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2コミュ障な僕に友人ができる話
初部活3
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部長である御門先輩が隠れドSということが判明して1年生は全員基礎練を始めて御門先輩もそれに付き合って一緒にやっていたのだが、御門先輩のスピードについて行けるのは悠だけだったので20分後には2人は並んで外周を走っていた。
「流石だね神樹君、1年でちゃんと基礎が出来ているよ」
「まあ.....先輩ほど......余裕では無いです」
息を切らしながら話す悠に対して余裕の表情で走る御門先輩。
ここ天王寺高校のテニス部は全国大会にも出場する強豪校である。
そこの部長と言うだけあって基礎体力から化け物だった。
「そういえば君と同じクラスの子が2人いたね、確か皆川君と榊さんだっけ」
その言葉に思わず顔を歪ませる悠。
それを見て何かあったのだなと苦笑する御門先輩。
「前ハヤさんと勝負した時にその榊を置いてそのまま帰っちゃったんですよ。
さっきそれを思い出して.....」
「なるほどね、彼女の入部動機はおそらく君だと思うけどね。」
どこか得心したようにそういう御門先輩に一瞬訝しげ視線を送った悠だったがその意味に思い至りハッとする。
(まさかそんなに根に持っていらっしゃる!!?)
さらに顔が歪んだ悠を見て御門先輩は面白そうにニコニコしつつ見守る。
「それより1年は何人残ると思うかい?」
「まあ半分残れば万々歳じゃないですか?
やっぱりここの練習はきついですよね」
2人が話しているのは転部する者の話だ。
確かに今日の練習も厳しいがまだまだこの程度は序の口で今後はこのメニューを平日の放課後か朝終わらせなければならない。
もし終えれなかったら休日の練習で居残りし続けることになるのだ。
悠も隼人に聞いていたが毎年必ず何人か2週間程度で転部するらしい。
「まあ俺には関係ないんで」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
御門先輩の言っていたメニューを終えて他の1年が走り続けているのを尻目に着替えて帰宅準備を済ませた悠。
最後に深谷先生に挨拶に行く。
「ノルマ終わったので帰ります、お疲れ様でした」
そう言って立ち去ろうとする悠を先生はニヤリとしながら呼び止める。
「神樹 悠か.....最初にクラスの名簿で見た時にまさかとは思ったけれど、お前があの神樹悠か......私も隼人から話は聞いているからお前がまだ本気で部活をする気でないのは知っている。まあ私は結果優先派だからお前の好きなようにやれ」
その言葉に悠は一瞬首だけ振り返るが軽く一礼だけしてそのまま帰宅した。
「流石だね神樹君、1年でちゃんと基礎が出来ているよ」
「まあ.....先輩ほど......余裕では無いです」
息を切らしながら話す悠に対して余裕の表情で走る御門先輩。
ここ天王寺高校のテニス部は全国大会にも出場する強豪校である。
そこの部長と言うだけあって基礎体力から化け物だった。
「そういえば君と同じクラスの子が2人いたね、確か皆川君と榊さんだっけ」
その言葉に思わず顔を歪ませる悠。
それを見て何かあったのだなと苦笑する御門先輩。
「前ハヤさんと勝負した時にその榊を置いてそのまま帰っちゃったんですよ。
さっきそれを思い出して.....」
「なるほどね、彼女の入部動機はおそらく君だと思うけどね。」
どこか得心したようにそういう御門先輩に一瞬訝しげ視線を送った悠だったがその意味に思い至りハッとする。
(まさかそんなに根に持っていらっしゃる!!?)
さらに顔が歪んだ悠を見て御門先輩は面白そうにニコニコしつつ見守る。
「それより1年は何人残ると思うかい?」
「まあ半分残れば万々歳じゃないですか?
やっぱりここの練習はきついですよね」
2人が話しているのは転部する者の話だ。
確かに今日の練習も厳しいがまだまだこの程度は序の口で今後はこのメニューを平日の放課後か朝終わらせなければならない。
もし終えれなかったら休日の練習で居残りし続けることになるのだ。
悠も隼人に聞いていたが毎年必ず何人か2週間程度で転部するらしい。
「まあ俺には関係ないんで」
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御門先輩の言っていたメニューを終えて他の1年が走り続けているのを尻目に着替えて帰宅準備を済ませた悠。
最後に深谷先生に挨拶に行く。
「ノルマ終わったので帰ります、お疲れ様でした」
そう言って立ち去ろうとする悠を先生はニヤリとしながら呼び止める。
「神樹 悠か.....最初にクラスの名簿で見た時にまさかとは思ったけれど、お前があの神樹悠か......私も隼人から話は聞いているからお前がまだ本気で部活をする気でないのは知っている。まあ私は結果優先派だからお前の好きなようにやれ」
その言葉に悠は一瞬首だけ振り返るが軽く一礼だけしてそのまま帰宅した。
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