フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

118.フィリスが父ダルクの二の舞になり、コーハ王国で居場所を無くすことがないように、ラウルの父、姉、ラウルは立ち上がることにしたよ！

「危機感を共有する者が動くことになるよ。」
と父は言ったあと、姉とラウルを優しくと呼んだ。

「ダルクのとき、ダルクの周りに味方はいなかった。ダルクは、1人で考え、自分の出来ることをしたが、あのとき、ダルクに寄り添い、手を差し伸べる人間がいたら、と思うんだ。」

「わたしは、ダルクの子どもが、ダルクと同じ道を辿るのは、互いのために避けたいと考えている。」

「君たちには、わたしと一緒に戦ってほしい。わたしは思い立ったが吉日と動き回れないが、その分、別のことをする。」

「まあ、親子で同じことをされたら、ガラン家はコーハ王家を見限るでしょうね。」
と姉。

「うちの家の掃除がてら、フィリスくんの遊び場に提供しましょう。」
と姉は言った。

「王弟が婿入りしているうちに出入りしていたら、孤立したとは思わないでしょう。
ラウルには苦労かけるわ。
ねえ、ラウル。どんなことでも、家族には、嫌なら嫌と主張して、不安なら不安をさらけ出し、嬉しいことは嬉しいと表し、腹立つことには怒りなさいね。
お父様もお母様も私も、ラウルの気持ちは、全部引き受けるわよ。
私達の目の前には、お父様とその兄という反面教師がいるからね。ああなりたくないの。」
姉は、いつだって正直過ぎると思うが、今のラウルには、姉の真っ直ぐさが嬉しい。

「嬉しいです。姉上。」
早速、姉に伝える。

「よく言った、ラウル。良くやった、私。美ショタの味方は正義。つまり、私は正義の味方。」
姉のテンションは振り切れたようだ。

小躍りしている姉といつまでも家族でいたい、とラウルは思う。