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第3章 世の中には、異世界転移する男子高校生もいれば、異世界転生する人もいる
25.タマキ、コーハ王国王都に初外出
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タマキは浮かれている。
今日は、コーハ王国に来て初めての外出。今日のお出かけ先は、コーハ王国の王都にある平民街。
お出かけ前におさらいをしておこう。
コーハ王国の王都にある貴族街と平民街は、完全に棲み分けが出来ている。
コーハ王国は、歴然とした階級社会であるため、棲み分けは、予期出来ない不幸防止になっているそうだ。
不敬罪がある世の中なので、出会い頭の事故の激減は、調査担当者のストレス軽減に役立った。
これは豆知識。
さて、
出発前、先輩から注意事項を叩き込まれた。
「1つ、引率者以外に自分から話しかけない。
2つ、引率者から離れない。
3つ、引率者の指示に従う。自分で勝手に判断しない。見学に徹すること。
命令違反した場合は、今後を保障しない。」
タマキは約束を守る宣誓をして、引率者と家を出た。
外出するのは1ヶ月ぶり。
庭に出ることはあっても、敷地の外は初めて。
王都だよ、王女様やご令嬢に何人会えるか楽しみ。
キョロキョロしながら歩く。
タマキは早々に違和感をおぼえた。
乗り物に乗っている人も、運転している人も見えた。
30分くらい歩いているのに、着飾ったご令嬢っぽい人は、1人も見ていない。
歩いている女性はいる。
お仕着せを着ていて、2人以上でまとまって、行動している。
護衛らしい武装した女性や男性が一緒にいる組もある。
まさか、年頃の女の子が綺羅びやかに着飾る習慣がない、とか?
「どうした?」
引率者が聞いてくれたので、疑問を解消してしまおう。
「王女様やお嬢様が、全然見当たらない。ヒロイン達が王都にいないとか、そんなのある?」
タマキの質問が真剣だったので、引率者の目は、こいつアホちゃうか、と語っていた。
「王女様やお嬢様のような高貴な女性は、1人で街歩きされない。」
「高貴な女性に、侍女とか護衛がつくのは理解してる。」
「男女問わず、貴人の基本的な移動手段は、基本的に徒歩ではない。」
「じゃ、歩いている人は何者?」
「ここは、貴族街だから、徒歩は基本的に使用人。乗り物を使っていることもあるが。
私達は、住んでいる場所を確認し、街並みを見るために歩いている。
たまに招かれた平民も歩いていることがある。平民が乗り物に乗っている場合は、招いた側が用意している。」
タマキはガッカリした。
「階級社会を侮っていた。街角ナンパが成立しない世界だった。」
「平民街で、平民同士なら、ナンパは成立するが、タマキはだめだろう。」
「何でだめ?」
「人的財産という身分は、取得者が人として扱う財産を意味する。財産、つまり、モノ。公的に人と認められない存在だから、取得者の許可がない言動をしてはならない。」
「許可がおりているのは、俺が、出発前に宣誓した内容だけ?」
「理解が早くなった。偉いぞ。」
「えー。衝撃の事実。」
「双方のトラブル回避のためだ。」
「どういうこと?」
「平民と人的財産のタマキを比較すると、平民は人だから、階級がタマキより上になる。一般的にな。
ところが、人的財産であるタマキの取得者は、生粋の貴族だ。
最初から、対等な関係を築くことは不可能。捻れた関係にしかならない。
平民とタマキが接触して、何らかの関わりが出来たとしよう。
取引や契約は、平民と取得者で行う。トラブルの対処も平民と取得者で行う。きっかけにはなっても、取引相手にはなれない存在、それがタマキ。
平民にすれば、平民同士だと思ったのに、騙されたと考えて、タマキと取得者を恨むかもしれない。貴族が急に出張ってきたら、お咎めや、無理難題のふっかけが頭をよぎるものだ。
貴族に軽々しく近づく物知らずだと仲間内で評判がたったら、まともな平民から敬遠される。普通に生きていたい平民には、耐えられない。」
ロマンスが俺を避ける異世界転移。
戦えない俺から、ロマンス要素を無くしたら、一体、どこで異世界ファンタジーを楽しめばいいんだ。
まるっと納得はいかずとも、タマキはちゃんと返事をする。せっかくのお出かけが中止になるのは避けたい。
「理解したよ。散歩中は、勝手に、尻尾ふって、撫でられに行くなってことだな。」
「関係ある人にもない人にも、迷惑をかけないにこしたことはない。」
「了解した。」
今日は、コーハ王国に来て初めての外出。今日のお出かけ先は、コーハ王国の王都にある平民街。
お出かけ前におさらいをしておこう。
コーハ王国の王都にある貴族街と平民街は、完全に棲み分けが出来ている。
コーハ王国は、歴然とした階級社会であるため、棲み分けは、予期出来ない不幸防止になっているそうだ。
不敬罪がある世の中なので、出会い頭の事故の激減は、調査担当者のストレス軽減に役立った。
これは豆知識。
さて、
出発前、先輩から注意事項を叩き込まれた。
「1つ、引率者以外に自分から話しかけない。
2つ、引率者から離れない。
3つ、引率者の指示に従う。自分で勝手に判断しない。見学に徹すること。
命令違反した場合は、今後を保障しない。」
タマキは約束を守る宣誓をして、引率者と家を出た。
外出するのは1ヶ月ぶり。
庭に出ることはあっても、敷地の外は初めて。
王都だよ、王女様やご令嬢に何人会えるか楽しみ。
キョロキョロしながら歩く。
タマキは早々に違和感をおぼえた。
乗り物に乗っている人も、運転している人も見えた。
30分くらい歩いているのに、着飾ったご令嬢っぽい人は、1人も見ていない。
歩いている女性はいる。
お仕着せを着ていて、2人以上でまとまって、行動している。
護衛らしい武装した女性や男性が一緒にいる組もある。
まさか、年頃の女の子が綺羅びやかに着飾る習慣がない、とか?
「どうした?」
引率者が聞いてくれたので、疑問を解消してしまおう。
「王女様やお嬢様が、全然見当たらない。ヒロイン達が王都にいないとか、そんなのある?」
タマキの質問が真剣だったので、引率者の目は、こいつアホちゃうか、と語っていた。
「王女様やお嬢様のような高貴な女性は、1人で街歩きされない。」
「高貴な女性に、侍女とか護衛がつくのは理解してる。」
「男女問わず、貴人の基本的な移動手段は、基本的に徒歩ではない。」
「じゃ、歩いている人は何者?」
「ここは、貴族街だから、徒歩は基本的に使用人。乗り物を使っていることもあるが。
私達は、住んでいる場所を確認し、街並みを見るために歩いている。
たまに招かれた平民も歩いていることがある。平民が乗り物に乗っている場合は、招いた側が用意している。」
タマキはガッカリした。
「階級社会を侮っていた。街角ナンパが成立しない世界だった。」
「平民街で、平民同士なら、ナンパは成立するが、タマキはだめだろう。」
「何でだめ?」
「人的財産という身分は、取得者が人として扱う財産を意味する。財産、つまり、モノ。公的に人と認められない存在だから、取得者の許可がない言動をしてはならない。」
「許可がおりているのは、俺が、出発前に宣誓した内容だけ?」
「理解が早くなった。偉いぞ。」
「えー。衝撃の事実。」
「双方のトラブル回避のためだ。」
「どういうこと?」
「平民と人的財産のタマキを比較すると、平民は人だから、階級がタマキより上になる。一般的にな。
ところが、人的財産であるタマキの取得者は、生粋の貴族だ。
最初から、対等な関係を築くことは不可能。捻れた関係にしかならない。
平民とタマキが接触して、何らかの関わりが出来たとしよう。
取引や契約は、平民と取得者で行う。トラブルの対処も平民と取得者で行う。きっかけにはなっても、取引相手にはなれない存在、それがタマキ。
平民にすれば、平民同士だと思ったのに、騙されたと考えて、タマキと取得者を恨むかもしれない。貴族が急に出張ってきたら、お咎めや、無理難題のふっかけが頭をよぎるものだ。
貴族に軽々しく近づく物知らずだと仲間内で評判がたったら、まともな平民から敬遠される。普通に生きていたい平民には、耐えられない。」
ロマンスが俺を避ける異世界転移。
戦えない俺から、ロマンス要素を無くしたら、一体、どこで異世界ファンタジーを楽しめばいいんだ。
まるっと納得はいかずとも、タマキはちゃんと返事をする。せっかくのお出かけが中止になるのは避けたい。
「理解したよ。散歩中は、勝手に、尻尾ふって、撫でられに行くなってことだな。」
「関係ある人にもない人にも、迷惑をかけないにこしたことはない。」
「了解した。」
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