フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

104.辺境の地からご活躍をお祈り申し上げるとは、関わらないよ、と言っているよね?

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事件の当事者で目撃者がいる、と姉が呟いている。

「その後の流れも覚えている。」

「ダルクは、先代国王陛下に淡々と言った。
『今回の王都の滞在で、今後の付き合いが必要と判断できるものが何もなかった。今後は、辺境の地からご活躍をお祈り申し上げる。』と。」

「子どもに言わせることじゃないよ!」
と姉。

「ダルクは、わたしの体調を気遣ってくれたが、わたしがいないと、ダルクは城から出られないと思ったので、わたし達は、騒ぎに紛れて、その場を離れた。」

「わたし達は、再会を願って別れた。」

「当代当主は、それでよいとして、父上は、どうなったのでしょう?」
とラウル。

「君たちは、賢く優しい自慢の我が子だ。」
父の眼差しはいつも温かい。

「先代国王陛下と兄とわたしで、話をした。」

「兄がダルクの嘘の行状を言い立てるので、
兄とダルクは、王都にきたという挨拶の日と、今日の辞去の挨拶でしか、顔を合わせていないとわたしは話した。
兄が交流を持っていないのに、持っていると嘘を報告し、嘘を突き通すために、交流会の出席を命令することを繰り返していたことも。
証拠があるうちに、検証するよう提案した。」

先代国王陛下はすぐに手を打った。と父は続けた。
「先代国王陛下も兄も顔色が変わったよ。」

「先代国王陛下は、兄に暴言をはいた側近達を始末して、側近を入れ替えるようにその場で指示された。兄は抵抗した。側近をきるぐらいなら、王にならなくてもよい、と。」

「先代国王陛下の子どもは、兄とわたしと妹の3人。わたしは国王を務める体力がない。妹は明らかに王の性質ではなく、国家運営が困難だと予想出来た。」

「国王陛下は、自分が切り捨てられないと知って、側近の命のために、王位をかけてみせたのね。」
と姉。

「先代国王陛下は、側近をそのままにするなら、再教育をするとおっしゃった。国王陛下の元に戻ってきた者、辞去した者に分かれたよ。」

「戻ってきたのは、今いる方々?」
と姉。

「一部ね。全員ではない。」

「戻ってきた理由、去った理由、それぞれ、わかりますか?」
と姉。

「去った1人が、兄とわたしの従兄弟だよ。」

「ジーンのお父上。」
とラウル。

「そうだ、彼が話せるなら、話してくれるだろう。」

「戻ってきた者の反応色々だった。
反省、不満、無。
彼らに共通するのは、国王の側近を辞してはやっていけない、という点だ。」

「次期国王という後ろ盾を失うと困る。そういうことですか?」
とラウル。

「問題の根が見えてきた気がしたけど、深過ぎるわ。」
姉はぼやいた。
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