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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

136.王太子とデヒルのブロマンス

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デヒルが王城に着くと、阿吽の呼吸で手続きが済み、最速で王太子の部屋に送り込まれる。

「デヒル。来てくれると思った。会いたい気持ちを募らせていたのは、私だけではなかった。会えない時間が2人の仲を育てていたんだな。」
と王太子のジャブ。

「俺は思いを募らせていないから、別の者と育んでいたんじゃないか?」
とデヒル。
俺もお前も、別の人間と結婚しているが?てなもんである。

「拗ねているデヒルもデヒルだ。さあ、ゆっくりしていくといい。泊まってもよいが?」
王太子ワールドは止まらない。

「秒で帰る。泊まる部屋の用意は不要だ。」
案内先が、王太子の部屋の寝室のベッドに変わる前に帰りたい。

「部屋の用意はできているから、今からでも入れるけれど。」
仕事熱心な職員がそこかしこにいる。さすが王城の王太子担当。
でも、デヒルには有り難くない。

「道具が、並べられた部屋にか?」
王城に来るたびに案内されている部屋がある。

最新式からレアまで、夜のお伴の新品がサイドテーブルに並べてある。整列するかのように。
いや、使わない。使う予定は俺にはない。
部屋を出た後に、使用感を求めにくるな。
希望をお聞きしても?不要の返事を聞かなかったことにするな。

「無理はさせたくはないから。気に入らないのは取り下げるよ。さて、移動しようか。」
全部下げろ。無駄遣いでなければ、コレクションか。
王太子はコレクターなのか?

「移動するか。」
人前での会話だと加速度が増す。

「部屋の方良いだろう?」
準備の出来た部屋に入る方が、耳目がなくて良い。

「行く。もう喋るな。」
王太子が喋る度に、新しい発見に喜ぶやつが増える気がする。

「そうかい?」

はい、と王太子が手を差し出してくる。

デヒルが無視していると、
「まだ始めるには早いよ、デヒル。部屋まで待てない気持ちはわかりすぎるほどわかるよ。」
と言い出す。

目の前に手を差し出されたら、王太子が話し出す前にさっさととって進むのみ。
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