18 / 205
第18話「駆け引きって凄い」
しおりを挟む
やっと話が見えて来た。
ジュリアも賢者の石が盗品じゃないと知って安心したようだ。
なので、俺はモーリスに対して素直に代金を渡そうとした。
数百万アウルムする賢者の石がたった8,000アウルムならやっすい。
「トール、ちょっと待って!」
何故か、ジュリアに支払いを止められる。
何だろう?
まだ何か、あるのかな?
ジュリアは首を横に振っている。
「ここでまともに買うのは素人よ。良い? 見ててね」
まともに買うのは素人?
何、それ?
俺が首を傾げると、モーリスもまるで投球を受けるキャッチャーのような表情をしている。
よっしゃ来いって感じだ。
「おっ! 来たな、ジュリア」
ジュリアは、どうやら商人にとってはお約束の『金額交渉』をするらしい。
基本的には値引きの要求をするのだろう。
モーリスの方も商売を邪魔されて怒るかと思いきや、逆にとても嬉しそうである。
「良い? おっちゃん! トールの買った『賢者の石』に治癒草の束と柘榴石の都合3つで10,000アウルム払うよ! どうかしら?」
ジュリアが威勢良く値段を提示するが、10,000アウルムとは思い切り値切った金額提示だ。
だって『賢者の石』だけで数百万アウルムだよ?
他の商品ふたつだって最低でも8,000アウルムはするとしたら、最低でも16,000アウルムの金額に達してしまう。
案の定、モーリスは顔を顰めて手を横に振った。
「おいおいそれは酷すぎる。他のふたつだって8,000アウルムはすると言った商品だぞ。纏めて売ってやっても良いが、もう少し金を積んでくれよ」
「ふうん、どれくらい?」
「よし、こっちの言い値を聞いてくれ。トールが買った賢者の石はお祝い扱いだから特値で良いとしても……残りの商品ふたつを合わせて都合3つ20,000アウルムは欲しいよ」
おお、賢者の石プラス16,000アウルム相当の商品が3つで20,000アウルム?
じゃあ賢者の石が4,000アウルムって事?
確かにすっごく安い!
これは充分に『買い』だと思うけど……
しかし、ジュリアがOKする気配は全く無い。
「ええっ、駄目よ! 高~い! まだ高過ぎるわ。 でもモーリスが錬金術の事とか、色々教えてくれたから……11,000アウルムまでなら思い切って出すよ」
ジュリアがさっと小さな可愛い手を差し出し、モーリスに握手しろとアピールする。
どうやら双方が握手をした瞬間が契約成立の確定らしい。
「思い切って11,000!? ひょえっ! それじゃあ話にならんよ、せめて18,000アウルムだな」
ジュリアの値付けに大袈裟に驚いて苦笑するモーリスではあるが、即座に反撃する。
次に彼が出した値段は最初の提示から少し値引きした15,000アウルムだ。
自分の言い値と大幅に差がある金額を再提示されたジュリアも全く怯んではいない。
「15,000? まだ全然高いわね。何よ、纏めて買うから良いじゃない。間を取って12,000アウルム!」
ジュリアの言い値にモーリスは相変わらず苦笑する。
「間どころか、殆ど金額が変わっていないじゃないか。じゃあ俺が本当に間を取って13,000アウルム!」
「無理! 12,000アウルム以上は絶対に上げられないわ。じゃあ……ねえ、こうしない? この後、旅の支度用で追加の買い物をするからさ」
「う~ん……そう来たか! う~む、仕方無いな。じゃあ12,000アウルムで良いよ」
モーリスが何とか承諾し、とうとう商談成立である。
その瞬間、ジュリアとモーリスはがっちりと握手をしたのだった。
俺は目の前で展開された値段交渉に呆然としている。
買い手と売り手のGAMEのような駆け引き。
仲買人を目指す俺は、こんな駆け引きが出来るのだろうか?
ね、ねえ、スパイラル様! 口の上手さと押しの強さって、頂いた加護の中に入っていないんですか?
俺は思わずそう呟いて天を仰いでしまったのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺とジュリアは約束通り、この『モーリスの店』でジェトレ村までの旅に必要な物を買い求める。
万屋だけあってモーリスは食料品、日用雑貨の他に薬品や武器防具屋まで扱っていたのだ。
食料品や水筒などを買いながら、ジュリアの服装を見て思い出した俺は改めて彼女の装備品を購入したいと申し出た。
何せジュリアときたら最低限身を護る革鎧も持っておらず、武器といえば錆びたナイフ一丁だったからだ。
これで良くあの危険な街道を今迄旅して来たものである。
一旦は「要らないよ」とジュリアは断わったが、俺が心配だと強く推して買わせた。
幸い店の限られた在庫の中に女性用の革鎧があり、何故かサイズもデザインの好みもジュリアにぴったりであったから直ぐ購入が決まったのである。
武器は、新品の小振りのナイフがあったのでそれにした。
こうなると問題は価格である。
しかし革鎧やナイフをもろもろ一緒に買うと主張して、先に買い物した11,000アウルムの分も合わせてジュリアは総合計50,000アウルムに負けさせてしまう。
恐るべしジュリア。
モーリスによれば、革鎧だけで本来は10万アウルムもする品物らしい。
「大損だよ」と肩を竦めて、嘆くモーリスである。
だが、モーリスの本音は違っていた。
俺達に売ったのはひょんな事から店で買い取り、ここまで売れずに持て余していた女物の革鎧だったらしい……
こんな物はさっさと売り払って店の運転資金の現金にした方が良いという彼の気持ちが魔力波により垣間見えていたのである。
え?
何故、どの魔力波が何に当るか分からない俺がそこまで識別出来るか、だって?
それは俺の例の勘というか、いわゆる確信が益々強く感じられるようになって来たからなのだ。
モーリスから放出されて立ち昇る魔力波を見てそう感じたのである。
ありがとう、俺のチート能力!
ここでジュリアは俺が出そうとした金を押し留め、何と自分で貯めた金を支払いに差し出した。
俺が驚いて聞くと自分の鎧やナイフを買うから自分で出すのが当り前だと強く言い張るのだ。
ええっ!
普通はラッキーとか言って、男の俺に出して貰うものだけど。
前世では今迄接した女の子達って、奢られる事に対して全く遠慮をしなかった子ばかりである。
俺はジュリアに対して新鮮な驚きを感じながら、彼女が金を支払う様子を眺めていたのであった。
ジュリアも賢者の石が盗品じゃないと知って安心したようだ。
なので、俺はモーリスに対して素直に代金を渡そうとした。
数百万アウルムする賢者の石がたった8,000アウルムならやっすい。
「トール、ちょっと待って!」
何故か、ジュリアに支払いを止められる。
何だろう?
まだ何か、あるのかな?
ジュリアは首を横に振っている。
「ここでまともに買うのは素人よ。良い? 見ててね」
まともに買うのは素人?
何、それ?
俺が首を傾げると、モーリスもまるで投球を受けるキャッチャーのような表情をしている。
よっしゃ来いって感じだ。
「おっ! 来たな、ジュリア」
ジュリアは、どうやら商人にとってはお約束の『金額交渉』をするらしい。
基本的には値引きの要求をするのだろう。
モーリスの方も商売を邪魔されて怒るかと思いきや、逆にとても嬉しそうである。
「良い? おっちゃん! トールの買った『賢者の石』に治癒草の束と柘榴石の都合3つで10,000アウルム払うよ! どうかしら?」
ジュリアが威勢良く値段を提示するが、10,000アウルムとは思い切り値切った金額提示だ。
だって『賢者の石』だけで数百万アウルムだよ?
他の商品ふたつだって最低でも8,000アウルムはするとしたら、最低でも16,000アウルムの金額に達してしまう。
案の定、モーリスは顔を顰めて手を横に振った。
「おいおいそれは酷すぎる。他のふたつだって8,000アウルムはすると言った商品だぞ。纏めて売ってやっても良いが、もう少し金を積んでくれよ」
「ふうん、どれくらい?」
「よし、こっちの言い値を聞いてくれ。トールが買った賢者の石はお祝い扱いだから特値で良いとしても……残りの商品ふたつを合わせて都合3つ20,000アウルムは欲しいよ」
おお、賢者の石プラス16,000アウルム相当の商品が3つで20,000アウルム?
じゃあ賢者の石が4,000アウルムって事?
確かにすっごく安い!
これは充分に『買い』だと思うけど……
しかし、ジュリアがOKする気配は全く無い。
「ええっ、駄目よ! 高~い! まだ高過ぎるわ。 でもモーリスが錬金術の事とか、色々教えてくれたから……11,000アウルムまでなら思い切って出すよ」
ジュリアがさっと小さな可愛い手を差し出し、モーリスに握手しろとアピールする。
どうやら双方が握手をした瞬間が契約成立の確定らしい。
「思い切って11,000!? ひょえっ! それじゃあ話にならんよ、せめて18,000アウルムだな」
ジュリアの値付けに大袈裟に驚いて苦笑するモーリスではあるが、即座に反撃する。
次に彼が出した値段は最初の提示から少し値引きした15,000アウルムだ。
自分の言い値と大幅に差がある金額を再提示されたジュリアも全く怯んではいない。
「15,000? まだ全然高いわね。何よ、纏めて買うから良いじゃない。間を取って12,000アウルム!」
ジュリアの言い値にモーリスは相変わらず苦笑する。
「間どころか、殆ど金額が変わっていないじゃないか。じゃあ俺が本当に間を取って13,000アウルム!」
「無理! 12,000アウルム以上は絶対に上げられないわ。じゃあ……ねえ、こうしない? この後、旅の支度用で追加の買い物をするからさ」
「う~ん……そう来たか! う~む、仕方無いな。じゃあ12,000アウルムで良いよ」
モーリスが何とか承諾し、とうとう商談成立である。
その瞬間、ジュリアとモーリスはがっちりと握手をしたのだった。
俺は目の前で展開された値段交渉に呆然としている。
買い手と売り手のGAMEのような駆け引き。
仲買人を目指す俺は、こんな駆け引きが出来るのだろうか?
ね、ねえ、スパイラル様! 口の上手さと押しの強さって、頂いた加護の中に入っていないんですか?
俺は思わずそう呟いて天を仰いでしまったのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺とジュリアは約束通り、この『モーリスの店』でジェトレ村までの旅に必要な物を買い求める。
万屋だけあってモーリスは食料品、日用雑貨の他に薬品や武器防具屋まで扱っていたのだ。
食料品や水筒などを買いながら、ジュリアの服装を見て思い出した俺は改めて彼女の装備品を購入したいと申し出た。
何せジュリアときたら最低限身を護る革鎧も持っておらず、武器といえば錆びたナイフ一丁だったからだ。
これで良くあの危険な街道を今迄旅して来たものである。
一旦は「要らないよ」とジュリアは断わったが、俺が心配だと強く推して買わせた。
幸い店の限られた在庫の中に女性用の革鎧があり、何故かサイズもデザインの好みもジュリアにぴったりであったから直ぐ購入が決まったのである。
武器は、新品の小振りのナイフがあったのでそれにした。
こうなると問題は価格である。
しかし革鎧やナイフをもろもろ一緒に買うと主張して、先に買い物した11,000アウルムの分も合わせてジュリアは総合計50,000アウルムに負けさせてしまう。
恐るべしジュリア。
モーリスによれば、革鎧だけで本来は10万アウルムもする品物らしい。
「大損だよ」と肩を竦めて、嘆くモーリスである。
だが、モーリスの本音は違っていた。
俺達に売ったのはひょんな事から店で買い取り、ここまで売れずに持て余していた女物の革鎧だったらしい……
こんな物はさっさと売り払って店の運転資金の現金にした方が良いという彼の気持ちが魔力波により垣間見えていたのである。
え?
何故、どの魔力波が何に当るか分からない俺がそこまで識別出来るか、だって?
それは俺の例の勘というか、いわゆる確信が益々強く感じられるようになって来たからなのだ。
モーリスから放出されて立ち昇る魔力波を見てそう感じたのである。
ありがとう、俺のチート能力!
ここでジュリアは俺が出そうとした金を押し留め、何と自分で貯めた金を支払いに差し出した。
俺が驚いて聞くと自分の鎧やナイフを買うから自分で出すのが当り前だと強く言い張るのだ。
ええっ!
普通はラッキーとか言って、男の俺に出して貰うものだけど。
前世では今迄接した女の子達って、奢られる事に対して全く遠慮をしなかった子ばかりである。
俺はジュリアに対して新鮮な驚きを感じながら、彼女が金を支払う様子を眺めていたのであった。
0
お気に入りに追加
284
あなたにおすすめの小説

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

同級生の女の子を交通事故から庇って異世界転生したけどその子と会えるようです
砂糖琉
ファンタジー
俺は楽しみにしていることがあった。
それはある人と話すことだ。
「おはよう、優翔くん」
「おはよう、涼香さん」
「もしかして昨日も夜更かししてたの? 目の下クマができてるよ?」
「昨日ちょっと寝れなくてさ」
「何かあったら私に相談してね?」
「うん、絶対する」
この時間がずっと続けばいいと思った。
だけどそれが続くことはなかった。
ある日、学校の行き道で彼女を見つける。
見ていると横からトラックが走ってくる。
俺はそれを見た瞬間に走り出した。
大切な人を守れるなら後悔などない。
神から貰った『コピー』のスキルでたくさんの人を救う物語。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる