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第1章 フィリス23歳、16歳の男子高校生の異世界人に会いにいく
15.異世界人を偽称しようとしたミドリン・パーマー(ニア・トリス)とうさぎ団
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フィリスとタマキの面談の間に、うさぎ団はニア・トリスと名乗ったミドリン・パーマーを町に捨てにいく。
滞在している王国の婚約者持ちの高位貴族のご令息を複数誑かし、彼らと婚約者の実家の両方から監視がついて捜索されている女なんぞ、傭兵稼業の近くに置けない。
ミドリン・パーマーはうさぎ団に保護して貰おうと策を講じたのだが、不発に終わった。
「場末の女の泣き落としの方が上手い。」
「目当ての男を引っ掛け損ねて、数段落ちる男に乗り換えるときの女の顔だ。」
「女選びは慎重に、だよな。」
「ニア・トリス15歳と名乗る女が近付いてきたんだけど、そういうの困ってないから、町で引き取ってくれ。」
好き勝手言いながら、町の衛兵所に連れてきた。
「異世界人の男がいたわ。あの男はどこ?私が衛兵に引き渡されるなら、あの男も一緒の筈よ。」
ミドリン・パーマーが抵抗するのをうさぎ団の男たちは眺めていた。
「異世界人の男ねえ。アンタ、オレらに異世界人のニア・トリス15歳と名乗ったよなー。」
「自分は、他の人とは違うんです、と主張したいお年頃だったんだろ?」
うさぎ団の男たちは顔を見合わせた。
「異世界人を名乗るなんてぶっ飛んでるけどな。」
「オレはやらねー。」
「オレもやらねー。」
「異世界人の男がいたのか?」
衛兵の質問に1人が肩をすくめる。
「オレら、傭兵稼業なんで。その質問は、お仕事の依頼っすか?条件つめましょうか?」
「質問には素直に答えろ。」
衛兵の眉根が寄った。
「傭兵稼業はねー。信用第一なんすよー。」
「顧客情報とか、お仕事内容とか、まともな傭兵は話さないっす。知らないんすかー。」
「連行するぞ。」
「オレら、いい仕事するんで、お仕事の依頼する前に、上に相談した方がいいっすよ。」
「自称ニア・トリスは当たりだよー。衛兵さん、報告したら、褒められちゃうぞ。」
「オレらには、報奨金をてんこ盛りでヨロシク!」
周りを囲んでいた衛兵の1人が、長を呼んで戻ってきた。
「おい、この女、手配されているのか?」
「みんな知っているあの子、てヤツっす。」
「ウワサのねー。」
「答えろ。」
うさぎ団の気迫が変わる。
「わからないんだろう?とっとと、わかる人間まで報告あげろよ。」
「オレらは傭兵だって言ってんだろ?依頼のない仕事は、報奨金の高いとこに持ち込むぜ。」
「そうしたら、アンタら、降格や減給で済むかなー。」
「本人が目の前にいる上に、傭兵からの助言を聞いている中で、みすみす逃したら、どうなるのかなー。」
「どうなるんだ?」
長の周りの部下が落ち着かなくなってきた。
「そこは、欲しがっている人間次第じゃない?オレらが、言えることなんて、連絡はお早めに、くらいだわ。」
長が、王都に連絡をとる気になったのを察し、うさぎ団はアドバイスをした。
「容姿とか、特徴とか、細かく報告して、どなたかがお探しの人物ではありませんか?と聞いてみな。」
「引渡しのときには、報奨金の交渉もするから、担当者と報奨金の準備をしておくようになー。報奨金が足りなかったら、他に話を回すぞ。最終的にいくらになるか楽しみだ。」
滞在している王国の婚約者持ちの高位貴族のご令息を複数誑かし、彼らと婚約者の実家の両方から監視がついて捜索されている女なんぞ、傭兵稼業の近くに置けない。
ミドリン・パーマーはうさぎ団に保護して貰おうと策を講じたのだが、不発に終わった。
「場末の女の泣き落としの方が上手い。」
「目当ての男を引っ掛け損ねて、数段落ちる男に乗り換えるときの女の顔だ。」
「女選びは慎重に、だよな。」
「ニア・トリス15歳と名乗る女が近付いてきたんだけど、そういうの困ってないから、町で引き取ってくれ。」
好き勝手言いながら、町の衛兵所に連れてきた。
「異世界人の男がいたわ。あの男はどこ?私が衛兵に引き渡されるなら、あの男も一緒の筈よ。」
ミドリン・パーマーが抵抗するのをうさぎ団の男たちは眺めていた。
「異世界人の男ねえ。アンタ、オレらに異世界人のニア・トリス15歳と名乗ったよなー。」
「自分は、他の人とは違うんです、と主張したいお年頃だったんだろ?」
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「異世界人を名乗るなんてぶっ飛んでるけどな。」
「オレはやらねー。」
「オレもやらねー。」
「異世界人の男がいたのか?」
衛兵の質問に1人が肩をすくめる。
「オレら、傭兵稼業なんで。その質問は、お仕事の依頼っすか?条件つめましょうか?」
「質問には素直に答えろ。」
衛兵の眉根が寄った。
「傭兵稼業はねー。信用第一なんすよー。」
「顧客情報とか、お仕事内容とか、まともな傭兵は話さないっす。知らないんすかー。」
「連行するぞ。」
「オレら、いい仕事するんで、お仕事の依頼する前に、上に相談した方がいいっすよ。」
「自称ニア・トリスは当たりだよー。衛兵さん、報告したら、褒められちゃうぞ。」
「オレらには、報奨金をてんこ盛りでヨロシク!」
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「おい、この女、手配されているのか?」
「みんな知っているあの子、てヤツっす。」
「ウワサのねー。」
「答えろ。」
うさぎ団の気迫が変わる。
「わからないんだろう?とっとと、わかる人間まで報告あげろよ。」
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「本人が目の前にいる上に、傭兵からの助言を聞いている中で、みすみす逃したら、どうなるのかなー。」
「どうなるんだ?」
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「そこは、欲しがっている人間次第じゃない?オレらが、言えることなんて、連絡はお早めに、くらいだわ。」
長が、王都に連絡をとる気になったのを察し、うさぎ団はアドバイスをした。
「容姿とか、特徴とか、細かく報告して、どなたかがお探しの人物ではありませんか?と聞いてみな。」
「引渡しのときには、報奨金の交渉もするから、担当者と報奨金の準備をしておくようになー。報奨金が足りなかったら、他に話を回すぞ。最終的にいくらになるか楽しみだ。」
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