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第56話「さあ、腕相撲の試合開始! そして……」
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さあ! まずは第1戦。
試合をする騎士達の年齢は、
俺と同じ10代半ばの若手騎士から、20代、30代過ぎの大人まで。
皆、精悍で鍛え抜かれた雰囲気。
若手から中堅、ベテランまで……多士済々といった感じ。
こういう場合、若手から出て来るのはもうお約束だ。
少し緊張感漂う空気の中、
椅子に座ったふたりの姫君、
ジョルジエット様、アメリー様は期待に満ちた眼差しで……
「絶対に勝ってくださあい、ロイク様あ!」
「ロイク様あ、頑張ってえ! 勝利を信じておりますよぉ!」
おお!
性格はさておき、とびきり可愛い女子から、とても熱い声援を受けるなんて、
俺の人生において絶対に皆無だと思っていた。
うん!
転生して本当に良かった!
俺は喜んで更に見やれば……
革鎧に着替えたグレゴワール様は少し微笑みながら、
椅子に座り、俺を見つめている。
その傍らにセドリックさんが居て、同じく微笑んでいた。
『審判役』は家令のセバスチャンが受け持つ事となった。
さてさて!
腕相撲のルールは到ってシンプル。
肘をつけ、手を合わせがっしと握り合い、
力を込め、相手の手を倒し、板面へつけるのだ。
「てめ、絶対にぶっ殺してやる!」
一番手の少年騎士は「ぎらぎら」と燃える気合の入った目で、
俺をにらみつけて来た。
いや腕相撲でぶち殺すって、結構、難しい。
難易度が相当高いと思うぞ。
そう思いながら、俺は穏やかに微笑んでいる。
さあ、腕相撲の試合開始!
気合十分、勢い込む少年騎士ではあったが……
「がっし!!」と手を握り合い、セバスチャンから「開始!」の声がかかった時。
だぁんんっっ!!
重い音とともに、気合は虚しく空回り。
少年騎士は、俺により『瞬殺』されていたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
リヴァロル公爵家邸、大闘技場フィールド中央……
初戦に俺が瞬殺、圧勝した興奮冷めやらぬ中、
古ぼけた渋い大型エール樽に、
俺と二番目に名乗りを上げた少年騎士が再び手をつかみ合い、
板面にひじをつけ、立っていた。
少し離れた位置に審判役のセバスチャン。
その周囲を、黒山の人だかり……ギャラリーが取り囲んでいる。
ジョルジエット様、アメリー様、グレゴワール様、セドリックさん。
そして参加の騎士達は勿論だが、屋敷の使用人までが許可を得て来ていた。
俺と少年騎士のふたりへ、熱い視線が注がれていた。
「頑張れ、頑張れぇ! ロイク様あ! 勝利あるのみですよぉ!」
「フレーフレー! ロイク様あ! また、あっさり! 瞬殺しちゃってくださあい!」
またまたジョルジエット様、アメリー様の声援が飛んだ。
素直に嬉しい!
ここでセバスチャンの開始の声がかかる。
「開始!」
どぅむ!
「ぐあっ!」
わあああああっ!
広い闘技場のフィールドに、静寂と歓声が交互にやって来る。
そんなひと時であった。
次は3番目、20歳くらいの若手騎士だ。
どむぅ!
「ぐ!」
わあああああっ!
次4番目、やはり20歳そこそこの騎士。
どむっ!
「ぐお!」
わあああああっ!
次、5番目。
20代前半の騎士。
どうん!
「ぎえ!」
わあああああっ!
6番目、7番目………
……10番目、15番目、30番目、40番目の30代半ばのべテラン騎士も、
どむ!
「うっ!」
俺はあっさり倒した。
現在、俺のSTR――ストレングスは6,900。
オークどもとの戦いで、レベルアップし、少しだけ上乗せされている。
STR7,000から上限MAXの10,000という化け物レベルのクラスが出て来なければ、
苦戦はしないはずだ。
もしも化け物クラスが出て来て、負けたらその時はその時。
運が悪かったと諦める。
それに、こちらは凄いハンデを背負っている。
俺たったひとりが、騎士50人と連続で戦うんだしね。
ここで補足しておこう。
瞬殺といっても、命を懸かけた試合ではないが腕相撲でも、真剣勝負。
腕をねんざしたり、不幸にも折る可能性はゼロではない。
ストレングスは6,900の俺は、あっさりと勝ちながら、
殺気に心身を満たした相手に気を遣う余裕があった。
どうん!
「ぎえ!」
わあああああっ!
41番目から50番目のベテラン騎士にも圧勝!!
絶妙に力を加減し、騎士50名にかすり傷ひとつつけず、50連勝した。
そしてついに満を持して、ラスボス、グレゴワール様の登場である。
グレゴワール様は、さすがに感服したという顔付きである。
「やるな! ロイク君。まさか50連勝するとは……ここまでとは思わなかったぞ!」
「はい、必死にやりましたので」
「ふむ、だが私はそうはいかない」
「はい、全力でぶつかるだけです」
「ふむ、私が『鬼宰相』と呼ばれる所以は、ドライな政治スタンスだけではない。私のSTRはな、オーガ以上、6,500を軽く超えるからだ! 警護の騎士達より遥かに上だぞ! ロイク君はどこまで戦えるかな? ふふふふふふふふ」
力こぶを見せ、不敵に笑う2mの巨漢グレゴワール様っであったが……
「開始!」
と、セバスチャンの声がかかった時。
どむ!
「うっ!」
「STRはな、オーガ以上、6,500を軽く超えるぞ!」
と、荒ぶるグレゴワール様も、俺はあっさり倒したのである。
試合をする騎士達の年齢は、
俺と同じ10代半ばの若手騎士から、20代、30代過ぎの大人まで。
皆、精悍で鍛え抜かれた雰囲気。
若手から中堅、ベテランまで……多士済々といった感じ。
こういう場合、若手から出て来るのはもうお約束だ。
少し緊張感漂う空気の中、
椅子に座ったふたりの姫君、
ジョルジエット様、アメリー様は期待に満ちた眼差しで……
「絶対に勝ってくださあい、ロイク様あ!」
「ロイク様あ、頑張ってえ! 勝利を信じておりますよぉ!」
おお!
性格はさておき、とびきり可愛い女子から、とても熱い声援を受けるなんて、
俺の人生において絶対に皆無だと思っていた。
うん!
転生して本当に良かった!
俺は喜んで更に見やれば……
革鎧に着替えたグレゴワール様は少し微笑みながら、
椅子に座り、俺を見つめている。
その傍らにセドリックさんが居て、同じく微笑んでいた。
『審判役』は家令のセバスチャンが受け持つ事となった。
さてさて!
腕相撲のルールは到ってシンプル。
肘をつけ、手を合わせがっしと握り合い、
力を込め、相手の手を倒し、板面へつけるのだ。
「てめ、絶対にぶっ殺してやる!」
一番手の少年騎士は「ぎらぎら」と燃える気合の入った目で、
俺をにらみつけて来た。
いや腕相撲でぶち殺すって、結構、難しい。
難易度が相当高いと思うぞ。
そう思いながら、俺は穏やかに微笑んでいる。
さあ、腕相撲の試合開始!
気合十分、勢い込む少年騎士ではあったが……
「がっし!!」と手を握り合い、セバスチャンから「開始!」の声がかかった時。
だぁんんっっ!!
重い音とともに、気合は虚しく空回り。
少年騎士は、俺により『瞬殺』されていたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
リヴァロル公爵家邸、大闘技場フィールド中央……
初戦に俺が瞬殺、圧勝した興奮冷めやらぬ中、
古ぼけた渋い大型エール樽に、
俺と二番目に名乗りを上げた少年騎士が再び手をつかみ合い、
板面にひじをつけ、立っていた。
少し離れた位置に審判役のセバスチャン。
その周囲を、黒山の人だかり……ギャラリーが取り囲んでいる。
ジョルジエット様、アメリー様、グレゴワール様、セドリックさん。
そして参加の騎士達は勿論だが、屋敷の使用人までが許可を得て来ていた。
俺と少年騎士のふたりへ、熱い視線が注がれていた。
「頑張れ、頑張れぇ! ロイク様あ! 勝利あるのみですよぉ!」
「フレーフレー! ロイク様あ! また、あっさり! 瞬殺しちゃってくださあい!」
またまたジョルジエット様、アメリー様の声援が飛んだ。
素直に嬉しい!
ここでセバスチャンの開始の声がかかる。
「開始!」
どぅむ!
「ぐあっ!」
わあああああっ!
広い闘技場のフィールドに、静寂と歓声が交互にやって来る。
そんなひと時であった。
次は3番目、20歳くらいの若手騎士だ。
どむぅ!
「ぐ!」
わあああああっ!
次4番目、やはり20歳そこそこの騎士。
どむっ!
「ぐお!」
わあああああっ!
次、5番目。
20代前半の騎士。
どうん!
「ぎえ!」
わあああああっ!
6番目、7番目………
……10番目、15番目、30番目、40番目の30代半ばのべテラン騎士も、
どむ!
「うっ!」
俺はあっさり倒した。
現在、俺のSTR――ストレングスは6,900。
オークどもとの戦いで、レベルアップし、少しだけ上乗せされている。
STR7,000から上限MAXの10,000という化け物レベルのクラスが出て来なければ、
苦戦はしないはずだ。
もしも化け物クラスが出て来て、負けたらその時はその時。
運が悪かったと諦める。
それに、こちらは凄いハンデを背負っている。
俺たったひとりが、騎士50人と連続で戦うんだしね。
ここで補足しておこう。
瞬殺といっても、命を懸かけた試合ではないが腕相撲でも、真剣勝負。
腕をねんざしたり、不幸にも折る可能性はゼロではない。
ストレングスは6,900の俺は、あっさりと勝ちながら、
殺気に心身を満たした相手に気を遣う余裕があった。
どうん!
「ぎえ!」
わあああああっ!
41番目から50番目のベテラン騎士にも圧勝!!
絶妙に力を加減し、騎士50名にかすり傷ひとつつけず、50連勝した。
そしてついに満を持して、ラスボス、グレゴワール様の登場である。
グレゴワール様は、さすがに感服したという顔付きである。
「やるな! ロイク君。まさか50連勝するとは……ここまでとは思わなかったぞ!」
「はい、必死にやりましたので」
「ふむ、だが私はそうはいかない」
「はい、全力でぶつかるだけです」
「ふむ、私が『鬼宰相』と呼ばれる所以は、ドライな政治スタンスだけではない。私のSTRはな、オーガ以上、6,500を軽く超えるからだ! 警護の騎士達より遥かに上だぞ! ロイク君はどこまで戦えるかな? ふふふふふふふふ」
力こぶを見せ、不敵に笑う2mの巨漢グレゴワール様っであったが……
「開始!」
と、セバスチャンの声がかかった時。
どむ!
「うっ!」
「STRはな、オーガ以上、6,500を軽く超えるぞ!」
と、荒ぶるグレゴワール様も、俺はあっさり倒したのである。
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