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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

142.女性人気ナンバーワンが好きな相手が、意外な人だったとき、どんな反応する?

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第4王子フィリップ殿下の婚約者はなかなか決まらない。
女性に等しく親切な態度なので、自分は特別だと思ったら、別の人にも優しい現場を見て、憤ったり、落ち込んだり、キャットファイトに発展したりして、未成人の社交の場であるお茶会は、大変賑やかになっていた。

15歳で成人なのに、14歳になられても見初められたご令嬢がいない。

『変わったご趣味なのか、ご自身と同じくらいハイレベルでないとお相手になれないのか。』

社交界にささやかれ始めた噂は、王妃陛下の新しい悩みになった。

「フィリップ。あなたは、ご令嬢のどなたにも興味を示さないわね。気になる娘はいないのかしら?」

「母上。女性は、皆、一様に美しいもの。差をつけることなど愚の骨頂。」

「そうは言っても1人くらい、いないのかしら?」

「1人だけ、もう1度会いたいと思っています。」

「まあ、どこのお家のどなたかしら?」

「母上、私もたった1度、4年前にお会いしたきり。私は、忘れられませんでしたが、お相手も同じだとは限りません。4歳差ですから、当時、私が11歳、あの子は7歳。それ以降、機会をうかがっていましたが、残念なことに、これまで1度も機会に恵まれませんでした。」

「そんなに気になる方とは、どこで?」

「交流会です。母上。4年前の。」

「あなたが参加した回?」

「いいえ。その回、私は、見に行っただけで、参加はしませんでした。始まる前から注目していましたが、それ以上でした。」

王妃は愛息子フィリップ殿下のスケジュールは全て把握している。
よくよく思い返しても、1人もヒットしない。
「参加者のご家族のご令嬢かしら?」

「参加者自身です。」
愛息子は涼しい顔。
王妃はとうとう白旗をあげた。
「フィリップが見学した会のご令嬢クラスは、全員、面識があるはずよ?誤魔化さないで教えてちょうだい。」

「ご令嬢だなんて、ひどい間違いです。母上。ご令嬢に違いなんてあるわけないでしょう。」
愛息子はあっけらかんと答えた。
王妃は、まじまじと愛息子を見つめる。
「フィリップ、もしや男性なの?」

「母上は、虫の顔面を並べて、優劣をつけられますか?
7歳での彼の完成度をお見せしたかったですよ。4年経った今、どんな成長を見られるだろうか。」
愛息子の凛々しい顔が、妄想で崩れている。
7つの男子を4年も思っていたですって!
子どもの癖に王子を誘惑するなんてろくでもない。男を手玉にとるような天性の男娼なんだわ。
なんとか、フィリップから遠ざけないと。

「どこの男がわたくしのフィリップを誑かしたの?」

「母上。私は誑かされてなどいませんよ。」

「そうよ。そう、フィリップが、男に。7つの子どもに引っかかるなんて、そんなこと。そんなつまずき、許されるわけがないわ。私が手ずから育てたのよ。間違いなんて。」
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