フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

82.全力でお上りさんになりきったら、お尻を守ったままで内偵できるかな？

フィリスとサブリーとユージュアルのお尻を守る会議。

「尻に貞操帯でも着けさせるか？」
とアンドリュー。

「男娼オンリーの売春宿に行くのに、つけていくのか？」
とリッチェル。

「貞操帯を使って、寝盗られプレイか、未亡人プレイを希望？」
とアラン。

「この3人が、シチュエーションプレイを楽しむように見えるか？」
とセドリック。

アンドリューは近衛に入る前、自領の侯爵領の領兵団にいた。

バリバリの武闘派である。

貴族らしさとの使い分けが出来る。
領兵を通じて庶民の暮らしを見てきたので、浮き世離れしたことはしないし、言わない。

アンドリューにお尻を守る教えを授けてもらうのが、今日の議題なのだ。

「はい！」
サブリーが挙手。
「発言を認める。サブリー。」

「俺達が掘られる側じゃないと申告したら？」
とサブリー。

「突っ込む側だと？却下。誰も信じない。」
と鼻で嗤うアンドリュー。

「掘られたいけど、自分の中の葛藤から、掘る側のフリをしていると思われるだろうな。
せっかく勇気を出して男娼のいる売春宿を選んだんだから、もっと勇気を出して、心をさらけ出したら、キモチイイとか、手取り足取り最後までコースだよ。」
親切な解説をしてくれるアラン。

「まさか、そんな。」
とユージュアルが声を震わせる。

「そこそこの金持ちの子どもが、金を持って田舎から出てきた。家出か、旅行。駆け落ちか、大人になりにきたかと思うだろうよ。娼館や売春宿に遊びに行っているのは、後者だろ。」
とセドリック。

「遊びにきた、を徹底したらどうなる？」
とラウル。

「田舎から出てきた若者が、王都の平民街の裏へ。」
とリッチェル。

「本気で行くと、運が良ければ、ドブをさらったときに身包み剥がされて発見されるやつだよね。」
とアラン。

「運が悪ければ？」
とジーン。

「生きて帰ってこないパターン。」
とセドリック。

「裏社会を冒険する醍醐味だ。何もないところから、蛇が出てくる。」
とアンドリュー。

「生まれ持った探求心に突き動かされた若者。
悪くない。
世間知らずが飛び込んでいく。
そのまま出来るだろう？」
とラウル。

「俺達、学習するからね。昨日より賢いよ？」
サブリーは急いで主張した。

「学習しても、ものになっているとは限らない。いつの日か、賢くなる日が来ることもあるだろうから、諦めずに生きなさい。」
とジーン。