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第42話「これって、シスコン全開じゃないか!」
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そんなこんな、いろいろと考えながら歩いているうちに、
俺は冒険者ギルド総本部へ到着した。
え?
そもそも、どうして冒険者ギルド総本部へわざわざ来たのかって?
いや、実はこれ、冒険者ギルド総本部側からの指示である。
サブマスターのエヴラール・バシュレさんに、
ランクBのランカーに認定して貰った時、
俺はしばらくの間、依頼を一切受けない旨を、
秘書のクロエ・オリオルさんへ、伝えたのだ。
その際、クロエさんから、「では! 営業開始した際は、必ずギルドへご一報を!」
と言われ、本日予定を組み、伺ったという次第。
こういう場合は業務カウンターではなく、
クロエさんへ申し入れをした方が良いのかなと思い、受付へ。
受付で、来訪の趣旨を伝えると、受付の職員さんが連絡。
その場で待つように言われ……しばらくするとクロエさんがやって来た。
こういう時は先に、かつ元気よくあいさつした方が、
16歳の年下少年としてはベスト。
「こんにちは! お疲れ様です! クロエさん!」
俺が声を張り上げると、クロエさんはにっこり。
「こんにちは! ロイク様! 私がお願いした事を憶えておいて頂き嬉しいです! ありがとうございます!」
「はい、けして忘れはしませんが、一体何用で?」
「はい! ギルドへいらしたという事は、いよいよ『営業開始』ということですね」
「ええ、そうです」
「おめでとうございます! ロイク様のご活躍を創世神様にお祈り致しますわ」
「あ、ありがとうございます」
「そして営業開始ならば! ロイク様の業務担当者をお引き合わせし、ご紹介しようと思いまして!」
「え? 俺の業務担当者ですか?」
「はい! 冒険者ギルドの規定で、ランクB以上、つまりランカーには一般冒険者のように業務カウンターで対応するのではなく、個別に担当者がつくのですよ」
クロエさんに言われ、気が付いた。
今更ながら、思い出した。
ランカーに対する、ギルドの対応を。
ああ、しまったあ!
という表情の俺。
「どうかしましたか? ロイク様」
「忘れてた! い、いえ、何でもありません」
しどろもどろの俺を見て、クロエさんは微笑む。
「うふふ、ランクBだと、残念ながらロイク様の専任ではありませんが。……ちなみに専任の担当者がつくのははランクA以上ですわ」
「成る程」
「今後、ロイク様が依頼のお問い合わせ、ご確認、ご選定の作業を為さる際は勿論、内外の指名依頼等の対応に関しても、その者が窓口となります」
「りょ、了解です!」
「今後のやりとりは受付経由で担当者を呼び出し、やりとりはカウンターではなく、応接室でという事となります。さあ! 参りましょう!」
……という事で、俺はクロエさんに連れられ、応接室へ赴いたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
クロエさんとともに赴いた応接室には、俺の『業務担当者』が待っていた。
おっさんだったら、参るなあ……と思っていたら、真逆の人物が待っていた。
クロエさんに紹介されたのは、金髪碧眼で短髪、
やや長身でスタイルの良いスレンダー。
少しボーイッシュな感じの可愛い女子であった。
俺よりほんの少し年上、18歳から20歳の間って感じだ。
「初めましてっ、ロイク・アルシェ様! パトリシア・ラクルテルと申しますっ! 今後、ロイク様の業務担当者を務めさせて頂きますっ! 何卒宜しくお願い致しますっ! ちなみに! パトリシアではなく! 愛称のトリッシュで、お呼びくださいませっ!」
おお、彼女……トリッシュさんは凄く元気印。
声も前世の某声優みたいに綺麗だ。
少し気圧されたようになった俺は少し噛んだ。
「は、初めまして! ト、トリッシュさん! ロイク・アルシェと申します。これから冒険者デビューしますので、よ、宜しくお願い致します」
ここで、クロエさんがフォロー。
トリッシュさんの簡単なプロフを教えてくれるようだ。
「彼女はパトリシア・ラクルテル……トリッシュは、この王都ネシュラ出身、冒険者ギルド総本部の若手職員ですが、とても優秀な子です。通常なら早くて丸3年カウンター業務を勤めあげた上で、担当するランカー担当者なのに、わずか2年目に入ったばかりで、総マスターから直々に指名されました」
おお!
本当に凄いな、それ!
俺がうんうんと、感心していれば、クロエさん、俺のフォローもしてくれる。
「トリッシュ! 先日渡した資料には目を通しているでしょうけれど、この方が、ロイク・アルシェ様です」
「はい! クロエ先輩! お預かりした資料はしっかり読み込みました!」
「宜しい! ロイク様はね、ウチのサブマスター、バシュレに模擬戦で完勝した逸材。新人でいきなりランクBのランカー認定という偉業を達成。しかもまだ16歳なのよ」
「はい! とても素晴らしいと思います」
「そのロイク様の業務担当をトリッシュ、貴女に任せるよう、私はサブマスター、バシュレから命じられたの。責任重大よ」
「頑張ります!」
「ええ、頑張って! それに貴女もあなたもまだ19歳だから、話も合うでしょ?」
「はいっ! クロエ先輩!」
トリッシュさんは元気に返事をし、俺へ向き直る。
「ロイク様! まだまだ未熟な私ではございますが! 精いっぱいサポートさせて頂きます! 今後とも宜しくお願い致します!」
うんうん! クロエさん、ナイスフォローだ。
男子からは、絶対に聞けないトリッシュさんの年齢も告げてくれた。
へえ、トリッシュさんは19歳か……
こんなに可愛い子が担当ならば、一層やる気も出る。
それにロイクは16歳だから弟のように、また中身のケン・アキヤマは25歳だから、19歳のトリッシュさんに弟、兄の両面でやりとり出来る?
これって、シスコン全開じゃないか!
などと、馬鹿な事を考えつつ……
クロエさんを交え、俺とトリッシュさんは、
今後における段取り等、いろいろな打ち合わせをしたのである。
俺は冒険者ギルド総本部へ到着した。
え?
そもそも、どうして冒険者ギルド総本部へわざわざ来たのかって?
いや、実はこれ、冒険者ギルド総本部側からの指示である。
サブマスターのエヴラール・バシュレさんに、
ランクBのランカーに認定して貰った時、
俺はしばらくの間、依頼を一切受けない旨を、
秘書のクロエ・オリオルさんへ、伝えたのだ。
その際、クロエさんから、「では! 営業開始した際は、必ずギルドへご一報を!」
と言われ、本日予定を組み、伺ったという次第。
こういう場合は業務カウンターではなく、
クロエさんへ申し入れをした方が良いのかなと思い、受付へ。
受付で、来訪の趣旨を伝えると、受付の職員さんが連絡。
その場で待つように言われ……しばらくするとクロエさんがやって来た。
こういう時は先に、かつ元気よくあいさつした方が、
16歳の年下少年としてはベスト。
「こんにちは! お疲れ様です! クロエさん!」
俺が声を張り上げると、クロエさんはにっこり。
「こんにちは! ロイク様! 私がお願いした事を憶えておいて頂き嬉しいです! ありがとうございます!」
「はい、けして忘れはしませんが、一体何用で?」
「はい! ギルドへいらしたという事は、いよいよ『営業開始』ということですね」
「ええ、そうです」
「おめでとうございます! ロイク様のご活躍を創世神様にお祈り致しますわ」
「あ、ありがとうございます」
「そして営業開始ならば! ロイク様の業務担当者をお引き合わせし、ご紹介しようと思いまして!」
「え? 俺の業務担当者ですか?」
「はい! 冒険者ギルドの規定で、ランクB以上、つまりランカーには一般冒険者のように業務カウンターで対応するのではなく、個別に担当者がつくのですよ」
クロエさんに言われ、気が付いた。
今更ながら、思い出した。
ランカーに対する、ギルドの対応を。
ああ、しまったあ!
という表情の俺。
「どうかしましたか? ロイク様」
「忘れてた! い、いえ、何でもありません」
しどろもどろの俺を見て、クロエさんは微笑む。
「うふふ、ランクBだと、残念ながらロイク様の専任ではありませんが。……ちなみに専任の担当者がつくのははランクA以上ですわ」
「成る程」
「今後、ロイク様が依頼のお問い合わせ、ご確認、ご選定の作業を為さる際は勿論、内外の指名依頼等の対応に関しても、その者が窓口となります」
「りょ、了解です!」
「今後のやりとりは受付経由で担当者を呼び出し、やりとりはカウンターではなく、応接室でという事となります。さあ! 参りましょう!」
……という事で、俺はクロエさんに連れられ、応接室へ赴いたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
クロエさんとともに赴いた応接室には、俺の『業務担当者』が待っていた。
おっさんだったら、参るなあ……と思っていたら、真逆の人物が待っていた。
クロエさんに紹介されたのは、金髪碧眼で短髪、
やや長身でスタイルの良いスレンダー。
少しボーイッシュな感じの可愛い女子であった。
俺よりほんの少し年上、18歳から20歳の間って感じだ。
「初めましてっ、ロイク・アルシェ様! パトリシア・ラクルテルと申しますっ! 今後、ロイク様の業務担当者を務めさせて頂きますっ! 何卒宜しくお願い致しますっ! ちなみに! パトリシアではなく! 愛称のトリッシュで、お呼びくださいませっ!」
おお、彼女……トリッシュさんは凄く元気印。
声も前世の某声優みたいに綺麗だ。
少し気圧されたようになった俺は少し噛んだ。
「は、初めまして! ト、トリッシュさん! ロイク・アルシェと申します。これから冒険者デビューしますので、よ、宜しくお願い致します」
ここで、クロエさんがフォロー。
トリッシュさんの簡単なプロフを教えてくれるようだ。
「彼女はパトリシア・ラクルテル……トリッシュは、この王都ネシュラ出身、冒険者ギルド総本部の若手職員ですが、とても優秀な子です。通常なら早くて丸3年カウンター業務を勤めあげた上で、担当するランカー担当者なのに、わずか2年目に入ったばかりで、総マスターから直々に指名されました」
おお!
本当に凄いな、それ!
俺がうんうんと、感心していれば、クロエさん、俺のフォローもしてくれる。
「トリッシュ! 先日渡した資料には目を通しているでしょうけれど、この方が、ロイク・アルシェ様です」
「はい! クロエ先輩! お預かりした資料はしっかり読み込みました!」
「宜しい! ロイク様はね、ウチのサブマスター、バシュレに模擬戦で完勝した逸材。新人でいきなりランクBのランカー認定という偉業を達成。しかもまだ16歳なのよ」
「はい! とても素晴らしいと思います」
「そのロイク様の業務担当をトリッシュ、貴女に任せるよう、私はサブマスター、バシュレから命じられたの。責任重大よ」
「頑張ります!」
「ええ、頑張って! それに貴女もあなたもまだ19歳だから、話も合うでしょ?」
「はいっ! クロエ先輩!」
トリッシュさんは元気に返事をし、俺へ向き直る。
「ロイク様! まだまだ未熟な私ではございますが! 精いっぱいサポートさせて頂きます! 今後とも宜しくお願い致します!」
うんうん! クロエさん、ナイスフォローだ。
男子からは、絶対に聞けないトリッシュさんの年齢も告げてくれた。
へえ、トリッシュさんは19歳か……
こんなに可愛い子が担当ならば、一層やる気も出る。
それにロイクは16歳だから弟のように、また中身のケン・アキヤマは25歳だから、19歳のトリッシュさんに弟、兄の両面でやりとり出来る?
これって、シスコン全開じゃないか!
などと、馬鹿な事を考えつつ……
クロエさんを交え、俺とトリッシュさんは、
今後における段取り等、いろいろな打ち合わせをしたのである。
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