冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号

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第65話「いきなり、どかん!と、予備動作なしの衝撃発言がさく裂する」

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「えええ!!?? エ、エルヴェ君が!!?? ロ、ローラン様へ!!?? な、な、何本もおお!!??」

フェルナンさんは、やはりというか、大いに驚いてしまった。

「ええ、まぐれで、何本かって、感じですね」

「むううう……」

俺がそういうと、悔しそうに口ごもるフェルナンさん。

勘働きが、フェルナンさんの熱い心の波動を伝えて来る。

大丈夫だ、フェルナンさんの心は折れていない。

なにくそ! 
負けるものか!

伯爵令嬢彼女の為に頑張るぞ!

と、闘争心を燃やして欲しいものだ。

安堵した俺だったが、この日、誰もが驚く発表があった。

それは、ロッジ予備棟で行われた、明日の訓練打ち合わせも兼ねる、
クランメンバー全員参加の、ミーティングにおいてである。

「良いかな、皆、明日のスケジュールについてだが……」

いきなり話を切り出したのは、ローラン様。

いつもならバスチアンさんが進行役をやるのに。

そのバスチアンさん、セレスさん、クリスさんの3人は、
黙って「うんうん」と頷いていた。

どうやら話は共有されているらしい。

ローラン様は話を続ける。

「明日の訓練は基本、本日と同じ段取りだ」

ここまでは良かった。

俺とシャルロットさんは、問題全然なしという感じで頷いていたし、
微妙な表情となったのは、再びバスチアンさんと、マンツーマン指導となる、
フェルナンさんだけだ。

「しかし、一部変更がある」

ちょっち、引っかかる、おっしゃりかたをされたローラン様。

いきなり、どかん!と、予備動作なしの衝撃発言がさく裂する。

「明日から、エルヴェ君には、魔法使いになる訓練も受けて貰う」

はああ!!??

明日から、エルヴェ君には、魔法使いになる訓練も受けて貰う!!??

な、な、な、何じゃそりゃ~!!??

も、も、元騎士見習い、武道一筋の俺がああ!!??

おいおいおい!と、
ローラン様へ尋ねるのはあまりにも失礼な言い方だが、完全に想定外。

青天の霹靂せいてんのへきれきという言葉がぴったり。

「えええ!!?? おおお、俺が!!!??? ま、ま、魔法使いに……ですかあ!!??」

いやいやいや!

俺、噛み噛みで、ろくにしゃべれない。

まさに人の事は言えないと指摘されても、返す言葉もない。

さっき、慌てふためいたフェルナンさんに勝るとも劣らないくらいにびっくりだ。

「エル君が!? ま、魔法使い!?」

「ま、まさか!? そ、そんな!?」

シャルロットさんもびっくり。
フェルナンさんも再び、びっくり。

……そんなこんなしているうちに、ようやく俺も落ち着いて来た。

結局、明日の俺は、どういう予定なのか?

本日同様、明日も師事するローラン様へ、お聞きしておこう。

「あの、ローラン様」

「うむ、何だい、エルヴェ君」

「ええ、明日のスケジュール再確認ですが、本日と同じ予定で、魔法使いの訓練を一番最後に行いますか?」

「ああ、午前は全員で基礎訓練、午後は本日と同じで、私とのマンツーマン、剣技の時間を短縮し、魔法使いの訓練に充てる、以上!」

ローラン様はそう言い、にっこりと笑った。

……そんな中、今度は、バスチアンさんから夕食の指示が出て、
俺たち新人3人は食事の支度をする事に。

本日2度目の食事を摂った後、全員は男女別、各ロッジへ戻り、
就寝したのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

翌朝……
バスチアンさんから午前3時前に起こされた俺とフェルナンさん。

ローラン様、クリスさんはまだ就寝中。
女子達も起きては来ない。

昨日同様、暗闇の中、かがり火をたき、雷撃剣を用意。
準備運動、ストレッチの後、バスチアンさんを相手に、
剣技の模擬試合という名の訓練。

バスチアンさんが、俺、フェルナンさんと交互に戦う。

どうやら俺の剣技訓練が削られる分の『補習』らしい。

フェルナンさん、俺のとばっちり?でカワイソス。

しかし、伯爵令嬢彼女の為なのか、
フェルナンさんが、やる気を出して頑張っていたのにはこれまたひと安心。

ちなみに、落ち着きを取り戻したバスチアンさんは、ギアを数段階上げ、
身体能力、及び、勘働きが進化する俺とは互角以上に。

昨日みたいに、俺がバスチアンさんを圧倒するという事はなかった。

やはり歴戦の勇士でランクA。
相手にとって、不足なしというか、指導役としてありがたい。

徹底に鍛えて貰えば、俺も更に剣技を始めとした各レベルを、
存分に上げられるというもんだ。

身体能力、勘働きを存分に使いながら、
夢中になって、バスチアンさんとガンガン剣を交えていると、夜が明けて来た。

ここで模擬戦終了。

3人でロッジへ戻り、シャワーを浴び、
俺とフェルナンさんは予備棟へ向かい、朝食の準備。

本日も食事は、朝夕の2食となるようだ。

……やがて、シャルロットさんも予備棟へ来て、
新人3人で仲良く、朝食の準備をしたのである。
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