フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

163.ボクはあなたと交わらない人生を歩む。いつか、応えられない思いも、叶わなかった願いもまとめて、あなたの思い出話になる日がくるといいな。

フィリス15歳。
成人の儀に出席するため、ガラン子爵家当主である父ダルクと一緒に王都邸にいる。

父と同じ細身で小柄だが、すくすく育って、元気いっぱい。

ガラン子爵家の先代当主襲撃事件から11年。犯人はまだ捕まっていない。従って、ガラン子爵家は、まだ非常事態宣言を解除していない。

成人の儀の昼の部に出席したら、父は、外交へ。フィリスは、王都の友人達と旧交を温めたのち、帰郷。

今後、フィリスが王都にくる回数は多くはない。
フィリスの王都暮らしは、フィリップ殿下から逃げたくて泣いたり叫んだり、友人と和気あいあい遊んだり、と充実していた。

素敵な子ども時代を送れたことに、家族と友人には感謝しかない。

フィリスは、ガラン領で、子ども時代の思い出を大切にしながら生きていく。

友人達とは、離れていても、手紙のやりとりをしてきたが、フィリップ殿下とは一切連絡をとっていない。

フィリップ殿下は、フィリスのことを思い出にして、笑い飛ばせるようになっただろうか？

今日で、子ども時代が終わる。