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第146話「意外な事実」
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リョースアールヴではなく、呪われた子……
俺はアマンダさんの言っている意味が理解出来なかった。
『呪われた子って……俺から見ればアマンダさんは天使そのものですよ』
『ありがとうございます! トール様の仰っている事が嘘ではないって分かりますよ。念話って……便利ですね……』
アマンダさんは最初は嬉しそうに礼を言ったが、だんだん声が悲しそうになり、ついには黙り込んでしまう。
暫し、重苦しい沈黙が漂う中、このままではいけないと俺は考え、話を最初に戻す事にした。
しかし俺が話そうとした瞬間、アマンダさんの瞳が合点がいったとばかりに輝いた。
『そうか! 分かりました! スパイラル様は私みたいな不吉で呪われた子を助けて下さるという意味で啓示を下さった! すなわち使徒であるトール様に託そうとされたのですね』
へ!?
何という解釈!
とんでもない曲解。
俺にとっては本当に都合が良い展開だが、このままじゃあいけません!
いきなり神様の命令で娶って下さいなんて、何か夢がないじゃないか。
お互い愛し合うのが一番ですって!
だから俺は先に告白する事にしたのだ。
『アマンダさん、俺にもあったよ、偉大な神様の啓示がね』
『え? トール様にもですか?』
ああ、ドキッとする。
アマンダさんが、可愛らしく首を傾げたから。
ジュリアや他の嫁ズもそうだが、俺って女性のこの仕草に弱いみたいだ。
俺は続けて話そうとしたが、少し動揺して思わず噛んでしまった。
だって言い方が難しい。
よっし、こうだ。
『あ、ああ、そうさ。アマンダさんはお前の好みの娘だからお前から好きと言って付き合ってみなさいって』
『好みって? 私がトール様の?』
『どストライクです!』
『? ……それって意味が分かりませんが?』
確かに、ストライク! って言っても異世界では通じないか。
俺はもっと分かり易く、ストレートにアマンダさんへ伝える事にした。
『女性として大好きなタイプって事! アマンダさんさえよければ、俺の方からお付き合いをお願いしたいって事だよ』
俺の告白にアマンダさんは驚いた。
多分彼女は神様の啓示により、俺に嫁ぐという使命感に燃えていたのだろう……
でもそんなの真っ平御免!
アマンダさんには俺の事を本当に好きになって欲しいから。
そんな俺の思いはさて置き、アマンダさんは口を手で覆ってしまう。
これは吃驚した時の仕草だろう。
『う、嘘!?』
嘘じゃあないんです!
俺の好みなんです!
どストライクなんです!
勝負の時と心得た俺は、ここぞとばかりに言い切った。
『本当の本当です!』
俺ごときの告白を聞いて、冷静なアマンダさんが珍しく動揺している。
今迄数え切れない男が彼女に愛の告白をしているだろうに……
今更、何故? って感じだ。
『ま、待って下さい! 私がトール様にお仕えするのをお決めになる前に私の素性を聞いて頂けますか?』
はぁ?
俺に仕えるって?
そんな大層な存在じゃあないけど……
神の使徒である俺と気軽に付き合うなんてアマンダさんからしたら言えないのだろう。
それにしてもアマンダさんの素性って?
前にも言ったが魔力波を読めばすぐ分かるけど、そんなの興醒めするからね。
俺は敢えて魔力波読みを使っていないのだ。
アマンダさんは深呼吸して息を整えている。
そんなに気合を入れて告白するなんて、一体どのような事だろう?
数回深呼吸したアマンダさんは、頃合と見たのか、一気に言い放った。
『こ、告白致します! わ、わ、私は……リョースアールヴの父とデックアールヴの母の間に生まれたハーフなのです』
ハーフ?
いまいちピンと来ないけど……
『ふ~ん、それってまずい事なの?』
『ト、トール様は! ご、ご存知ないのですか!? 昔からアールヴの掟において普通は生きることさえ認められない不吉で呪われた不義の子として国を追放されるのですよ』
はぁ!?
何、それ!
でも俺の中で疑問が湧き上がる。
アマンダさんはそう言うが、実際に街を追放などされていないし、宿屋の女将として暮らすのは、そんなに辛い生活でもなさそうである。
『でもアマンダさんは、この白鳥亭で女将として働く普通の生活をしていたじゃあないですか?』
俺のみならず誰でも不思議に思う事を聞くと、アマンダさんは苦笑した。
『私がこうして自分の宿を持って何とか暮らせたのも父の力です。街の人が好意的に見てくれるのも私に父の風貌が色濃く出たお陰なのです』
父?
お父さん?
『はい、私の父はアールヴのソウェルの一族であるマティアス・エイルトヴァーラ。フレデリカ様は腹違いの妹なのです』
はぁぁっ!?
な、な、何ですとぉ!!!
俺は驚きの余り、口をあんぐり開けたまま、阿呆のようにアマンダさんを見つめていたのであった。
俺はアマンダさんの言っている意味が理解出来なかった。
『呪われた子って……俺から見ればアマンダさんは天使そのものですよ』
『ありがとうございます! トール様の仰っている事が嘘ではないって分かりますよ。念話って……便利ですね……』
アマンダさんは最初は嬉しそうに礼を言ったが、だんだん声が悲しそうになり、ついには黙り込んでしまう。
暫し、重苦しい沈黙が漂う中、このままではいけないと俺は考え、話を最初に戻す事にした。
しかし俺が話そうとした瞬間、アマンダさんの瞳が合点がいったとばかりに輝いた。
『そうか! 分かりました! スパイラル様は私みたいな不吉で呪われた子を助けて下さるという意味で啓示を下さった! すなわち使徒であるトール様に託そうとされたのですね』
へ!?
何という解釈!
とんでもない曲解。
俺にとっては本当に都合が良い展開だが、このままじゃあいけません!
いきなり神様の命令で娶って下さいなんて、何か夢がないじゃないか。
お互い愛し合うのが一番ですって!
だから俺は先に告白する事にしたのだ。
『アマンダさん、俺にもあったよ、偉大な神様の啓示がね』
『え? トール様にもですか?』
ああ、ドキッとする。
アマンダさんが、可愛らしく首を傾げたから。
ジュリアや他の嫁ズもそうだが、俺って女性のこの仕草に弱いみたいだ。
俺は続けて話そうとしたが、少し動揺して思わず噛んでしまった。
だって言い方が難しい。
よっし、こうだ。
『あ、ああ、そうさ。アマンダさんはお前の好みの娘だからお前から好きと言って付き合ってみなさいって』
『好みって? 私がトール様の?』
『どストライクです!』
『? ……それって意味が分かりませんが?』
確かに、ストライク! って言っても異世界では通じないか。
俺はもっと分かり易く、ストレートにアマンダさんへ伝える事にした。
『女性として大好きなタイプって事! アマンダさんさえよければ、俺の方からお付き合いをお願いしたいって事だよ』
俺の告白にアマンダさんは驚いた。
多分彼女は神様の啓示により、俺に嫁ぐという使命感に燃えていたのだろう……
でもそんなの真っ平御免!
アマンダさんには俺の事を本当に好きになって欲しいから。
そんな俺の思いはさて置き、アマンダさんは口を手で覆ってしまう。
これは吃驚した時の仕草だろう。
『う、嘘!?』
嘘じゃあないんです!
俺の好みなんです!
どストライクなんです!
勝負の時と心得た俺は、ここぞとばかりに言い切った。
『本当の本当です!』
俺ごときの告白を聞いて、冷静なアマンダさんが珍しく動揺している。
今迄数え切れない男が彼女に愛の告白をしているだろうに……
今更、何故? って感じだ。
『ま、待って下さい! 私がトール様にお仕えするのをお決めになる前に私の素性を聞いて頂けますか?』
はぁ?
俺に仕えるって?
そんな大層な存在じゃあないけど……
神の使徒である俺と気軽に付き合うなんてアマンダさんからしたら言えないのだろう。
それにしてもアマンダさんの素性って?
前にも言ったが魔力波を読めばすぐ分かるけど、そんなの興醒めするからね。
俺は敢えて魔力波読みを使っていないのだ。
アマンダさんは深呼吸して息を整えている。
そんなに気合を入れて告白するなんて、一体どのような事だろう?
数回深呼吸したアマンダさんは、頃合と見たのか、一気に言い放った。
『こ、告白致します! わ、わ、私は……リョースアールヴの父とデックアールヴの母の間に生まれたハーフなのです』
ハーフ?
いまいちピンと来ないけど……
『ふ~ん、それってまずい事なの?』
『ト、トール様は! ご、ご存知ないのですか!? 昔からアールヴの掟において普通は生きることさえ認められない不吉で呪われた不義の子として国を追放されるのですよ』
はぁ!?
何、それ!
でも俺の中で疑問が湧き上がる。
アマンダさんはそう言うが、実際に街を追放などされていないし、宿屋の女将として暮らすのは、そんなに辛い生活でもなさそうである。
『でもアマンダさんは、この白鳥亭で女将として働く普通の生活をしていたじゃあないですか?』
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『私がこうして自分の宿を持って何とか暮らせたのも父の力です。街の人が好意的に見てくれるのも私に父の風貌が色濃く出たお陰なのです』
父?
お父さん?
『はい、私の父はアールヴのソウェルの一族であるマティアス・エイルトヴァーラ。フレデリカ様は腹違いの妹なのです』
はぁぁっ!?
な、な、何ですとぉ!!!
俺は驚きの余り、口をあんぐり開けたまま、阿呆のようにアマンダさんを見つめていたのであった。
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