれる。

あの2人は大丈夫。

「ボクをフィリップ殿下の近衛にしたいなんて、本気なの?」
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