真☆中二病ハーレムブローカー、俺は異世界を駆け巡る

東導 号

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第78話「骸骨戦士」

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 俺達は迷宮の地下4階を歩いて行く。
 目的は当然、最下層地下5階への階段だ。 

 やがて……
 俺達は最初の敵に遭遇する。
 この階で初めて出会った敵は、不死者アンデッドの一種であるスケルトンウォリアーであった。

 数は計4体。
 予想通りだが……やはり骸骨が武器を持っているだけの姿だ。

 俺達を見付けたスケルトンウォリアーは最初はぎくしゃくした動きで近付いて来た。
 だが、だんだんこなれて来て動きが鋭くなっている。

「トール……お前の力を試してみろ」

 アモンの声に押し出されて、俺は足を前に踏み出した。
 
 クランの先頭に居る不慣れそうな俺を、組し易しと思ったのか骸骨が笑う。
 肉が全く無い骸骨が笑うなど変と言われるかもしれない。
 奴には表情など作れない筈なのだから……
 
 だけど笑った。
 不気味な骸骨が、唇の無い口をカタカタと動かして確かに笑ったのだ。
 奴等が笑うのを見て俺は怖れるどころか、逆に闘志が湧き上がる。

 俺をシロウトだと思ってるなぁ……
 畜生!
 舐めるなよぉ。
 しかし骨ばかりで急所が分らない。
 まあ、良いや……ただ倒すだけだ。

 俺は思い切り息を吐き出すと魔剣を抜き、骸骨の群れに飛び込んで行った。
 早速改造チート能力が働いたのだろう。
 骸骨共の動きが途端に遅くなる。

 スケルトンウォリアーにはそれぞれ個体差がある。
 能力差と言っても良いだろう。
 
 良く見れば体格も様々で持っている武器も違っている。
 これは奴等が生きていた、前世のキャリアのせいだろうか?
 先頭に居る奴がそこそこ長いスピアを振りかざす。

 リーチがある武器なので相手が強ければ遠距離からの攻撃で圧倒されるが、相手の動きは鈍く、はっきり言ってスロ-モーだ。
 そもそも俺の速度について行けていない。
 
 俺は難なく魔剣で槍の柄を跳ね上げると、骸骨の首をあっさりと刎ね飛ばしたのである。
 脳や心臓が無くても、首を無くしたスケルトンウォリアーは呆気なかった。
 まるで糸が切れた人形のように崩れ落ちたのである。

 しかし俺がホッとしたのも束の間……

 ぎしぃ……
 骨が軋む音がして、いつの間にか残りのスケルトンウォリアー達が背後に忍び寄っていた。
 奴等は間を置かず俺に向かって一斉に襲い掛かって来る。

 次の敵はロングソードを持った剣士。
 
 さっきの槍の戦士よりは身体の捌きが若干素早い!
 だが……ほんのちょっと速いだけだ。
 俺は斬撃を難なくかわし、相手の首を刎ね飛ばす。
 骸骨の首がまたも転がり、残された胴が崩れ落ちた。
 
 メイスを持った骸骨も同様である。
 俺の頭を粉砕しようと頭に振り下ろそうとしたメイスを掴み、思い切り蹴り飛ばすと骸骨野郎は迷宮の壁にぶつかり、粉々に散らばった。

 残った最後の敵は骸骨の癖に巨大なクレイモアを持った大柄な骸骨戦士。
 まるでアモンが骸骨になった姿である。

 戦ってみて分かったが、こいつの実力は今迄戦った骸骨に比べて抜きん出ていた。
 骨だけの身体のどこに、このような膂力りょりょくがあるのか分からないが、今迄のスケルトンウォリアーとは段違いのパワーと速度で攻撃して来る。
 
 さすがの俺もこれまでのように簡単にはいかなかった。
 まずは相手の動きを見極める事に徹する。
 結構な速度で繰り出して来る斬撃をかわすだけにした。
 そのうちに俺は気付く。
 相手の攻撃パターンが『一定』だけなのに。
 
 やはり生身の敵と不死者アンデッドは根本的に違うらしい。
 それしか記憶が無いのか、それとも彼を操る邪悪な存在が限られたパターンしかプログラミング出来ないのか。
 全く不明だが、奴は決まった攻撃しか出来ないのだ。
 
 こうなれば「しめた!」ものである。
 俺が攻撃を仕掛ければ、奴はそれなりに『受け』の対応をするが、反面あちらからの攻撃はまるでワンパターン。
 だから、攻撃の後に出来るその一瞬の隙を突けば良い。

 俺は相手の攻撃の後で、狙いすますように頭蓋骨の額へ突きを入れて粉砕する。  すると相手は今迄の骸骨と同じ様に、崩れ落ちたのであった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「ふむ……まあまあと言った所だな」

 そう言いながらアモンの口角は少し上がっている。
 少しは機嫌が良いみたいだ。
 俺の戦いぶりが、一応は合格ということだろうか?

「強いよ、トール!」
「頼もしいよ、トール」 

 アモンから合格を出して貰えなくても、OK!
 嫁ズは凄く褒めてくれたので、俺は気持ち的には全然ダメージを受けない。

 その時であった。
 俺は迫り来る気配を感じる。
 今迄の敵とはけた違いの迫力。
 巨大な影が3体……
 これは?

 新たな敵を察知したアモンが、鼻で笑う

「ふん……どうやら人喰い鬼オーガのようだな。ここでの戦いの波動を感じて何か獲物が無いかと探しに来たのか……ようし、今度はクラン全員で戦ってみよう」

 アモンの言葉に頷いた俺達は、人喰い鬼オーガ達が現れるのを待って身構えたのであった。
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