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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?
44.ボクの監視対象者の平民が、ボクの後輩に迷惑かけたの。いくら後輩がカッコいいからって、ボクの後輩だから。勝手に近付かないでほしかったよ。
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フィリスは王城の面会室で報告を受けていた。
「監視対象者の平民マーツが、休暇中の近衛別働隊所属の貴族子弟に絡み、無礼討ちにより、死亡。」
「相手の近衛の名前は、わかる?休暇中なら、本人と、お家にご挨拶に行かないと。ガラン子爵家の事情と近衛のお仕事が、絡んでいるからね。」
フィリス付きの執事は働き者。主の気になりそうな情報は事前に収集済み。
「はい。近衛別働隊所属のダンシェル・ロナウ様です。ロナウ男爵家のご次男でいらっしゃいます。ご当主は、父君スクラード様です。」
「ロナウ男爵家に連絡して、早めの訪問を取り付けて。会談時間は短くても構わない。監視を命じた者としての、事情説明と、ご子息のお手を煩わせましたね、と言うだけ。1時間で足りるよ。可能なら、今日。」
「畏まりました。」
執事が退室すると、フィリスは兄ハーマルの元へ。
ハーマルが所属する外交部は、暇なことがほぼない。
「ハーマルお兄様。ボク、外出するね。」
弟フィリスは、兄ハーマルのフォローありきで動く自覚のない甘えたさん。
その甘えたさんを際限なく甘やかす兄。
「行き先はロナウ男爵家?」
兄に聞かれ、まだ決まっていないの、と事もなげに言うフィリス。
「行き先は、ロナウ男爵家ご当主とダンに会える場所。」
ハーマルは、一応、弟が思い留まるように働きかけてみる。
「先方の意向確認、まだ済んでいないよね?」
フィリスは意に介さない。
「今日会える手配を頼んだよ。」
「場所は、ロナウ男爵邸じゃないのかい?」
「ハーマルお兄様。小一時間、お話するだけ。お互いの声が届く場所で。」
フィリス付きの執事は仕事の無茶振りに強くならないと務まらないんだなー。
出先にいても、出先で先方に時間を作らせる交渉と手配を同時進行するんだなあ。
ハーマルの同僚一同は思った。
仕事は、常識がある人間としたいな。選べないけど。
祈願でもしておく?
フィリスが行動するとき、いつもハーマルが支えている。
ロナウ男爵家は王都に屋敷はあるが、領地持ちではない。
近衛であるダンシェル・ロナウの出国申請の手続き記録はない。
ダンシェルは日中、王都の平民街にいたことは確認済みである。
その上で、外交部の兄ハーマルに頼みに来た、ということは。
ロナウ男爵は、外国にいるな?
外国まで追っかけるの?
今日会いたいのって、自分都合だよね?
高位貴族でも、そこまで奔放な方いる?
押しかけすぎじゃない?
止めた方がよくない?
なあ、ハーマル。
弟君、いくつだっけ?
やりたいことは、何でも経験させてあげる年齢じゃもうないのでは?
我慢とかそろそろ覚えさせてもいいんじゃないかな。
兄にはいつまでも弟だが、もう23歳、大人だぞ。
ハーマルの同僚達は、固唾をのんで成り行きを見守る。
「場所が決まり次第、すぐ連絡するんだよ。準備しておくね。」
フィリスは、お願いというと、出ていく。
「ハーマル、あのさあ」
「うん?」
「弟が可愛くても、何でもお願いを叶えていたら、そろそろ教育に良くないんじゃないか?」
「ありがとう。フィリスは可愛いけれど、ワガママじゃないから大丈夫。お願いは、可愛い内容ばかりだから。」
「可愛い内容だったか?」
相手の返事を聞く前に、外国にいる相手のところへ乗り込む準備を万端にしておき、居場所が分かり次第追いかけるんだよな?
相手の都合はいいのか?
入国手続きはすっ飛ばすなよ、後が面倒だから。
「頑張る弟を応援しているだけだよ?問題は起きないから。」
出来る兄のハーマルは、問題が起きないように、手を回すんだろうな。
同僚の1人が、素朴な疑問を口にした。
「ハーマルがいないとき、弟はどうするんだ?」
ハーマルはにこにこと頭を下げる。
「よろしく。」
「「「「「「はい?」」」」」」
「フィリスにもよく言っておくから、いないときは、お願いします。」
「「「「「「え!」」」」」」
「監視対象者の平民マーツが、休暇中の近衛別働隊所属の貴族子弟に絡み、無礼討ちにより、死亡。」
「相手の近衛の名前は、わかる?休暇中なら、本人と、お家にご挨拶に行かないと。ガラン子爵家の事情と近衛のお仕事が、絡んでいるからね。」
フィリス付きの執事は働き者。主の気になりそうな情報は事前に収集済み。
「はい。近衛別働隊所属のダンシェル・ロナウ様です。ロナウ男爵家のご次男でいらっしゃいます。ご当主は、父君スクラード様です。」
「ロナウ男爵家に連絡して、早めの訪問を取り付けて。会談時間は短くても構わない。監視を命じた者としての、事情説明と、ご子息のお手を煩わせましたね、と言うだけ。1時間で足りるよ。可能なら、今日。」
「畏まりました。」
執事が退室すると、フィリスは兄ハーマルの元へ。
ハーマルが所属する外交部は、暇なことがほぼない。
「ハーマルお兄様。ボク、外出するね。」
弟フィリスは、兄ハーマルのフォローありきで動く自覚のない甘えたさん。
その甘えたさんを際限なく甘やかす兄。
「行き先はロナウ男爵家?」
兄に聞かれ、まだ決まっていないの、と事もなげに言うフィリス。
「行き先は、ロナウ男爵家ご当主とダンに会える場所。」
ハーマルは、一応、弟が思い留まるように働きかけてみる。
「先方の意向確認、まだ済んでいないよね?」
フィリスは意に介さない。
「今日会える手配を頼んだよ。」
「場所は、ロナウ男爵邸じゃないのかい?」
「ハーマルお兄様。小一時間、お話するだけ。お互いの声が届く場所で。」
フィリス付きの執事は仕事の無茶振りに強くならないと務まらないんだなー。
出先にいても、出先で先方に時間を作らせる交渉と手配を同時進行するんだなあ。
ハーマルの同僚一同は思った。
仕事は、常識がある人間としたいな。選べないけど。
祈願でもしておく?
フィリスが行動するとき、いつもハーマルが支えている。
ロナウ男爵家は王都に屋敷はあるが、領地持ちではない。
近衛であるダンシェル・ロナウの出国申請の手続き記録はない。
ダンシェルは日中、王都の平民街にいたことは確認済みである。
その上で、外交部の兄ハーマルに頼みに来た、ということは。
ロナウ男爵は、外国にいるな?
外国まで追っかけるの?
今日会いたいのって、自分都合だよね?
高位貴族でも、そこまで奔放な方いる?
押しかけすぎじゃない?
止めた方がよくない?
なあ、ハーマル。
弟君、いくつだっけ?
やりたいことは、何でも経験させてあげる年齢じゃもうないのでは?
我慢とかそろそろ覚えさせてもいいんじゃないかな。
兄にはいつまでも弟だが、もう23歳、大人だぞ。
ハーマルの同僚達は、固唾をのんで成り行きを見守る。
「場所が決まり次第、すぐ連絡するんだよ。準備しておくね。」
フィリスは、お願いというと、出ていく。
「ハーマル、あのさあ」
「うん?」
「弟が可愛くても、何でもお願いを叶えていたら、そろそろ教育に良くないんじゃないか?」
「ありがとう。フィリスは可愛いけれど、ワガママじゃないから大丈夫。お願いは、可愛い内容ばかりだから。」
「可愛い内容だったか?」
相手の返事を聞く前に、外国にいる相手のところへ乗り込む準備を万端にしておき、居場所が分かり次第追いかけるんだよな?
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「頑張る弟を応援しているだけだよ?問題は起きないから。」
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同僚の1人が、素朴な疑問を口にした。
「ハーマルがいないとき、弟はどうするんだ?」
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「よろしく。」
「「「「「「はい?」」」」」」
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「「「「「「え!」」」」」」
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