54 / 1,437
第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?
54.出先で言い掛かりつけられてからの連行って、恐怖しかないよね?
しおりを挟む
何がどうして、そうなったのか、ダンシェル達にはわけがわからない。
ダンシェル達3人は、屈強な体格の先方の近衛達に囲まれた。
近衛達は、ダンシェル達の行動に、確認が必要なので、このまま目的地まで歩くようにと言う。
目的地も何も、人だらけな空間から、息抜きしたかっただけ。あえて、行き先を答えるなら、パーティー会場である。
囲まれて、周囲から遮断されると、パーティー会場から出るんじゃなかった、と後悔が押し寄せてくる。
誰か気づいて、止めてくれる人はいないか?
偶然通りかかったら、声をかけてくれないか?
ダンシェル達の願いも虚しく、近衛達は、高圧的だ。
有無を言わさず、パーティー会場から遠ざかろうとしてくる。
連行されそうになっていると、フィリス達3人が探しにきて、呼び止めた。
「待って。その3人組、うちの子!」
とフィリス。
「迷子になる前に、先輩を頼れって。ケツに殻つけているヒヨコなんだから。」
とサブリー。
「ほら、戻っておいでー。帰ってきたら、反省文とお尻ペンペンな?」
とユージュアル。
「反省したら、ジュース飲んでいいからね。」
と最後にもう1度フィリス。
フィリス達は3人とも、のほほんさが醸し出されて迫力がない上に、15歳、16歳のダンシェル達より華奢だ。
ダンシェル達を囲む近衛は、一瞥した後、無視した。
フィリス達は諦めない。
「ボク、ちゃんとお世話してるよ。」
「放し飼いにしていない。食事と風呂、トイレは確認する。」
「え?確認いる?」
「風呂やトイレで泣いているかもしれないだろう?」
「そうだね。一緒に行かなくていいの?」
「生理現象だったら、心配いらないだろ?出てこない、とか返事がないなら、扉を開ける、でいいかな。」
「時々、野良っぽいとこあるけど、帰ってくるから。」
「俺達、ちゃんと認識されているからな。」
「甘えん坊だから。構って、て言えないけど、構ってほしくて、プンプンしちゃうんだっ。」
「寂しくて、でも、言えない、もっと見て、キュン。だよな?」
フィリス達は、声量を落とさず、会話を途切れさせない。
しまいに、
「うちの子、手がかかるけれど、今が1番可愛い盛りなんだから、持っていったらいやー。」
とフィリスが叫んだ。
「うちの子は、一緒にお家に帰るの。もっと構うんだから!」
ダンシェル達を囲む近衛は、
フィリス達3人をすげなく追い払おうとして、うまくいかないと、
「全員で脱走は良くないから、パーティー会場に戻ってみては?」
と親切めいた言葉で丸め込もうとした。
フィリス達は、
「うちの子は、可愛い盛りなんだから、連れて帰る」
という主張を曲げない。
フィリス達が弱そうなのに1歩もひかないとみると、近衛達は、飴とムチ作戦に切り替えてきた。
刃物をチラつかせながら、
「容疑者の護送をしている、痛い目に会いたくないなら、黙っていれば見逃してもよい。」
と言い出した。
「近衛で初めて聞く台詞だなー。そんなに近衛していないけど。」
サブリーがさらっと毒気を挟む。
「容疑者って知っているか?
事件が起きたときに犯人と疑われている人のことだ。」
ユージュアルは、容疑者という言葉を知っている自分、偉いだろ?と言いたげである。
「事件が起きたの?いつ?どこで?あらましは?」
フィリスは言いながら、嘆き出した。
「どうしよう?パイプと片眼鏡と、杖がない。」
「ん?何に使うん?」
「分かった!コートと帽子で探偵セット!」
「探偵?そうか。事件が起きるところ、名探偵あり!」
「違うよ。名探偵がいるところに、事件が起きるの。何でかわからないけれど、様式美だから、ツッコミは無粋だって聞いた。」
とフィリスは言った。
「今日は、名探偵がいるんだと思う。そっちの大きい人も皆で一緒にパーティー会場を探しましょう。」
フィリス、サブリー、ユージュアルは、ダンシェル達から目をそらさなかった。
近衛達は、ダンシェル達を解放しない。
フィリスは、ダンシェル達と分断されないように自分達も一緒にと誘導した。
6人が連れて行かれた先は、王城の1角にある拷問器具が揃っている部屋だった。
ダンシェル達3人は、屈強な体格の先方の近衛達に囲まれた。
近衛達は、ダンシェル達の行動に、確認が必要なので、このまま目的地まで歩くようにと言う。
目的地も何も、人だらけな空間から、息抜きしたかっただけ。あえて、行き先を答えるなら、パーティー会場である。
囲まれて、周囲から遮断されると、パーティー会場から出るんじゃなかった、と後悔が押し寄せてくる。
誰か気づいて、止めてくれる人はいないか?
偶然通りかかったら、声をかけてくれないか?
ダンシェル達の願いも虚しく、近衛達は、高圧的だ。
有無を言わさず、パーティー会場から遠ざかろうとしてくる。
連行されそうになっていると、フィリス達3人が探しにきて、呼び止めた。
「待って。その3人組、うちの子!」
とフィリス。
「迷子になる前に、先輩を頼れって。ケツに殻つけているヒヨコなんだから。」
とサブリー。
「ほら、戻っておいでー。帰ってきたら、反省文とお尻ペンペンな?」
とユージュアル。
「反省したら、ジュース飲んでいいからね。」
と最後にもう1度フィリス。
フィリス達は3人とも、のほほんさが醸し出されて迫力がない上に、15歳、16歳のダンシェル達より華奢だ。
ダンシェル達を囲む近衛は、一瞥した後、無視した。
フィリス達は諦めない。
「ボク、ちゃんとお世話してるよ。」
「放し飼いにしていない。食事と風呂、トイレは確認する。」
「え?確認いる?」
「風呂やトイレで泣いているかもしれないだろう?」
「そうだね。一緒に行かなくていいの?」
「生理現象だったら、心配いらないだろ?出てこない、とか返事がないなら、扉を開ける、でいいかな。」
「時々、野良っぽいとこあるけど、帰ってくるから。」
「俺達、ちゃんと認識されているからな。」
「甘えん坊だから。構って、て言えないけど、構ってほしくて、プンプンしちゃうんだっ。」
「寂しくて、でも、言えない、もっと見て、キュン。だよな?」
フィリス達は、声量を落とさず、会話を途切れさせない。
しまいに、
「うちの子、手がかかるけれど、今が1番可愛い盛りなんだから、持っていったらいやー。」
とフィリスが叫んだ。
「うちの子は、一緒にお家に帰るの。もっと構うんだから!」
ダンシェル達を囲む近衛は、
フィリス達3人をすげなく追い払おうとして、うまくいかないと、
「全員で脱走は良くないから、パーティー会場に戻ってみては?」
と親切めいた言葉で丸め込もうとした。
フィリス達は、
「うちの子は、可愛い盛りなんだから、連れて帰る」
という主張を曲げない。
フィリス達が弱そうなのに1歩もひかないとみると、近衛達は、飴とムチ作戦に切り替えてきた。
刃物をチラつかせながら、
「容疑者の護送をしている、痛い目に会いたくないなら、黙っていれば見逃してもよい。」
と言い出した。
「近衛で初めて聞く台詞だなー。そんなに近衛していないけど。」
サブリーがさらっと毒気を挟む。
「容疑者って知っているか?
事件が起きたときに犯人と疑われている人のことだ。」
ユージュアルは、容疑者という言葉を知っている自分、偉いだろ?と言いたげである。
「事件が起きたの?いつ?どこで?あらましは?」
フィリスは言いながら、嘆き出した。
「どうしよう?パイプと片眼鏡と、杖がない。」
「ん?何に使うん?」
「分かった!コートと帽子で探偵セット!」
「探偵?そうか。事件が起きるところ、名探偵あり!」
「違うよ。名探偵がいるところに、事件が起きるの。何でかわからないけれど、様式美だから、ツッコミは無粋だって聞いた。」
とフィリスは言った。
「今日は、名探偵がいるんだと思う。そっちの大きい人も皆で一緒にパーティー会場を探しましょう。」
フィリス、サブリー、ユージュアルは、ダンシェル達から目をそらさなかった。
近衛達は、ダンシェル達を解放しない。
フィリスは、ダンシェル達と分断されないように自分達も一緒にと誘導した。
6人が連れて行かれた先は、王城の1角にある拷問器具が揃っている部屋だった。
0
お気に入りに追加
349
あなたにおすすめの小説
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
勇者召喚に巻き込まれて追放されたのに、どうして王子のお前がついてくる。
イコ
BL
魔族と戦争を繰り広げている王国は、人材不足のために勇者召喚を行なった。
力ある勇者たちは優遇され、巻き込まれた主人公は追放される。
だが、そんな主人公に優しく声をかけてくれたのは、召喚した側の第五王子様だった。
イケメンの王子様の領地で一緒に領地経営? えっ、男女どっちでも結婚ができる?
頼りになる俺を手放したくないから結婚してほしい?
俺、男と結婚するのか?
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
食堂の大聖女様〜転生大聖女は実家の食堂を手伝ってただけなのに、なぜか常連客たちが鬼神のような集団になってるんですが?〜
にゃん小春
ファンタジー
魔獣の影響で陸の孤島と化した村に住む少女、ティリスティアーナ・フリューネス。父は左遷された錬金術師で村の治療薬を作り、母は唯一の食堂を営んでいた。代わり映えのしない毎日だが、いずれこの寒村は終わりを迎えるだろう。そんな危機的状況の中、十五歳になったばかりのティリスティアーナはある不思議な夢を見る。それは、前世の記憶とも思える大聖女の処刑の場面だった。夢を見た後、村に奇跡的な現象が起き始める。ティリスティアーナが作る料理を食べた村の老人たちは若返り、強靭な肉体を取り戻していたのだ。
そして、鬼神のごとく強くなってしまった村人たちは狩られるものから狩るものへと代わり危機的状況を脱して行くことに!?
滅びかけた村は復活の兆しを見せ、ティリスティアーナも自らの正体を少しずつ思い出していく。
しかし、村で始まった異変はやがて自称常識人である今世は静かに暮らしたいと宣うティリスティアーナによって世界全体を巻き込む大きな波となって広がっていくのであった。
2025/1/25(土)HOTランキング1位ありがとうございます!
公爵家の次男は北の辺境に帰りたい
あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。
8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。
序盤はBL要素薄め。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる