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第135話「返事をした俺は、声を張り上げる」
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それから1時間後、再び100体のゴブリンどもが襲来。
俺たちはまたもあっさりと討ち滅ぼした。
それから2時間半後、ローラン様たちと交代の時間まで、
ゴブリンどもは一切現れなかった。
改めて数えてみたら、 まず村の周辺で約200体を倒し、
次にこの正門前の夜戦で100体、100体、100体と、計500体を倒してしまった。
ローラン様の調査報告書によれば、今回のゴブリン総数は推定約500体、
もしこの数が正確なものならば、ほとんどを倒してしまった事となる。
……新手が来ないのも納得である。
予定の時間となったので、俺とシャルロットで手分けして、
男子テント、女子テントへ。
仮眠しているローラン様たちへ、
「時間ですよ」と起きるよう声をかけた後、配置へ戻り、
警戒を続けながら、3人で話してみた。
結果、ローラン様の報告書に上がっている数500体をあまり過信せず、
巣穴には同数、つまりまだ500体くらい残っていると考えれば、
慌てないという結論に至った。
常に最悪の場合を考え、想定外の出来事にも対処出来るように備えるのだという俺の意見に、シャルロットもフェルナンさんも賛成してくれた。
未知の上位種が居るかもしれないと言うと、不安がる。
だが、上位種の能力が50%増し~300%増しと考え、
しょせんオーク2体か、3体と考えれば良いと言うと、
ふたりとも安堵した表情となった。
何故なら、冒険者の間では、
「オーク1体は、ゴブリン3体の強さだ」
との理屈が定説となっているからだ。
研修で戦い慣れたオーク数体が、上位種だと考えれば、気が楽になったという。
さてさて!
俺たちが話しているうち、仮眠を終え、起きて来たローラン様たちと、
報告がてら相談してみる。
討伐した総頭数と2時間半くらい新手が現れない事を告げてみると、
「うむ、では後4時間様子を見て、明け方村内へ戻り、もうひと休みしたら、巣穴へ出向いてみよう。但し、調査報告書をうのみにせず、油断はしない事だ」
おお!
ローラン様も俺と同意見か。
何事も、単純に信じない。
そして、勝って兜の緒を締めよって事だな。
「ローラン様、作戦は予定通り、あの手で行きますか?」
「ああ、予定通りだ。後は私たちへ任せて、予定時間まで休みなさい」
「了解です。じゃあフェルナンさん、シャルロット、休むとしましょう」
「お、おう!」
「ええ、休ませて貰いましょう」
という事で、俺たち新人3人は仮眠へ入ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
……約4時間後、魔導ベルを目覚ましモードにし、仮眠から目覚めた俺たちは、
ローラン様たちが待機中の陣地へと戻った。
ちなみに、バスチアンさんの真似をして意識の一部を起こしておこうと思ったが、
全く上手く行かなかった。
魔導ベルがなかったら、多分寝坊をしていただろう。
魔法のようにすぐ習得出来ると思ったのが甘かった。
今度はしっかりと指導を受けようと思う。
さてさて!
ローラン様に状況を確認すると……
やはり俺たちが最後に戦ってから、ゴブリンの襲来はないという。
襲来はなしという事は……いろいろな可能性が考えられる。
敵の総数が著しく減り、村を襲うのが困難になった。
敵のリーダーたる上位種が、俺たちグランシャリオの存在に気付き、
一旦、攻撃を中止。
対策、作戦を練っている。
その場合、残ったゴブリンを引き連れ、反撃に出るのか。
それとも、巣穴を捨て、逃亡したのか。
どちらにしても、巣穴へ赴き、確認してみないと分からない。
……つらつら考えた俺は、改めてローラン様に、作戦の確認をしたところ、
状況がどうであれ、「変更はなし」だという。
まあ、どの場合も対処が可能な作戦だから、問題はないと思う。
唯一気になるのは、上位種たるゴブリンの能力である。
俺は敢えて言わなかったが、上位種がゴブリンの魔法使い、
ゴブリンシャーマンだと、少し話が違って来る。
状況に応じ、対魔法戦も考えなくてはならないからだ。
ゴブリンシャーマンは、死霊術師の個体もたまに見受けられ、
不死者を前面に押し立てて、反撃して来る可能性もある。
幸いなのは、俺たちが倒したゴブリンどもは全て葬送魔法で塵にした。
塵となった死骸の再利用は不可能だから、不死者の数は、
そう多くはならないだろう……とみる。
つらつら考えているうちに、夜が明けた。
ローラン様が、俺に言う。
「エルヴェ」
「はい!」
「時間だ、作戦終了。村民たちへ、夜戦の勝利と、村への撤収、再出撃を伝えてくれ」
「了解です!」
返事をした俺は、声を張り上げる。
「シュエット村の皆さん! ご覧の通り! 夜通しの戦いは終わりました! 俺たちグランシャリオは! ゴブリン計300体を倒しました! 一旦! 村へ撤収! ひと休みした後に出撃! 巣穴に残るゴブリンどもを殲滅します!!」
俺が一気に報告すると、
うおおおおおおっ!!!
物見やぐらの自警団員たちが腕を振り、大声をあげるのは勿論、
うおおおおおおっ!!!
うおおおおおおっ!!!
うおおおおおおっ!!!
うおおおおおおっ!!!
村内でも、大歓声があがったのである。
俺たちはまたもあっさりと討ち滅ぼした。
それから2時間半後、ローラン様たちと交代の時間まで、
ゴブリンどもは一切現れなかった。
改めて数えてみたら、 まず村の周辺で約200体を倒し、
次にこの正門前の夜戦で100体、100体、100体と、計500体を倒してしまった。
ローラン様の調査報告書によれば、今回のゴブリン総数は推定約500体、
もしこの数が正確なものならば、ほとんどを倒してしまった事となる。
……新手が来ないのも納得である。
予定の時間となったので、俺とシャルロットで手分けして、
男子テント、女子テントへ。
仮眠しているローラン様たちへ、
「時間ですよ」と起きるよう声をかけた後、配置へ戻り、
警戒を続けながら、3人で話してみた。
結果、ローラン様の報告書に上がっている数500体をあまり過信せず、
巣穴には同数、つまりまだ500体くらい残っていると考えれば、
慌てないという結論に至った。
常に最悪の場合を考え、想定外の出来事にも対処出来るように備えるのだという俺の意見に、シャルロットもフェルナンさんも賛成してくれた。
未知の上位種が居るかもしれないと言うと、不安がる。
だが、上位種の能力が50%増し~300%増しと考え、
しょせんオーク2体か、3体と考えれば良いと言うと、
ふたりとも安堵した表情となった。
何故なら、冒険者の間では、
「オーク1体は、ゴブリン3体の強さだ」
との理屈が定説となっているからだ。
研修で戦い慣れたオーク数体が、上位種だと考えれば、気が楽になったという。
さてさて!
俺たちが話しているうち、仮眠を終え、起きて来たローラン様たちと、
報告がてら相談してみる。
討伐した総頭数と2時間半くらい新手が現れない事を告げてみると、
「うむ、では後4時間様子を見て、明け方村内へ戻り、もうひと休みしたら、巣穴へ出向いてみよう。但し、調査報告書をうのみにせず、油断はしない事だ」
おお!
ローラン様も俺と同意見か。
何事も、単純に信じない。
そして、勝って兜の緒を締めよって事だな。
「ローラン様、作戦は予定通り、あの手で行きますか?」
「ああ、予定通りだ。後は私たちへ任せて、予定時間まで休みなさい」
「了解です。じゃあフェルナンさん、シャルロット、休むとしましょう」
「お、おう!」
「ええ、休ませて貰いましょう」
という事で、俺たち新人3人は仮眠へ入ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
……約4時間後、魔導ベルを目覚ましモードにし、仮眠から目覚めた俺たちは、
ローラン様たちが待機中の陣地へと戻った。
ちなみに、バスチアンさんの真似をして意識の一部を起こしておこうと思ったが、
全く上手く行かなかった。
魔導ベルがなかったら、多分寝坊をしていただろう。
魔法のようにすぐ習得出来ると思ったのが甘かった。
今度はしっかりと指導を受けようと思う。
さてさて!
ローラン様に状況を確認すると……
やはり俺たちが最後に戦ってから、ゴブリンの襲来はないという。
襲来はなしという事は……いろいろな可能性が考えられる。
敵の総数が著しく減り、村を襲うのが困難になった。
敵のリーダーたる上位種が、俺たちグランシャリオの存在に気付き、
一旦、攻撃を中止。
対策、作戦を練っている。
その場合、残ったゴブリンを引き連れ、反撃に出るのか。
それとも、巣穴を捨て、逃亡したのか。
どちらにしても、巣穴へ赴き、確認してみないと分からない。
……つらつら考えた俺は、改めてローラン様に、作戦の確認をしたところ、
状況がどうであれ、「変更はなし」だという。
まあ、どの場合も対処が可能な作戦だから、問題はないと思う。
唯一気になるのは、上位種たるゴブリンの能力である。
俺は敢えて言わなかったが、上位種がゴブリンの魔法使い、
ゴブリンシャーマンだと、少し話が違って来る。
状況に応じ、対魔法戦も考えなくてはならないからだ。
ゴブリンシャーマンは、死霊術師の個体もたまに見受けられ、
不死者を前面に押し立てて、反撃して来る可能性もある。
幸いなのは、俺たちが倒したゴブリンどもは全て葬送魔法で塵にした。
塵となった死骸の再利用は不可能だから、不死者の数は、
そう多くはならないだろう……とみる。
つらつら考えているうちに、夜が明けた。
ローラン様が、俺に言う。
「エルヴェ」
「はい!」
「時間だ、作戦終了。村民たちへ、夜戦の勝利と、村への撤収、再出撃を伝えてくれ」
「了解です!」
返事をした俺は、声を張り上げる。
「シュエット村の皆さん! ご覧の通り! 夜通しの戦いは終わりました! 俺たちグランシャリオは! ゴブリン計300体を倒しました! 一旦! 村へ撤収! ひと休みした後に出撃! 巣穴に残るゴブリンどもを殲滅します!!」
俺が一気に報告すると、
うおおおおおおっ!!!
物見やぐらの自警団員たちが腕を振り、大声をあげるのは勿論、
うおおおおおおっ!!!
うおおおおおおっ!!!
うおおおおおおっ!!!
うおおおおおおっ!!!
村内でも、大歓声があがったのである。
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