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第8話「貴女、相当な切れ者ね」
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翌日から……
強靭な女傑とうたわれた元騎士ロゼール・ブランシュと、
恐るべき『オーガスレイヤー』と噂された公爵家令嬢ベアトリス・ドラーゼ。
奇妙な組み合わせといえるふたりの『花嫁修業』『行儀見習い』が始まった。
ロゼールとベアトリスは、いがみ合う事もなく一緒に自然に修業していた。
元々ロゼールは騎士隊では、少し爵位が上の相手でもフレンドリーに接していた。
だが、さすがに王族に準ずる、上級貴族公爵令嬢ベアトリスに対して、そうはいかない。
自然と感情を表に出さず淡々となる。
そういう作法を身につけていた。
さてさて!
教育係のシスター、ジズレーヌこと、
元・子爵夫人ジスレーヌ・オーブリーからいろいろと手ほどきを受け……
初日、2日目こそ、従来の「かっちりした予定」を、
何とかこなしたロゼールとベアトリスであったが……
3日目になって、ベアトリスは「ぶーぶー」不満を漏らし始めた。
規則正しい生活に慣れたロゼールでさえ、思い悩んで『脱走』しようとしたのに……
自由奔放に生きて来たベアトリスに、そんな堅い生活は我慢が出来るわけがなかったのだ。
朝食後、午前8時過ぎ……
修道院専用の農場で草むしりをするロゼールとベアトリス。
ベアトリスが草むしりをしながら話しかける。
「ねえ、ロゼ」
同じく、草むしりをしながらロゼールが応える。
「あの、その愛称は、いかがなものかと……私はベアトリス様から、ロゼールと呼んで頂きたいのですが」
「ぶうぶう! いいじゃない! 私が貴女をロゼって愛称で呼んでも! あと、必要以上の敬語もナシにしてね!」
ぶうたれるベアトリスを見て、ロゼールは無表情のまま、大きく息を吐く。
「ふう……ご命令であれば致し方ありません……かしこまり……いえ、分かりました。……何でしょう? ベアトリス様」
作法に基づき、いんぎんに言うロゼール。
対して、ベアトリスのいらいらがつのる。
彼女は身分の差を超えて、同じ匂いを持つ?ロゼールと仲良くしたいらしい。
「もう! ベアトリスって! 何言ってるの、ロゼは! ダメじゃない! 私をそんな呼び方しちゃ!」
「と、申されましても」
「いい? 私の事はベアトリスではなく! 愛称のベアーテで呼びなさい!」
「いえ、それはご命令といえど、出来ません。拒否させて頂きます。そのフレンドリーな、お呼びの仕方はちょっと……」
「ちょっと? 何故よ!」
「私はベアトリス様を親しくお呼び出来る、お身内ではありませんから」
「あ~! ひっど~い! 私の身内じゃないって、ロゼったら! すっごく冷たい言い方あ!」
「まぎれもない事実ですから。私は男爵の娘で身分も低いですし」
「構わないわよ! 私は気にしないから」
「いえ、私が気に致します。王族に準ずる血筋の、高貴な公爵家令嬢のベアトリス様と私は、単に師を同じくする『花嫁修業仲間』に過ぎません」
「何それ! 超つっめた~い!」
「それより……あのベアトリス様……何か、私へおっしゃりたい事がおありなのでは? 本題に戻りませんか?」
「ぶ~! ……もう! 仕方がない。ロゼも初日に脱走を考えたこの修道院の暮らしの事よ!」
「ええっと、まだ、たった2日経っただけですよ」
「いやっ! 起床時間が朝の4時なんて早すぎる! 草むしりなんて、すぐ飽きる! 食事の量が少なすぎる! 家事なんて、ウチの使用人がやるのに覚える必要がなさすぎる! 武道の鍛錬が出来なさすぎる! もうこれ以上、耐えられないっ! 今のスケジュールと方法で花嫁修業はお断りよ!」
「ふうう……根気と、忍耐力が著しく欠けていますね、ベアトリス様は」
「あ~! そんな事言えるの、ロゼは!」
「はい? 何の事でしょうか?」
「とぼけないで! ロゼ! 貴女はね、いきなり初日で嫌になり脱走しようとしていたから、2日間我慢してぶーぶー言う、私の事は責められないでしょ!」
「ええっと……それはもう、きっちりと封印した『黒歴史』です。それよりここの生活に耐えられないですか? ご自宅へお帰りになりますか?」
「いやよ! 絶対に帰らないわ! 父上に大見え張って出て来たんだも~ん! 教皇様や枢機卿様にも、『私に全て任せて』って言って来たんだも~ん!」
「ええっと……ベアトリス様と高貴な方々とのやりとりは、私に知る由もなく、関係もなく、知りたくもありませんが」
「もう! 何よ、それ! 本当にロゼはつっめた~い! ここでの暮らし、どうにかしてよぉ!」
淡々とした物言いのロゼールに、ベアトリスは地団太を踏んだ。
ロゼールは苦笑し、肩をすくめると、
「はあ……仕方がないですね。ベアトリス様、私にひとつ考えがあります。以前から検討してはいましたが」
「考え? 何? ロゼは以前から検討していたの?」
「はい、ダメもとで修道院長殿へ『改革』をかけあいましょう」
「修道院長へ『改革』をかけあう? ……多分ダメじゃない? あの人頭が固そうだから」
「確かに」
「それにロゼは、私が権力や権限で押し通すのが嫌いでしょ?」
「いえ、嫌いとかではなく、持てる者はそれを正しく、筋を通して使うのが責務かと存じます」
「何それ? ノブレスオブリージユって事?」
「はい、そうとって頂ければ……で、話を戻しますと、修道院長殿へ、ベアトリス様から、改革のご提案を致しましょう」
「ふうん……ロゼは、そういうのかかわりたくないんでしょ?」
「はい、基本的には。しかし先ほど、ここでの暮らし、どうにかしてよぉ! というベアトリス様の願いをお聞きし、私が受けた修道院長への恩を鑑みて、改革案を提案するのはやぶさかではありません」
「ふううん……で、どう言うの?」
「……逆にベアトリス様が、高貴な方々にどのようにご報告されるかです」
「私が?」
「ええ、このままでは、数多の女子がリタイアした件に関し、単に修道院長殿が猛反省され、悔い改めたという事実でしかありませんよ」
「まあ、確かにね。そう報告するしかないわ」
「でも、それでは、修道院長殿のプラスポイントにはなりません。彼女が大いに反省した上で、良き改革案を示し、ベアトリス様が大いに気に入り、しばらくは、このラパン修道院において、修業したいと身をもって感じた。そうご報告でおっしゃって頂ければ、修道院長殿は高貴な方々に対し、おぼえめでたくもなるでしょう。そして、花嫁修業志願の女子達もこぞって当院へ来るでしょう」
「すらすら」としゃべるロゼールの言葉をじっと聞いていたベアトリス。
「うふふ、ロゼール」
「はい」
「凄い『武辺者』だとは思っていたけれど、貴女、相当な『切れ者』ね。……分かった。改革案を練って、ともに修道院長の下へ行きましょう」
ロゼールの話を聞いたベアトリスは、笑顔で満足そうに頷いていたのである。
強靭な女傑とうたわれた元騎士ロゼール・ブランシュと、
恐るべき『オーガスレイヤー』と噂された公爵家令嬢ベアトリス・ドラーゼ。
奇妙な組み合わせといえるふたりの『花嫁修業』『行儀見習い』が始まった。
ロゼールとベアトリスは、いがみ合う事もなく一緒に自然に修業していた。
元々ロゼールは騎士隊では、少し爵位が上の相手でもフレンドリーに接していた。
だが、さすがに王族に準ずる、上級貴族公爵令嬢ベアトリスに対して、そうはいかない。
自然と感情を表に出さず淡々となる。
そういう作法を身につけていた。
さてさて!
教育係のシスター、ジズレーヌこと、
元・子爵夫人ジスレーヌ・オーブリーからいろいろと手ほどきを受け……
初日、2日目こそ、従来の「かっちりした予定」を、
何とかこなしたロゼールとベアトリスであったが……
3日目になって、ベアトリスは「ぶーぶー」不満を漏らし始めた。
規則正しい生活に慣れたロゼールでさえ、思い悩んで『脱走』しようとしたのに……
自由奔放に生きて来たベアトリスに、そんな堅い生活は我慢が出来るわけがなかったのだ。
朝食後、午前8時過ぎ……
修道院専用の農場で草むしりをするロゼールとベアトリス。
ベアトリスが草むしりをしながら話しかける。
「ねえ、ロゼ」
同じく、草むしりをしながらロゼールが応える。
「あの、その愛称は、いかがなものかと……私はベアトリス様から、ロゼールと呼んで頂きたいのですが」
「ぶうぶう! いいじゃない! 私が貴女をロゼって愛称で呼んでも! あと、必要以上の敬語もナシにしてね!」
ぶうたれるベアトリスを見て、ロゼールは無表情のまま、大きく息を吐く。
「ふう……ご命令であれば致し方ありません……かしこまり……いえ、分かりました。……何でしょう? ベアトリス様」
作法に基づき、いんぎんに言うロゼール。
対して、ベアトリスのいらいらがつのる。
彼女は身分の差を超えて、同じ匂いを持つ?ロゼールと仲良くしたいらしい。
「もう! ベアトリスって! 何言ってるの、ロゼは! ダメじゃない! 私をそんな呼び方しちゃ!」
「と、申されましても」
「いい? 私の事はベアトリスではなく! 愛称のベアーテで呼びなさい!」
「いえ、それはご命令といえど、出来ません。拒否させて頂きます。そのフレンドリーな、お呼びの仕方はちょっと……」
「ちょっと? 何故よ!」
「私はベアトリス様を親しくお呼び出来る、お身内ではありませんから」
「あ~! ひっど~い! 私の身内じゃないって、ロゼったら! すっごく冷たい言い方あ!」
「まぎれもない事実ですから。私は男爵の娘で身分も低いですし」
「構わないわよ! 私は気にしないから」
「いえ、私が気に致します。王族に準ずる血筋の、高貴な公爵家令嬢のベアトリス様と私は、単に師を同じくする『花嫁修業仲間』に過ぎません」
「何それ! 超つっめた~い!」
「それより……あのベアトリス様……何か、私へおっしゃりたい事がおありなのでは? 本題に戻りませんか?」
「ぶ~! ……もう! 仕方がない。ロゼも初日に脱走を考えたこの修道院の暮らしの事よ!」
「ええっと、まだ、たった2日経っただけですよ」
「いやっ! 起床時間が朝の4時なんて早すぎる! 草むしりなんて、すぐ飽きる! 食事の量が少なすぎる! 家事なんて、ウチの使用人がやるのに覚える必要がなさすぎる! 武道の鍛錬が出来なさすぎる! もうこれ以上、耐えられないっ! 今のスケジュールと方法で花嫁修業はお断りよ!」
「ふうう……根気と、忍耐力が著しく欠けていますね、ベアトリス様は」
「あ~! そんな事言えるの、ロゼは!」
「はい? 何の事でしょうか?」
「とぼけないで! ロゼ! 貴女はね、いきなり初日で嫌になり脱走しようとしていたから、2日間我慢してぶーぶー言う、私の事は責められないでしょ!」
「ええっと……それはもう、きっちりと封印した『黒歴史』です。それよりここの生活に耐えられないですか? ご自宅へお帰りになりますか?」
「いやよ! 絶対に帰らないわ! 父上に大見え張って出て来たんだも~ん! 教皇様や枢機卿様にも、『私に全て任せて』って言って来たんだも~ん!」
「ええっと……ベアトリス様と高貴な方々とのやりとりは、私に知る由もなく、関係もなく、知りたくもありませんが」
「もう! 何よ、それ! 本当にロゼはつっめた~い! ここでの暮らし、どうにかしてよぉ!」
淡々とした物言いのロゼールに、ベアトリスは地団太を踏んだ。
ロゼールは苦笑し、肩をすくめると、
「はあ……仕方がないですね。ベアトリス様、私にひとつ考えがあります。以前から検討してはいましたが」
「考え? 何? ロゼは以前から検討していたの?」
「はい、ダメもとで修道院長殿へ『改革』をかけあいましょう」
「修道院長へ『改革』をかけあう? ……多分ダメじゃない? あの人頭が固そうだから」
「確かに」
「それにロゼは、私が権力や権限で押し通すのが嫌いでしょ?」
「いえ、嫌いとかではなく、持てる者はそれを正しく、筋を通して使うのが責務かと存じます」
「何それ? ノブレスオブリージユって事?」
「はい、そうとって頂ければ……で、話を戻しますと、修道院長殿へ、ベアトリス様から、改革のご提案を致しましょう」
「ふうん……ロゼは、そういうのかかわりたくないんでしょ?」
「はい、基本的には。しかし先ほど、ここでの暮らし、どうにかしてよぉ! というベアトリス様の願いをお聞きし、私が受けた修道院長への恩を鑑みて、改革案を提案するのはやぶさかではありません」
「ふううん……で、どう言うの?」
「……逆にベアトリス様が、高貴な方々にどのようにご報告されるかです」
「私が?」
「ええ、このままでは、数多の女子がリタイアした件に関し、単に修道院長殿が猛反省され、悔い改めたという事実でしかありませんよ」
「まあ、確かにね。そう報告するしかないわ」
「でも、それでは、修道院長殿のプラスポイントにはなりません。彼女が大いに反省した上で、良き改革案を示し、ベアトリス様が大いに気に入り、しばらくは、このラパン修道院において、修業したいと身をもって感じた。そうご報告でおっしゃって頂ければ、修道院長殿は高貴な方々に対し、おぼえめでたくもなるでしょう。そして、花嫁修業志願の女子達もこぞって当院へ来るでしょう」
「すらすら」としゃべるロゼールの言葉をじっと聞いていたベアトリス。
「うふふ、ロゼール」
「はい」
「凄い『武辺者』だとは思っていたけれど、貴女、相当な『切れ者』ね。……分かった。改革案を練って、ともに修道院長の下へ行きましょう」
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