フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

96.気を遣って話かけるタイプもいれば、気が合うやつがいないなら、輪に入らないタイプもいるよね?ノーマとシエルみたいな。

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フィリスとノーマとシエルは意気投合したようで、今後もお約束して遊びましょう、と切り上げて帰っていった。

旧家の使用人は、主人が望むことを口にする前に調える。
主人が口にした時点で、主人の希望が通らないなどあり得ない。

という旧家ルールを解説すると、ノーマとシエルも帰っていった。

いや、なんで、ノーマとシエルが帰ろうとしているんだ。
「お前たちは、違うよな?」
と確認するように、聞くと。
「旧家の方の側に人もつけずに帰らせるなんて、正気ですか?」
と憤って仲良く帰っていった。

ジーンとラウルは、シドニーとエスターに労りの言葉をかけた。

次に雑談。
「まず、驚いたのが、あの2人。」
とラウル。
「ノーマとシエルは、交流会に来ても、自分のしたいことを優先していたからな。」
とジーン。

「2人があんなに饒舌だとは気づきませんでした。」
とエスター。
「話す気があれば話すんだな。」
とシドニー。

「話に混ざろうとしたら、
『3人で話しているんですけど。』
『こっちはお呼びじゃないので、そっちはそっちでやっていて下さい。』
だからな。」
とシドニーが、真似ながら、笑う。

「あの2人の年齢相応の子どもらしさを初めて見ました。」
とエスター。

「入ってくるなと主張されたのは、初めてだ。」
とシドニー。

「私達、歓迎されないことは、滅多にありませんでしたからね。」
とエスター。

身分も高いし、見た目もよろしくて、振る舞いも紳士的な貴族子弟は、どこに行っても、全力でウェルカム。
呼ばれたくなくても、ウェルカムされる。
押し寄せてくる者もわんさかいる。

一目おかれている分、立ち回り必須なのだ。

軽く、流したところで、いよいよ本題に入る。
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