76 / 176
第76話「セレスさんは、茶化しながらも、俺とシャルロットさんの仲を祝福しているはず」
しおりを挟む
翌朝、俺とフェルナンさんは、いつも通り午前3時に起床した。
最近は叩き起こされなくとも、自然に起きるようになったのは愛嬌。
手早く準備し、いつものようにバスチアンさんから、剣技の稽古をつけて貰う。
このところ、いつもそうらしいが……
昨日も、俺たちが昨日も、俺たちが夕食の準備をしている間、
ローラン様、バスチアンさん、セレスさん、クリスさんの4人は、
情報共有と打ち合わせを済ませていたようだ。
だから夕食の際も、俺が魔法剣士として覚醒した事が話題となった。
ローラン様が『お墨付き』を出し、ランクFの俺は既にランクB以上、
ランカーの実力があるとまで言い切ってくれたのだ。
そのせいか、今朝のバスチアンさんは稽古の際、
魔法を織り交ぜ戦う事を求めて来た。
「おい! 新人1号!」
「はい」
「今朝は俺へ、魔法剣士としての戦い方とやらを見せてみろや」
「了解っす」
軽くOKの返事をしたが、本気で戦うわけにはいかない。
これ決して驕りなどではない。
もしも俺がフルパワーで魔法を使ったら、
バスチアンさんといえど、ただでは済まないと思う。
こんな事を言えるようになると、全く思わなかったけど。
……と、いうわけで、申し訳ないが、バスチアンさんに対し、手加減する事にした。
いつもの通り、準備運動とストレッチ。
そして。一番リラックス可能な深呼吸イコール、
魔法使いには必須の呼吸法を行う。
す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、
呼吸法を行う事で、精神を集中しつつ、均衡化し、体内魔力を活性させる。
そうする事で、魔法を円滑かつ正確に行使する事をしやすくするのだ。
でも今の深呼吸は自己流。
後で改めて調べて勉強し、自分にとってベストな呼吸法を見つけ、
習得するつもりである。
さてさて!
準備が完了し、俺とバスチアンさんは向き合い、対峙する。
絶対に油断はしない。
一昨日、昨日の朝と、
ギアを上げ、本気モードへ入ったバスチアンさんに苦戦はした。
だけど、今の俺に負ける要素は何もない。
日々の鍛錬で、剣技、格闘、防御、身のこなしが、
格段にパワーアップしている事に加え、今の俺には攻撃魔法が6種類もある。
バスチアンさんの身体の動きの癖も、完全に把握しているし。
その上で、必殺のスキル勘働き――先読みの能力を発揮すれば、
バスチアンさんといえども圧倒出来るはずだ。
「エルヴェ! いきま~す!」
気合を入れた俺は、だん!と勢いよく、大地を蹴ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
それから約2時間後……時間はまもなく午前6時。
「ま、ま、参った! し、新人1号……いや、エルヴェには敵わねえ!」
練習用の雷撃剣を手放して、座り込み、両手を挙げるバスチアンさん。
俺の事を新人1号ではなく、エルヴェという名前で呼んでくれた。
これ、バスチアンさんが、認めてくれたって事なのだろうか?
俺の事を……もしそうだったら、凄く嬉しいけど。
そう、俺は風の習得した風の攻撃魔法の3種、風弾、小嵐、竜巻を使いながら、
30分間、バスチアンさんの自由を奪い、翻弄。
散々に雷撃を浴びせ、遂に降参を引き出したのだ。
対して、バスチアンさんの攻撃は1回も当たらなかった。
こうなると負けず嫌いのバスチアンさんも、敗北を認めざるをえなかったのである。
そんな俺とバスチアンさんの戦いで、
フェルナンさんの稽古の時間がなくなってしまった。
バスチアンさんが熱くなり、切り上げなかったのが原因だが、
俺はフェルナンさんへ、「申し訳ない」とお詫びした。
しかし、フェルナンさんはショックのあまり硬直して、固まってしまっていた。
俺がバスチアンさんを圧倒したのにびっくりし、声も出ないようだ。
どうやら俺の謝罪の言葉も耳へ入っていかないらしい。
と、そこへ、ローラン様、クリスさんが、
そしてセレスさん、シャルロットさんの女子組が起きてやって来た。
「おはよう!」
「おはよう!」
「おはよう!」
「おはようございます!」
4人のあいさつに対し、バスチアンさん、俺、
そして、ようやく硬直が解けたフェルナンさんが、あいさつを返した。
ここでセレスさんが俺を認め、ダッシュ。
「エルヴェく~ん!」
と大声で叫び、駆け寄って来た。
「おはよう!」
と、上機嫌にっこにこであいさつする。
「おはようございます!」
と、元気にあいさつをしながら、俺の心の中では、
昨夜シャルロットさんが言っていた言葉がリフレインする。
「違うの……私、セレスさんとエル君がくっつかないか、心配なの」
「だって、だって! 今日の訓練中もセレスさんったら、エル君の事、すっごく褒めてたのよ」
「うん、エル君は才能に満ちあふれた素敵な男子だって」
……いやいや、まさか。
セレスさんは、茶化しながらも、俺とシャルロットさんの仲を祝福しているはず。
やはり、絶対恋愛対象としてじゃない、教師的な評価でしょ。
でも、シャルロットさんに、やきもきさせない為、言動には充分注意しよう。
そんな決意をした俺へ視線を感じる。
これは、シャルロットさんの視線だ。
そう、にっこにこのセレスさんの少し後方、
俺を凝視するシャルロットさんは、とても不安そうな視線を送っていたのである。
最近は叩き起こされなくとも、自然に起きるようになったのは愛嬌。
手早く準備し、いつものようにバスチアンさんから、剣技の稽古をつけて貰う。
このところ、いつもそうらしいが……
昨日も、俺たちが昨日も、俺たちが夕食の準備をしている間、
ローラン様、バスチアンさん、セレスさん、クリスさんの4人は、
情報共有と打ち合わせを済ませていたようだ。
だから夕食の際も、俺が魔法剣士として覚醒した事が話題となった。
ローラン様が『お墨付き』を出し、ランクFの俺は既にランクB以上、
ランカーの実力があるとまで言い切ってくれたのだ。
そのせいか、今朝のバスチアンさんは稽古の際、
魔法を織り交ぜ戦う事を求めて来た。
「おい! 新人1号!」
「はい」
「今朝は俺へ、魔法剣士としての戦い方とやらを見せてみろや」
「了解っす」
軽くOKの返事をしたが、本気で戦うわけにはいかない。
これ決して驕りなどではない。
もしも俺がフルパワーで魔法を使ったら、
バスチアンさんといえど、ただでは済まないと思う。
こんな事を言えるようになると、全く思わなかったけど。
……と、いうわけで、申し訳ないが、バスチアンさんに対し、手加減する事にした。
いつもの通り、準備運動とストレッチ。
そして。一番リラックス可能な深呼吸イコール、
魔法使いには必須の呼吸法を行う。
す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、す~は~、
呼吸法を行う事で、精神を集中しつつ、均衡化し、体内魔力を活性させる。
そうする事で、魔法を円滑かつ正確に行使する事をしやすくするのだ。
でも今の深呼吸は自己流。
後で改めて調べて勉強し、自分にとってベストな呼吸法を見つけ、
習得するつもりである。
さてさて!
準備が完了し、俺とバスチアンさんは向き合い、対峙する。
絶対に油断はしない。
一昨日、昨日の朝と、
ギアを上げ、本気モードへ入ったバスチアンさんに苦戦はした。
だけど、今の俺に負ける要素は何もない。
日々の鍛錬で、剣技、格闘、防御、身のこなしが、
格段にパワーアップしている事に加え、今の俺には攻撃魔法が6種類もある。
バスチアンさんの身体の動きの癖も、完全に把握しているし。
その上で、必殺のスキル勘働き――先読みの能力を発揮すれば、
バスチアンさんといえども圧倒出来るはずだ。
「エルヴェ! いきま~す!」
気合を入れた俺は、だん!と勢いよく、大地を蹴ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
それから約2時間後……時間はまもなく午前6時。
「ま、ま、参った! し、新人1号……いや、エルヴェには敵わねえ!」
練習用の雷撃剣を手放して、座り込み、両手を挙げるバスチアンさん。
俺の事を新人1号ではなく、エルヴェという名前で呼んでくれた。
これ、バスチアンさんが、認めてくれたって事なのだろうか?
俺の事を……もしそうだったら、凄く嬉しいけど。
そう、俺は風の習得した風の攻撃魔法の3種、風弾、小嵐、竜巻を使いながら、
30分間、バスチアンさんの自由を奪い、翻弄。
散々に雷撃を浴びせ、遂に降参を引き出したのだ。
対して、バスチアンさんの攻撃は1回も当たらなかった。
こうなると負けず嫌いのバスチアンさんも、敗北を認めざるをえなかったのである。
そんな俺とバスチアンさんの戦いで、
フェルナンさんの稽古の時間がなくなってしまった。
バスチアンさんが熱くなり、切り上げなかったのが原因だが、
俺はフェルナンさんへ、「申し訳ない」とお詫びした。
しかし、フェルナンさんはショックのあまり硬直して、固まってしまっていた。
俺がバスチアンさんを圧倒したのにびっくりし、声も出ないようだ。
どうやら俺の謝罪の言葉も耳へ入っていかないらしい。
と、そこへ、ローラン様、クリスさんが、
そしてセレスさん、シャルロットさんの女子組が起きてやって来た。
「おはよう!」
「おはよう!」
「おはよう!」
「おはようございます!」
4人のあいさつに対し、バスチアンさん、俺、
そして、ようやく硬直が解けたフェルナンさんが、あいさつを返した。
ここでセレスさんが俺を認め、ダッシュ。
「エルヴェく~ん!」
と大声で叫び、駆け寄って来た。
「おはよう!」
と、上機嫌にっこにこであいさつする。
「おはようございます!」
と、元気にあいさつをしながら、俺の心の中では、
昨夜シャルロットさんが言っていた言葉がリフレインする。
「違うの……私、セレスさんとエル君がくっつかないか、心配なの」
「だって、だって! 今日の訓練中もセレスさんったら、エル君の事、すっごく褒めてたのよ」
「うん、エル君は才能に満ちあふれた素敵な男子だって」
……いやいや、まさか。
セレスさんは、茶化しながらも、俺とシャルロットさんの仲を祝福しているはず。
やはり、絶対恋愛対象としてじゃない、教師的な評価でしょ。
でも、シャルロットさんに、やきもきさせない為、言動には充分注意しよう。
そんな決意をした俺へ視線を感じる。
これは、シャルロットさんの視線だ。
そう、にっこにこのセレスさんの少し後方、
俺を凝視するシャルロットさんは、とても不安そうな視線を送っていたのである。
0
お気に入りに追加
234
あなたにおすすめの小説
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。
途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。
さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。
魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。
一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる