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第99話「ステディ・リインカネーションのルールでは、 どんなに壊そうが、文句を言われる事はない」
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うおおおおおおおおんんんんん!!!!!
と咆哮し、魔獣ケルベロスは、ゴブリンどもがうごめく、洞窟へ突っ込んだ。
しばらく経ったら、ケルベロスは洞窟の外へ、ゴブリン達を追い出してくれるはずだ。
……その間、俺は戦う準備をしておく。
魔法発動の為、体内魔力をあげ、剣を抜く。
改めてストレッチして、軽く身体をほぐしておく。
先ほどケルベロスへ告げた通り、2,000体のうち、500体くらい追い出して貰い、
洞窟外で倒しておけばいいかと思う。
後ほど依頼完遂確認に赴いた、クライアントに対するデモンストレーションには、
ちょうど良い……という計算である。
ところで今回、俺は思い切り無双しようと考えている。
ここのところ、俺やケルベロスの威圧攻撃で、
相手を行動不能にしてから、さくさく倒すという楽をしていたから。
考えた末、俺流、魔法剣士の戦い方って奴で行く事に決めた。
すなわち、剣、格闘に、攻撃魔法をミックスさせる複合攻撃……
前世ケン・アキヤマとしてプレイした際、
アバターだった、アラン・モーリア流の戦い方だ。
やがて……洞窟の奥から、
ぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃう!!!
勢子役のケルベロスに追われた……ゴブリンどもの悲鳴が聞こえて来る。
俺は戦闘態勢でスタンバイし、剣を構えた。
来る!
索敵……魔力感知には、数百体にも達する大量のゴブリンどもが捉えられている!
カウントダウンで、タイミングを合わせようか。
10……9、8、7、6、5、4、3、2、1……ゼロ!!!
瞬間!!!
どっばあああああああっっ!!!
という感じで、洞窟の出入り口から、大量のゴブリンどもがあふれ出た。
同時に俺は大地を思い切り蹴り、ダッシュ!!!
あっという間に、ゴブリンどもへ肉薄。
即、容赦ない無双が始まった。
右腕で剣を振るう。
左腕でパンチ、蹴りも使う。
かと思えば、至近距離からの風の魔法で、相手を粉砕。
魔物の中ではすばしこい猿のようなゴブリンだが、俺の身体能力には全くついて来れない。
見た目、ただただスローモーションで、コマ送り。
ゴブリンどもに反撃を許さないどころか、身体にも触れさせない。
身体を使う分、ジェム鉱山の時より、手間がかかり、肉体的な疲労もあったが、
10分かからずに、追われて来たゴブリンどもを全滅させた。
俺がゴブリンどもを全て倒し、休憩していると……約30分後。
うおおおんん!
と咆哮が。
ケルベロスが戻って来たのだ。
累々としたゴブリンどもの死骸を見て言う。
『主よ、洞窟内で1,500体余のゴブリンどもを倒したぞ。お互い、任務完了という事だな』
うん!
いつもの落ち着いた口調で、上から目線のケルベロスへ戻っている。
使い魔ストレスのガス抜きは上手く行ったようだ。
でも、敢えて指摘はしないでおこう。
張り切っているみたいだし。
『さあ! 次はオークどもだ。位置は捉えた! 行くぞ、主!』
『了解!』
俺とケルベロスは、再び走りだしたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ケルベロスが察知したオークどもが本拠を構えていた場所は、
やはりというか、廃棄された石造りの旧い砦だ。
ゴブリンどもの本拠が主に洞窟で、オークどもの本拠はこういう廃墟。
前世でプレイしていた時は勿論、このリアルなゲーム異世界へ来て改めて感じたが、
ステディ・リインカネーションの製作担当者は、そういう設定が好きなのだろうか?
まあ、いい。
こちらは粛々と、仕事を遂行するだけだ。
ちなみに、この砦はゴブリンどもの洞窟から、2km離れた場所にあった。
2km先の敵を補足するとは……
やはりケルベロスの索敵能力は、俺より遥かに優れている。
砦の仕様は、プレオープンでオークどもを倒したものとほぼ一緒。
正面には正門、壊れた石壁に囲まれ、内部にはそこそこ広い中庭、
本館、兵舎などがある。
周囲は原野で、人家は全くなし。
さて!
どうやって攻め、奴らを全滅させようか。
つらつら考えていたら、ケルベロスから提案が。
『ゴブリンどもの時と同じ作戦で構わないだろう。だが正門から堂々と入るぞ』
成る程。
同じ作戦か。
それも正門から堂々と?
お約束で、正門には見張りがいる。
けど、無理やり強行突破し、オークどもを追い立て、倒し、
何割かは俺へ振る。
作戦も何もなく、もろ『力攻め』という愚策。
圧倒的な力量差のなせる技といえる。
冷静沈着なケルベロスらしからぬ作戦だが、雑魚のオークどもなど歯牙にもかけないという考えが根底にあるのだろう。
『今度は半々くらいにしてやろう、主』
ふ~ん。
という事はオークども1,000体を、手分けして500体ずつ倒すって事か。
でも、してやろうって、相変わらず超上から目線。
ま、良いか。
大事の前の小事である。
『よし! では我が先に行くぞ! 主!』
わお~~んん!!
凄いな、もろ正面から突っ込んで行く。
そして、10mくらいある壊れた石壁を飛び越え、
砦内へ侵入した。
泡を喰ったのは正門に張り付いていた見張りである。
ぎゃっぴぃぃ~!!
驚き、戸惑い、絶叫していた。
ここで俺は風の魔法、風弾で正門をぶっ飛ばす。
荒っぽいが、廃棄された砦。
こういう廃棄された砦は、ステディ・リインカネーションのルールでは、
どんなに壊そうが、文句を言われる事はない。
どひゅん!
どっごおおおんんん!!!
破壊した正門から、追い出されたオークがどんどん出て来るはずだ。
俺はしゅらっと剣を抜き、無双スタンバイをしたのである。
と咆哮し、魔獣ケルベロスは、ゴブリンどもがうごめく、洞窟へ突っ込んだ。
しばらく経ったら、ケルベロスは洞窟の外へ、ゴブリン達を追い出してくれるはずだ。
……その間、俺は戦う準備をしておく。
魔法発動の為、体内魔力をあげ、剣を抜く。
改めてストレッチして、軽く身体をほぐしておく。
先ほどケルベロスへ告げた通り、2,000体のうち、500体くらい追い出して貰い、
洞窟外で倒しておけばいいかと思う。
後ほど依頼完遂確認に赴いた、クライアントに対するデモンストレーションには、
ちょうど良い……という計算である。
ところで今回、俺は思い切り無双しようと考えている。
ここのところ、俺やケルベロスの威圧攻撃で、
相手を行動不能にしてから、さくさく倒すという楽をしていたから。
考えた末、俺流、魔法剣士の戦い方って奴で行く事に決めた。
すなわち、剣、格闘に、攻撃魔法をミックスさせる複合攻撃……
前世ケン・アキヤマとしてプレイした際、
アバターだった、アラン・モーリア流の戦い方だ。
やがて……洞窟の奥から、
ぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃうぎゃう!!!
勢子役のケルベロスに追われた……ゴブリンどもの悲鳴が聞こえて来る。
俺は戦闘態勢でスタンバイし、剣を構えた。
来る!
索敵……魔力感知には、数百体にも達する大量のゴブリンどもが捉えられている!
カウントダウンで、タイミングを合わせようか。
10……9、8、7、6、5、4、3、2、1……ゼロ!!!
瞬間!!!
どっばあああああああっっ!!!
という感じで、洞窟の出入り口から、大量のゴブリンどもがあふれ出た。
同時に俺は大地を思い切り蹴り、ダッシュ!!!
あっという間に、ゴブリンどもへ肉薄。
即、容赦ない無双が始まった。
右腕で剣を振るう。
左腕でパンチ、蹴りも使う。
かと思えば、至近距離からの風の魔法で、相手を粉砕。
魔物の中ではすばしこい猿のようなゴブリンだが、俺の身体能力には全くついて来れない。
見た目、ただただスローモーションで、コマ送り。
ゴブリンどもに反撃を許さないどころか、身体にも触れさせない。
身体を使う分、ジェム鉱山の時より、手間がかかり、肉体的な疲労もあったが、
10分かからずに、追われて来たゴブリンどもを全滅させた。
俺がゴブリンどもを全て倒し、休憩していると……約30分後。
うおおおんん!
と咆哮が。
ケルベロスが戻って来たのだ。
累々としたゴブリンどもの死骸を見て言う。
『主よ、洞窟内で1,500体余のゴブリンどもを倒したぞ。お互い、任務完了という事だな』
うん!
いつもの落ち着いた口調で、上から目線のケルベロスへ戻っている。
使い魔ストレスのガス抜きは上手く行ったようだ。
でも、敢えて指摘はしないでおこう。
張り切っているみたいだし。
『さあ! 次はオークどもだ。位置は捉えた! 行くぞ、主!』
『了解!』
俺とケルベロスは、再び走りだしたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ケルベロスが察知したオークどもが本拠を構えていた場所は、
やはりというか、廃棄された石造りの旧い砦だ。
ゴブリンどもの本拠が主に洞窟で、オークどもの本拠はこういう廃墟。
前世でプレイしていた時は勿論、このリアルなゲーム異世界へ来て改めて感じたが、
ステディ・リインカネーションの製作担当者は、そういう設定が好きなのだろうか?
まあ、いい。
こちらは粛々と、仕事を遂行するだけだ。
ちなみに、この砦はゴブリンどもの洞窟から、2km離れた場所にあった。
2km先の敵を補足するとは……
やはりケルベロスの索敵能力は、俺より遥かに優れている。
砦の仕様は、プレオープンでオークどもを倒したものとほぼ一緒。
正面には正門、壊れた石壁に囲まれ、内部にはそこそこ広い中庭、
本館、兵舎などがある。
周囲は原野で、人家は全くなし。
さて!
どうやって攻め、奴らを全滅させようか。
つらつら考えていたら、ケルベロスから提案が。
『ゴブリンどもの時と同じ作戦で構わないだろう。だが正門から堂々と入るぞ』
成る程。
同じ作戦か。
それも正門から堂々と?
お約束で、正門には見張りがいる。
けど、無理やり強行突破し、オークどもを追い立て、倒し、
何割かは俺へ振る。
作戦も何もなく、もろ『力攻め』という愚策。
圧倒的な力量差のなせる技といえる。
冷静沈着なケルベロスらしからぬ作戦だが、雑魚のオークどもなど歯牙にもかけないという考えが根底にあるのだろう。
『今度は半々くらいにしてやろう、主』
ふ~ん。
という事はオークども1,000体を、手分けして500体ずつ倒すって事か。
でも、してやろうって、相変わらず超上から目線。
ま、良いか。
大事の前の小事である。
『よし! では我が先に行くぞ! 主!』
わお~~んん!!
凄いな、もろ正面から突っ込んで行く。
そして、10mくらいある壊れた石壁を飛び越え、
砦内へ侵入した。
泡を喰ったのは正門に張り付いていた見張りである。
ぎゃっぴぃぃ~!!
驚き、戸惑い、絶叫していた。
ここで俺は風の魔法、風弾で正門をぶっ飛ばす。
荒っぽいが、廃棄された砦。
こういう廃棄された砦は、ステディ・リインカネーションのルールでは、
どんなに壊そうが、文句を言われる事はない。
どひゅん!
どっごおおおんんん!!!
破壊した正門から、追い出されたオークがどんどん出て来るはずだ。
俺はしゅらっと剣を抜き、無双スタンバイをしたのである。
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