異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!

東導 号

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第72話「きっぱりと言い切った美少女ふたり」

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ジョルジエット様、アメリー様から外出における行動スケジュールのプランニングを頼まれた俺。

最初の立ち寄り先として、王都ネシュラの職人通りへやって来た。

その中で、とあるアクセサリー屋へ。

俺を先頭にし、店内へイン!

「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませ!」

入店すると同時に、張りのある若い女子達の声がかかる。

見やれば、店内の職人さんは女子ばっかりだ。

そう、ここは女性職人さんの店。
一見したら、普通のアクセサリー屋さん。

だから、店内に入ったジョルジエット様、アメリー様は、ふうん……という感じ。

しかし……
良く見れば普通のアクセサリー屋さんとは少し違う。

商品台に陳列された、ひとつひとつの商品に、
パーツのバリエーションが数多用意されており、
それぞれが、個人の好みでチョイス出来るのだ。

指輪なら、

〇中石
リングのメインになる宝石。

〇脇石
中石の横や周囲にセットされた宝石。

〇石座
宝石をセットする台座部分。

部位の名称は他にもあるのだが、基本はこの中のバリエーションで選ぶ。

ペンダントならば、

〇ペンダントチェーン
ペンダントトップを取り付ける鎖。

〇ペンダントトップ
ペンダントの先端に吊り下げられている飾りの部分。

他にもアクセサリーは何種類もある。

俺の前世、現代世界ならばこういう店は数多るだろう。

しかし、中世西洋風ゲーム異世界、ステディ・リインカネーションの世界では、
このような店は殆どない。

既製品とは違うオーダーメイド品は、
貴族か、富裕な商人が特別に頼んで、作らせる。
当然ながら、とんでもなく高価で、それもひどく手間と時間がかかる。

しかし、この店はオーダーメイド品の数十分の一くらいの価格で、
自分好みの商品を作る事が出来るのだ。

今回は時間がないので、ペンダントを選んで貰う事にした。

ジョルジエット様、アメリー様が気に入ったら、
また来れば良い。

俺から話を振られ、更に女性職人さんから、説明を聞いた、
ジョルジエット様、アメリー様が嬉しそうに目をキラキラと輝かせる。

「アメリー! 宝石は自分の好きなモノを選びましょう!」
「はい! ジョルジエット様! いろいろなデザインのペンダントトップと組み合わせるのが、とっても楽しそうですわ!」

ふたりは顔を見合わせて、大きく頷くと、早速チョイスへ入った。
護衛役のアンヌさん、ジュリーさんも入れ、4人でわいわいがやがや、にぎやかに検討している。

たまに職人さんへ質問もする。
同性で、若い職人さんなので、話しやすいようだ。

熱いやりとりと、熟考の末……
最後は俺も意見を求められ……

ジョルジエット様は、シルバーのペンダントチェーンに、
ピンクダイヤモンドをあしらったシルバーペンダントトップ。

アメリー様は、シルバーのペンダントチェーンに、
パールをあしらったシルバーペンダントトップ。

ふたりとも派手ではない、可愛らしいペンダントを選んだ。

「おふたりとも、凄く似合いますよ」

と俺が褒めたら、大喜び。
最初からすっかり上機嫌となってしまった。

ちなみに支払いは俺が立て替えた。

……結局、職人通りの持ち時間1時間を、
このアクセサリー屋で使い切ってしまったのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

俺が支払いを済ませると、
ジョルジエット様、アメリー様は、購入したペンダントを早速、首から下げた。

ふたりの透き通るような肌に、シルバーのチェーン、
ペンダントトップにあしらわれたピンクダイヤモンド、パールが良く映える。

店内で調整し、ちょうど1時間後に出れば、アクセサリー屋の前には、
はかったように、リヴァロル公爵家専用の馬車が停まっていた。

少し後方には、リヴァロル公爵家専用の別の馬車が停まっていた。
つかず離れず作戦中の護衛の騎士さん達は、買い物中は店内には入らず、
馬車を降りて、周囲を警戒してくれたいたようだ。

タイムリミットになったので、再び馬車に乗り、一台は俺達を先導、
もう一台は、俺達を追尾するのだ。

こっちは護衛とはいえ、高嶺の花のおふたりと行動を共にするのに比べ、
あちらは、ただただ目立たぬよう、悟られぬよう黒子役に徹する。

本当に、お疲れ様です!
と、心の中から呼びかけてしまう。

そして、馬車に乗り込んだジョルジエット様、アメリー様は、
馬車の窓から、職人通りを眺め、「他の店にも行きたかった!」と残念がる。

「それはまた次回に」

となだめつつ、ここで、余計なお世話かもしれないが、念の為。

「普段、おふたりが身に着けていらっしゃるアクセサリーに比べて、だいぶお安いですが」

と、俺が尋ねれば、ジョルジエット様、アメリー様は、首をぶんぶん横へ振る。

「全然構いませんわ! 自分が気に入って選んだものですし、最後にはロイク様に決めて頂きましたから!」
「価格など! 全く関係ありません!」

きっぱりと言い切った美少女ふたりを乗せ、馬車は出発したのである。
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