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第72話「馬鹿が! 密集してくれて、個々に倒す手間が省けるぜ!」
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迷う俺を見たローラン様は、
「はははは、では両方やろう」
と悪戯っぽい笑顔で、そう告げて来た。
少し驚いたが、想定内だ。
「両方……ですか?」
「そうだ! 順番は前後するが、まずは実戦訓練を行う」
「まずは実戦訓練ですか」
「うむ、訓練所内の持久走コースを1周回し、遭遇した魔物を、既に習得した風弾、水弾を織り交ぜ、エルヴェ君の思うがままに倒してくれ」
「ええっと、思うがままという事は、習得した魔法と、剣技、格闘を合わせ、好きに戦って構わないという事ですね」
「ああ、そういう事だ。念の為、この魔導ポーションを飲んで、体内魔力を満タンにしてくれ。1周回後に、ここへ戻り、風、水の新たな魔法習得訓練を行う」
ローラン様はそう言い、魔導ポーションをひとつ渡して来た。
「ありがとうございます」と受け取る俺。
魔導ポーションをつかみながら考える。
実戦訓練の後は、風、水の新たな魔法習得訓練。
そっか!
さすがに新たな属性魔法へのチャレンジまでは、ナシなのか。
ええっと、魔導懐中時計を見たら、現在の時間は午後1時30分過ぎ。
地か火か、あ、この訓練場は、火気厳禁だから火はないか。
新たな地の属性魔法への期待があったから、ちょっちがっかりしたが、仕方がない。
ローラン様の判断だし、時間の制約がある。
実戦訓練、風、水の新たな魔法習得訓練で今日は完了、
新たな属性魔法へのチャレンジまで、全てやったら、夜半になってしまう。
他のメンバーとの兼ね合いもあるし、
俺ひとりだけが、訓練しているわけじゃない。
勝手なスタンドプレーは、NGだろう。
俺自身は、夜半まで訓練しても大丈夫だが、わがままは言えない。
「分かりました」
「ちなみに時間短縮の為、1周回10㎞はただ歩くのではなく、私もエルヴェ君の後へ続くから、先行して走って貰う。速度はまあ、そうだな、ジョギングレベルより少し速いくらいで良いだろう」
そっか。
ローラン様、さすがに良く考えてる。
基礎訓練の10㎞持久走もついでに行うって事ね。
ジョギングレベル強イコール、時速10㎞強くらいで。
つまり、1時間ちょい走り、魔物を倒して、ここへ戻ったら、
風、水の新たな魔法習得訓練という流れ。
当然、持久走中は、勘働き――索敵はフル稼働だ。
「了解です」
俺はシンプルにそう言い、念の為と支給された魔導ポーションを飲み干した。
これで、体内魔力枯渇の心配はない。
「うむ、良い返事だ。さあ、行こう。私を先導してくれ」
「はい! ローラン様、敵が出現したら、右手を挙げて合図します。俺について来てください! エルヴェ! いきま~す!」
出発の言葉を告げ、俺はダン!と大地を蹴り、
たっ、たっ、たっと、走りだしたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
前にも述べたが、今や勝手知ったる持久走コース。
走り出す前から、勘働き――索敵を研ぎ澄ます。
今のところ、魔物の気配はなし。
たっ、たっ、たっと、石畳を軽快に走る。
後ろから、ローラン様がついて来るのも分かる。
ひとつ、心配な事がある。
それはローラン様。
は? 何それ?
どういう事? と言われそうだが。
ぶっちゃけ、英雄たるローラン様と伴走したら、
彼の放つ強力な波動イコール気配で魔物どもが恐れて逃げ、戦闘が行えず、
それゆえ、魔法剣士の戦闘訓練にならないのでは? という懸念だ。
まあ、そういう事は俺には関係ない、余計な事を考えるなと思い直した。
そんな事はローラン様が、何とかする事案だろう。
と思いつつ、引き続き、たっ、たっ、たっと、石畳を軽快に走る。
そんな感じで走る事、約10分。
ようやく敵が出た。
ほっとした。
しかし、もしかしたらローラン様は自身が発する威圧感を、
わざと抑えているのやもしれないと思った。
気配は感じているから威圧感だけを弱めるスキルとか?
うっわ!
すっげえな!
いや!
いかん、いかん、余計な事は本当に考えるな。
敵に集中だ。
勘働き――索敵がささやき、報せて来る。
……300m先に、オークの群れ、数は20体。
今までより多少多いが、魔法剣士として覚醒した今の俺には、
単に行く手を阻むまでもない、『低い壁』でしかない。
油断こそしないが、ちょっちまたいで、しれっと通り過ぎるレベルだ。
俺は、走りながら右手を高々と挙げた。
これは事前にローラン様へ伝えた「敵出現」の合図である。
まあ、わざわざ俺が報せずとも、ローラン様は、出現したオークどもに、
気づいているに違いないが。
今は研修と言う名の査定中。
本契約締結の為には、目いっぱい俺の能力をアピールする事が必要だから。
そんな事を考えている間に、オークどもとの距離がどんどん詰まる。
200m、100m……もう、奴らの姿は見えている。
20体のオークどもは、密集し、俺とローラン様を威嚇していた。
馬鹿が!
密集してくれて、個々に倒す手間が省けるぜ!
俺は右手、左手を突き出し、
それぞれの手を仮初め発動体の、こん棒にイメージする。
すると、呆気ないくらい簡単に魔法が発動出来た。
しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ!
どしゅ! どしゅ! どしゅ! どしゅ! どしゅ!
俺の右手からは風弾、左手からは水弾を連射!
オークどもの群れへ、容赦なく撃ち込んだのである。
「はははは、では両方やろう」
と悪戯っぽい笑顔で、そう告げて来た。
少し驚いたが、想定内だ。
「両方……ですか?」
「そうだ! 順番は前後するが、まずは実戦訓練を行う」
「まずは実戦訓練ですか」
「うむ、訓練所内の持久走コースを1周回し、遭遇した魔物を、既に習得した風弾、水弾を織り交ぜ、エルヴェ君の思うがままに倒してくれ」
「ええっと、思うがままという事は、習得した魔法と、剣技、格闘を合わせ、好きに戦って構わないという事ですね」
「ああ、そういう事だ。念の為、この魔導ポーションを飲んで、体内魔力を満タンにしてくれ。1周回後に、ここへ戻り、風、水の新たな魔法習得訓練を行う」
ローラン様はそう言い、魔導ポーションをひとつ渡して来た。
「ありがとうございます」と受け取る俺。
魔導ポーションをつかみながら考える。
実戦訓練の後は、風、水の新たな魔法習得訓練。
そっか!
さすがに新たな属性魔法へのチャレンジまでは、ナシなのか。
ええっと、魔導懐中時計を見たら、現在の時間は午後1時30分過ぎ。
地か火か、あ、この訓練場は、火気厳禁だから火はないか。
新たな地の属性魔法への期待があったから、ちょっちがっかりしたが、仕方がない。
ローラン様の判断だし、時間の制約がある。
実戦訓練、風、水の新たな魔法習得訓練で今日は完了、
新たな属性魔法へのチャレンジまで、全てやったら、夜半になってしまう。
他のメンバーとの兼ね合いもあるし、
俺ひとりだけが、訓練しているわけじゃない。
勝手なスタンドプレーは、NGだろう。
俺自身は、夜半まで訓練しても大丈夫だが、わがままは言えない。
「分かりました」
「ちなみに時間短縮の為、1周回10㎞はただ歩くのではなく、私もエルヴェ君の後へ続くから、先行して走って貰う。速度はまあ、そうだな、ジョギングレベルより少し速いくらいで良いだろう」
そっか。
ローラン様、さすがに良く考えてる。
基礎訓練の10㎞持久走もついでに行うって事ね。
ジョギングレベル強イコール、時速10㎞強くらいで。
つまり、1時間ちょい走り、魔物を倒して、ここへ戻ったら、
風、水の新たな魔法習得訓練という流れ。
当然、持久走中は、勘働き――索敵はフル稼働だ。
「了解です」
俺はシンプルにそう言い、念の為と支給された魔導ポーションを飲み干した。
これで、体内魔力枯渇の心配はない。
「うむ、良い返事だ。さあ、行こう。私を先導してくれ」
「はい! ローラン様、敵が出現したら、右手を挙げて合図します。俺について来てください! エルヴェ! いきま~す!」
出発の言葉を告げ、俺はダン!と大地を蹴り、
たっ、たっ、たっと、走りだしたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
前にも述べたが、今や勝手知ったる持久走コース。
走り出す前から、勘働き――索敵を研ぎ澄ます。
今のところ、魔物の気配はなし。
たっ、たっ、たっと、石畳を軽快に走る。
後ろから、ローラン様がついて来るのも分かる。
ひとつ、心配な事がある。
それはローラン様。
は? 何それ?
どういう事? と言われそうだが。
ぶっちゃけ、英雄たるローラン様と伴走したら、
彼の放つ強力な波動イコール気配で魔物どもが恐れて逃げ、戦闘が行えず、
それゆえ、魔法剣士の戦闘訓練にならないのでは? という懸念だ。
まあ、そういう事は俺には関係ない、余計な事を考えるなと思い直した。
そんな事はローラン様が、何とかする事案だろう。
と思いつつ、引き続き、たっ、たっ、たっと、石畳を軽快に走る。
そんな感じで走る事、約10分。
ようやく敵が出た。
ほっとした。
しかし、もしかしたらローラン様は自身が発する威圧感を、
わざと抑えているのやもしれないと思った。
気配は感じているから威圧感だけを弱めるスキルとか?
うっわ!
すっげえな!
いや!
いかん、いかん、余計な事は本当に考えるな。
敵に集中だ。
勘働き――索敵がささやき、報せて来る。
……300m先に、オークの群れ、数は20体。
今までより多少多いが、魔法剣士として覚醒した今の俺には、
単に行く手を阻むまでもない、『低い壁』でしかない。
油断こそしないが、ちょっちまたいで、しれっと通り過ぎるレベルだ。
俺は、走りながら右手を高々と挙げた。
これは事前にローラン様へ伝えた「敵出現」の合図である。
まあ、わざわざ俺が報せずとも、ローラン様は、出現したオークどもに、
気づいているに違いないが。
今は研修と言う名の査定中。
本契約締結の為には、目いっぱい俺の能力をアピールする事が必要だから。
そんな事を考えている間に、オークどもとの距離がどんどん詰まる。
200m、100m……もう、奴らの姿は見えている。
20体のオークどもは、密集し、俺とローラン様を威嚇していた。
馬鹿が!
密集してくれて、個々に倒す手間が省けるぜ!
俺は右手、左手を突き出し、
それぞれの手を仮初め発動体の、こん棒にイメージする。
すると、呆気ないくらい簡単に魔法が発動出来た。
しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ!
どしゅ! どしゅ! どしゅ! どしゅ! どしゅ!
俺の右手からは風弾、左手からは水弾を連射!
オークどもの群れへ、容赦なく撃ち込んだのである。
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