54 / 1,415
第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?
54.出先で言い掛かりつけられてからの連行って、恐怖しかないよね?
しおりを挟む
何がどうして、そうなったのか、ダンシェル達にはわけがわからない。
ダンシェル達3人は、屈強な体格の先方の近衛達に囲まれた。
近衛達は、ダンシェル達の行動に、確認が必要なので、このまま目的地まで歩くようにと言う。
目的地も何も、人だらけな空間から、息抜きしたかっただけ。あえて、行き先を答えるなら、パーティー会場である。
囲まれて、周囲から遮断されると、パーティー会場から出るんじゃなかった、と後悔が押し寄せてくる。
誰か気づいて、止めてくれる人はいないか?
偶然通りかかったら、声をかけてくれないか?
ダンシェル達の願いも虚しく、近衛達は、高圧的だ。
有無を言わさず、パーティー会場から遠ざかろうとしてくる。
連行されそうになっていると、フィリス達3人が探しにきて、呼び止めた。
「待って。その3人組、うちの子!」
とフィリス。
「迷子になる前に、先輩を頼れって。ケツに殻つけているヒヨコなんだから。」
とサブリー。
「ほら、戻っておいでー。帰ってきたら、反省文とお尻ペンペンな?」
とユージュアル。
「反省したら、ジュース飲んでいいからね。」
と最後にもう1度フィリス。
フィリス達は3人とも、のほほんさが醸し出されて迫力がない上に、15歳、16歳のダンシェル達より華奢だ。
ダンシェル達を囲む近衛は、一瞥した後、無視した。
フィリス達は諦めない。
「ボク、ちゃんとお世話してるよ。」
「放し飼いにしていない。食事と風呂、トイレは確認する。」
「え?確認いる?」
「風呂やトイレで泣いているかもしれないだろう?」
「そうだね。一緒に行かなくていいの?」
「生理現象だったら、心配いらないだろ?出てこない、とか返事がないなら、扉を開ける、でいいかな。」
「時々、野良っぽいとこあるけど、帰ってくるから。」
「俺達、ちゃんと認識されているからな。」
「甘えん坊だから。構って、て言えないけど、構ってほしくて、プンプンしちゃうんだっ。」
「寂しくて、でも、言えない、もっと見て、キュン。だよな?」
フィリス達は、声量を落とさず、会話を途切れさせない。
しまいに、
「うちの子、手がかかるけれど、今が1番可愛い盛りなんだから、持っていったらいやー。」
とフィリスが叫んだ。
「うちの子は、一緒にお家に帰るの。もっと構うんだから!」
ダンシェル達を囲む近衛は、
フィリス達3人をすげなく追い払おうとして、うまくいかないと、
「全員で脱走は良くないから、パーティー会場に戻ってみては?」
と親切めいた言葉で丸め込もうとした。
フィリス達は、
「うちの子は、可愛い盛りなんだから、連れて帰る」
という主張を曲げない。
フィリス達が弱そうなのに1歩もひかないとみると、近衛達は、飴とムチ作戦に切り替えてきた。
刃物をチラつかせながら、
「容疑者の護送をしている、痛い目に会いたくないなら、黙っていれば見逃してもよい。」
と言い出した。
「近衛で初めて聞く台詞だなー。そんなに近衛していないけど。」
サブリーがさらっと毒気を挟む。
「容疑者って知っているか?
事件が起きたときに犯人と疑われている人のことだ。」
ユージュアルは、容疑者という言葉を知っている自分、偉いだろ?と言いたげである。
「事件が起きたの?いつ?どこで?あらましは?」
フィリスは言いながら、嘆き出した。
「どうしよう?パイプと片眼鏡と、杖がない。」
「ん?何に使うん?」
「分かった!コートと帽子で探偵セット!」
「探偵?そうか。事件が起きるところ、名探偵あり!」
「違うよ。名探偵がいるところに、事件が起きるの。何でかわからないけれど、様式美だから、ツッコミは無粋だって聞いた。」
とフィリスは言った。
「今日は、名探偵がいるんだと思う。そっちの大きい人も皆で一緒にパーティー会場を探しましょう。」
フィリス、サブリー、ユージュアルは、ダンシェル達から目をそらさなかった。
近衛達は、ダンシェル達を解放しない。
フィリスは、ダンシェル達と分断されないように自分達も一緒にと誘導した。
6人が連れて行かれた先は、王城の1角にある拷問器具が揃っている部屋だった。
ダンシェル達3人は、屈強な体格の先方の近衛達に囲まれた。
近衛達は、ダンシェル達の行動に、確認が必要なので、このまま目的地まで歩くようにと言う。
目的地も何も、人だらけな空間から、息抜きしたかっただけ。あえて、行き先を答えるなら、パーティー会場である。
囲まれて、周囲から遮断されると、パーティー会場から出るんじゃなかった、と後悔が押し寄せてくる。
誰か気づいて、止めてくれる人はいないか?
偶然通りかかったら、声をかけてくれないか?
ダンシェル達の願いも虚しく、近衛達は、高圧的だ。
有無を言わさず、パーティー会場から遠ざかろうとしてくる。
連行されそうになっていると、フィリス達3人が探しにきて、呼び止めた。
「待って。その3人組、うちの子!」
とフィリス。
「迷子になる前に、先輩を頼れって。ケツに殻つけているヒヨコなんだから。」
とサブリー。
「ほら、戻っておいでー。帰ってきたら、反省文とお尻ペンペンな?」
とユージュアル。
「反省したら、ジュース飲んでいいからね。」
と最後にもう1度フィリス。
フィリス達は3人とも、のほほんさが醸し出されて迫力がない上に、15歳、16歳のダンシェル達より華奢だ。
ダンシェル達を囲む近衛は、一瞥した後、無視した。
フィリス達は諦めない。
「ボク、ちゃんとお世話してるよ。」
「放し飼いにしていない。食事と風呂、トイレは確認する。」
「え?確認いる?」
「風呂やトイレで泣いているかもしれないだろう?」
「そうだね。一緒に行かなくていいの?」
「生理現象だったら、心配いらないだろ?出てこない、とか返事がないなら、扉を開ける、でいいかな。」
「時々、野良っぽいとこあるけど、帰ってくるから。」
「俺達、ちゃんと認識されているからな。」
「甘えん坊だから。構って、て言えないけど、構ってほしくて、プンプンしちゃうんだっ。」
「寂しくて、でも、言えない、もっと見て、キュン。だよな?」
フィリス達は、声量を落とさず、会話を途切れさせない。
しまいに、
「うちの子、手がかかるけれど、今が1番可愛い盛りなんだから、持っていったらいやー。」
とフィリスが叫んだ。
「うちの子は、一緒にお家に帰るの。もっと構うんだから!」
ダンシェル達を囲む近衛は、
フィリス達3人をすげなく追い払おうとして、うまくいかないと、
「全員で脱走は良くないから、パーティー会場に戻ってみては?」
と親切めいた言葉で丸め込もうとした。
フィリス達は、
「うちの子は、可愛い盛りなんだから、連れて帰る」
という主張を曲げない。
フィリス達が弱そうなのに1歩もひかないとみると、近衛達は、飴とムチ作戦に切り替えてきた。
刃物をチラつかせながら、
「容疑者の護送をしている、痛い目に会いたくないなら、黙っていれば見逃してもよい。」
と言い出した。
「近衛で初めて聞く台詞だなー。そんなに近衛していないけど。」
サブリーがさらっと毒気を挟む。
「容疑者って知っているか?
事件が起きたときに犯人と疑われている人のことだ。」
ユージュアルは、容疑者という言葉を知っている自分、偉いだろ?と言いたげである。
「事件が起きたの?いつ?どこで?あらましは?」
フィリスは言いながら、嘆き出した。
「どうしよう?パイプと片眼鏡と、杖がない。」
「ん?何に使うん?」
「分かった!コートと帽子で探偵セット!」
「探偵?そうか。事件が起きるところ、名探偵あり!」
「違うよ。名探偵がいるところに、事件が起きるの。何でかわからないけれど、様式美だから、ツッコミは無粋だって聞いた。」
とフィリスは言った。
「今日は、名探偵がいるんだと思う。そっちの大きい人も皆で一緒にパーティー会場を探しましょう。」
フィリス、サブリー、ユージュアルは、ダンシェル達から目をそらさなかった。
近衛達は、ダンシェル達を解放しない。
フィリスは、ダンシェル達と分断されないように自分達も一緒にと誘導した。
6人が連れて行かれた先は、王城の1角にある拷問器具が揃っている部屋だった。
0
お気に入りに追加
337
あなたにおすすめの小説
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
英雄様の取説は御抱えモブが一番理解していない
薗 蜩
BL
テオドア・オールデンはA級センチネルとして日々怪獣体と戦っていた。
彼を癒せるのは唯一のバティであるA級ガイドの五十嵐勇太だけだった。
しかし五十嵐はテオドアが苦手。
黙って立っていれば滅茶苦茶イケメンなセンチネルのテオドアと黒目黒髪純日本人の五十嵐君の、のんびりセンチネルなバースのお話です。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
【R18+BL】ハデな彼に、躾けられた、地味な僕
hosimure
BL
僕、大祇(たいし)永河(えいが)は自分で自覚するほど、地味で平凡だ。
それは容姿にも性格にも表れていた。
なのに…そんな僕を傍に置いているのは、学校で強いカリスマ性を持つ新真(しんま)紗神(さがみ)。
一年前から強制的に同棲までさせて…彼は僕を躾ける。
僕は彼のことが好きだけど、彼のことを本気で思うのならば別れた方が良いんじゃないだろうか?
★BL&R18です。
R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)
黒崎由希
BL
目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。
しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ?
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
…ええっと…
もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m
.
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~
日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!
斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。
偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。
「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」
選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる