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第79話「ここで、俺はぴん!と来た」
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翌日も俺は、セレスさん、クリスさんから指導を受けた。
午前中は基礎訓練をこなし、午後は魔法の教授をして貰ったのだ。
結果、新たな属性魔法は習得出来なかったが、
既に習得した魔法の円滑な発動と威力増大などのビルドアップを行う事が出来た。
再び念の為、俺が習得した魔法のおさらい。
風属性は、攻撃魔法の風弾、小嵐、大嵐、竜巻。
そして、防御魔法の風壁。
水属性は、攻撃魔法が水弾、濁流、凍結。
セレスさんからは、回復魔法の手当、更に療養を教えて貰う。
葬送魔法もパワーアップした。
倒した魔物の死骸を簡単に塵に出来るようになった。
魔法の訓練をすると体内魔力も活性化。
総量も増えたっぽい。
うん!
良い事づくめだ。
その日の訓練が終わり……
シャルロットさん、フェルナンさんと情報交換。
ふたりとも順調に能力を伸ばしているらしく何よりである。
更に次の日は、俺の指導役は再びローラン様となった。
シャルロットさんは、セレスさん、クリスさんに、
フェルナンさんは相変わらずバスチアンさんに。
バスチアンさんはもうフェルナンさんの専任化してる。
徹底的に鍛えられているようで、剣技の上達は勿論……
ガンガン、ケツを叩かれたのか、フェルナンさんの魔物、肉食獣コンプレックスは、完全に払しょくされたようで、何よりである。
いつものように、基礎訓練を終えた後、ローラン様から、新たな指導を受ける事に。
「エルヴェ君、シャルロット君から聞いたよ」
「え? シャルロット……さん、から聞いたのですか?」
「うむ、そうだ」
むむむ?
シャルロットさん、ローラン様へ、一体何を言ったんだろ?
訳が分からないけれど……ここは無難につないだ方が良いだろう。
「と、おっしゃいますと?」
俺が聞き直すと、ローラン様はズバリ言う。
「エルヴェ君は、いきなり豹変すると聞いた」
「いきなり豹変……」
「ふむ、心当たりがあるだろう」
「は、はい!」
「シャルロット君は言った。普段はしごく温厚なエルヴェ君だが、ドライになったり、本気で怒ったりすると怖いってな」
う~む。
俺がドライになったり、本気モードに切り替わると怖いんだ。
……確かに、シャルロットさんやフェルナンさんに対し、
意識して怖がらせていた気はするけど。
ここは肯定しておこう。
「ま、まあ、そうかもしれません。い、いけませんか?」
「いや、好都合だ」
「え? 好都合……なのですか?」
「ああ、エルヴェ君にも、私の得意とするスキルを習得出来るかもしれないからな」
「俺が? ローラン様の得意とするスキルを習得出来るのですか?」
「うむ、論より証拠。早速やってみようか?」
「は、はい!」
どうやら、今日の訓練は魔法だけではないようだ。
という事で、ローラン様に連れられた俺は、例の石畳の道路へ出たのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
いつもは俺が先導するのだが、今日はローラン様が先に行くと指示が出された。
俺はやや後方すぐについて来て欲しいとも言われる。
どうするんだろう?
俺は勘働き――索敵だけ最大範囲で発動させながら進んで行く。
やがて、索敵に敵を捕捉した。
オーク10体の群れである。
ローラン様も気づいたようだが、そのまま進んで行く。
俺たちとオークどもの距離が縮まって行く……
そして遂に対峙する。
先ほどの話だと、ローラン様は俺に、
得意とするスキルの手本を見せてくれるのだろう。
ここは、注目!
じ~っと、ローラン様を観察しなければ。
オークどもと対峙したローラン様は、何と何と何と!
かくっと思い切り脱力し、手を前に突き出し、人差し指を、
くいっ、くいっと手前に動かした。
おお、これは無防備状態になった上で、挑発のポーズじゃないか!
脱力した事で、ローラン様からは、殺気は勿論、闘気さえ全く感じられない。
とりあえず、俺もローラン様にならって、脱力しておくか。
闘気ゼロ、殺気ゼロにした。
オークどもは、相手が弱いと見れば、つけ込んで強気に出て来る。
数を頼んで来るのも、どこぞの街の薄っぺらいチンピラどもと一緒だ。
相手は怯える人間族たったふたり。
怖れる事は全くない。
喰い殺してやるう!!!
がおおおおっ!
ぐああああっ!
きえおおおっ!
がああああっ!
オーク個体の各々が思い思いに咆哮し、襲いかかろうと殺到して来た。
さすがに俺は身構えたが、ローラン様はといえば、微動だにしない。
ここで、俺はぴん!と来た。
ローラン様の冒険譚、英雄譚をじっくり読み込んでいた俺は、
これからローラン様が使おうとするスキルが分かったのだ。
オークどもが、10mの距離まで接近した瞬間である。
気合一閃!
かああああっ!!!
吠えたローラン様が、オークどもを一瞥すると、
殺到したオークどもは、無様にも、ばたばたばたと、
全てが地へ倒れ伏してしまったのである。
午前中は基礎訓練をこなし、午後は魔法の教授をして貰ったのだ。
結果、新たな属性魔法は習得出来なかったが、
既に習得した魔法の円滑な発動と威力増大などのビルドアップを行う事が出来た。
再び念の為、俺が習得した魔法のおさらい。
風属性は、攻撃魔法の風弾、小嵐、大嵐、竜巻。
そして、防御魔法の風壁。
水属性は、攻撃魔法が水弾、濁流、凍結。
セレスさんからは、回復魔法の手当、更に療養を教えて貰う。
葬送魔法もパワーアップした。
倒した魔物の死骸を簡単に塵に出来るようになった。
魔法の訓練をすると体内魔力も活性化。
総量も増えたっぽい。
うん!
良い事づくめだ。
その日の訓練が終わり……
シャルロットさん、フェルナンさんと情報交換。
ふたりとも順調に能力を伸ばしているらしく何よりである。
更に次の日は、俺の指導役は再びローラン様となった。
シャルロットさんは、セレスさん、クリスさんに、
フェルナンさんは相変わらずバスチアンさんに。
バスチアンさんはもうフェルナンさんの専任化してる。
徹底的に鍛えられているようで、剣技の上達は勿論……
ガンガン、ケツを叩かれたのか、フェルナンさんの魔物、肉食獣コンプレックスは、完全に払しょくされたようで、何よりである。
いつものように、基礎訓練を終えた後、ローラン様から、新たな指導を受ける事に。
「エルヴェ君、シャルロット君から聞いたよ」
「え? シャルロット……さん、から聞いたのですか?」
「うむ、そうだ」
むむむ?
シャルロットさん、ローラン様へ、一体何を言ったんだろ?
訳が分からないけれど……ここは無難につないだ方が良いだろう。
「と、おっしゃいますと?」
俺が聞き直すと、ローラン様はズバリ言う。
「エルヴェ君は、いきなり豹変すると聞いた」
「いきなり豹変……」
「ふむ、心当たりがあるだろう」
「は、はい!」
「シャルロット君は言った。普段はしごく温厚なエルヴェ君だが、ドライになったり、本気で怒ったりすると怖いってな」
う~む。
俺がドライになったり、本気モードに切り替わると怖いんだ。
……確かに、シャルロットさんやフェルナンさんに対し、
意識して怖がらせていた気はするけど。
ここは肯定しておこう。
「ま、まあ、そうかもしれません。い、いけませんか?」
「いや、好都合だ」
「え? 好都合……なのですか?」
「ああ、エルヴェ君にも、私の得意とするスキルを習得出来るかもしれないからな」
「俺が? ローラン様の得意とするスキルを習得出来るのですか?」
「うむ、論より証拠。早速やってみようか?」
「は、はい!」
どうやら、今日の訓練は魔法だけではないようだ。
という事で、ローラン様に連れられた俺は、例の石畳の道路へ出たのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
いつもは俺が先導するのだが、今日はローラン様が先に行くと指示が出された。
俺はやや後方すぐについて来て欲しいとも言われる。
どうするんだろう?
俺は勘働き――索敵だけ最大範囲で発動させながら進んで行く。
やがて、索敵に敵を捕捉した。
オーク10体の群れである。
ローラン様も気づいたようだが、そのまま進んで行く。
俺たちとオークどもの距離が縮まって行く……
そして遂に対峙する。
先ほどの話だと、ローラン様は俺に、
得意とするスキルの手本を見せてくれるのだろう。
ここは、注目!
じ~っと、ローラン様を観察しなければ。
オークどもと対峙したローラン様は、何と何と何と!
かくっと思い切り脱力し、手を前に突き出し、人差し指を、
くいっ、くいっと手前に動かした。
おお、これは無防備状態になった上で、挑発のポーズじゃないか!
脱力した事で、ローラン様からは、殺気は勿論、闘気さえ全く感じられない。
とりあえず、俺もローラン様にならって、脱力しておくか。
闘気ゼロ、殺気ゼロにした。
オークどもは、相手が弱いと見れば、つけ込んで強気に出て来る。
数を頼んで来るのも、どこぞの街の薄っぺらいチンピラどもと一緒だ。
相手は怯える人間族たったふたり。
怖れる事は全くない。
喰い殺してやるう!!!
がおおおおっ!
ぐああああっ!
きえおおおっ!
がああああっ!
オーク個体の各々が思い思いに咆哮し、襲いかかろうと殺到して来た。
さすがに俺は身構えたが、ローラン様はといえば、微動だにしない。
ここで、俺はぴん!と来た。
ローラン様の冒険譚、英雄譚をじっくり読み込んでいた俺は、
これからローラン様が使おうとするスキルが分かったのだ。
オークどもが、10mの距離まで接近した瞬間である。
気合一閃!
かああああっ!!!
吠えたローラン様が、オークどもを一瞥すると、
殺到したオークどもは、無様にも、ばたばたばたと、
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