156 / 160
第156話「王都へ!」
しおりを挟む
善は急げ!とばかりに……
シモンは移住を決意した母マリアンヌの、『王都への引っ越し』を進める。
「さあ、ちゃちゃっと、やっちゃうぞ、まずは荷造りだな」
手伝いを申し出たエステルとクラウディアの婚約者ふたりに、待機していたジュリエッタ、アンヌ、リゼットも呼び戻されて加わり、全員で作業。
「整理整頓は王都へ戻ってから!」という事で、とりあえず家財道具をまとめた。
「ほいっと!」
シモンは、自作の魔法収納腕輪へ実家の荷物をどんどん放り込む。
腕輪の効力を知らない母マリアンヌ、同じくクラウディア、アンヌ、リゼットが驚く中……室内は、あっという間に空っぽとなった。
「さあ、立つ鳥跡を濁さず。隅々まで掃除しよう」
という事で、全員で室内を掃除。
掃除が完了したら、近所への挨拶である。
母マリアンヌは、あまり近所づきあいをしていない。
父が失踪してからは尚更であった。
お隣さんと、仕事絡みの限られた数人が開いてなので周囲への挨拶はすぐに終わった。
皆、久しぶりに帰郷したシモンの変貌と美しいふたりの婚約者と同行者達に、
とても驚いていた。
一行は帰宅。
マリアンヌは長年住んだ家を感慨深く見つめてから、
「シモン」
「何だい、オフクロ」
「もう二度と戻らないかもしれないし、馬車でこのプリンキピウムを一周したいんだけど」
「了解! オフクロの言う通りだ。嬉しい事も、哀しくて辛い事も、いろいろあったけれど、思い出が詰まった俺の生まれ故郷だ。俺も心に風景を刻んで旅立つよ」
シモンは柔らかく微笑み、自分が生まれ育った家をマリアンヌ同様、じっと見つめた。
母に対するシモンの思いやりと気遣いに、エステル達は「ほろり」となる。
という事で、家に戸締りをしてから、シモン達は出発した。
御者を姉と交代したアンヌが御す馬車で、プリンキピウムの各所をゆっくりと走る。
後方からは、ジュリエッタが騎馬で続く。
シモンとマリアンヌは勿論、エステルとクラウディアも、愛する想い人が生まれ育った町を、馬車の車窓から感慨深く見つめていた。
約1時間と少しかけて、プリンキピウムを一周したシモン達は、町長宅へ。
改めて母とともに丁寧に挨拶をし、深く礼を告げ、町営住宅のカギを返却した。
そして、しばし話した後で、町長宅を辞去。
王都へ向け、旅立ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
帰りの旅も順調であった。
途中、温泉宿にも寄り、食事と風呂を楽しみ、皆で旅の疲れを取り……
プリンキピウムを出立して7日後、シモン達は王都へ到着した。
シモンの母マリアンヌにとって、王都は生まれて初めてである。
マリアンヌは、まず高い街壁に囲まれた巨大な正門の威容にびっくり。
人の多さとにぎやかさにびっくり。
建物の多さにびっくりし、あちこちを眺めていた。
そして一旦、シモン宅へ寄ったが……
息子が住んでいる家の規模と豪華さにもびっくり。
ここで、シモン、エステル、クラウディア、リゼットが着替え、しばしの休憩の後、
ラクルテル公爵家邸へ……
ここでもお約束。
マリアンヌは、公爵邸の敷地の広大さと4階建ての主屋の威容にびっくり。
ようやく息子が大出世した事を実感したようである。
警護の騎士達は、シモン達の姿を見て、大喜び。
全員が既に、エステルの養子入り、シモンとエステル、クラウディアの婚約を知っていた。
なので、全員が祝福の言葉を述べる。
「「「「「お帰りなさいませ、お疲れ様でございます。そしておめでとうございます!」」」」」
温かい言葉が次々に投げかけられる中……
主屋の玄関が開き、大勢の使用人とともに、アンドリュー、ブリジットのラクルテル公爵夫妻が登場する。
名だたるドラゴンスレイヤー、そして王家に匹敵する上級貴族のオーラに、
マリアンヌは圧倒されてしまうが……
「おお、皆、良く帰って来た」
「お疲れ様でした」
アンドリュー、ブリジットはシモン達へ声をかけた後……
不安そうな様子のシモンの母マリアンヌへ挨拶する。
「お初にお目にかかります。エステルとクラウディアの父アンドリュー・ラクルテルです」
「同じく! ふたりの母で、妻のブリジット・ラクルテルです」
上級貴族とは思えない腰の低さ、気さくさに、マリアンヌは仰天。
「マ、マ、マリアンヌ・ア、アーシュでご、ございます……こ、公爵様、お、奥様……私ごとき身分が低い者へ、そ、そんな……もったいない、お、畏れ多いです」
か細い声で、やっと挨拶し、言葉を戻すマリアンヌ。
しかしラクルテル公爵夫妻は、
「畏れ多とは何をおっしゃる! マリアンヌ殿! 我がラクルテル公爵家の跡継ぎシモンを生み、立派にお育てになってくれた貴女は、我々の大事な家族ですよ」
「マリアンヌ様、夫の言う通りですわ。今後とも宜しくお願いしますね。シモンみたいに才能あふれる素晴らしい男子が、当家に『入り婿』へ来てくれるなど、本当にありがたいのですよ」
「公爵様、奥様……」
「ははははは! 気を楽にしてください。王都の勝手や貴族社会のしきたりとかは、おいおいお教え致します。だが、面倒な事は全部我々が引き受けます。ご安心ください」
「そうです。私と同じくシモン、エステル、クラウディアの母として、堂々と自由にふるまってくださいな。誰にも文句は言わせませんよ」
「そ、そんな、そんな! あ、ありがとうございます!」
長きに亘り、シモンを育て慈しみ、王都へ送り出した後も必死に生きていたマリアンヌは……
アンドリューとブリジットふたりからの温かく優しい言葉を聞き、
感極まり、号泣してしまった。
その日の晩……シモンの母マリアンヌが入り、
そして、シモンの良き理解者で上司、エステルの身内でもあるアレクサンドラ・ブランジェ伯爵も招かれ……
シモン・アーシュと、エステル・ラクルテル、クラウディア・ラクルテルの婚約内祝いの宴が、ラクルテル公爵邸で行われた。
……今まで、「王都で一緒に暮らそう」というシモンの誘いを何度も断り、
生まれ故郷プリンキピウムで独り寂しく暮らしていたマリアンヌであったが……
愛しい息子シモンに、優しく美しいふたりの伴侶が出来て、
そして新たな家族もたくさん増え、楽しくにぎやか、そして温かい優しさに包まれたひと時を過ごした。
そう、マリアンヌもまた50代半ばにして、新たな人生のリスタートを切ったのであった。
シモンは移住を決意した母マリアンヌの、『王都への引っ越し』を進める。
「さあ、ちゃちゃっと、やっちゃうぞ、まずは荷造りだな」
手伝いを申し出たエステルとクラウディアの婚約者ふたりに、待機していたジュリエッタ、アンヌ、リゼットも呼び戻されて加わり、全員で作業。
「整理整頓は王都へ戻ってから!」という事で、とりあえず家財道具をまとめた。
「ほいっと!」
シモンは、自作の魔法収納腕輪へ実家の荷物をどんどん放り込む。
腕輪の効力を知らない母マリアンヌ、同じくクラウディア、アンヌ、リゼットが驚く中……室内は、あっという間に空っぽとなった。
「さあ、立つ鳥跡を濁さず。隅々まで掃除しよう」
という事で、全員で室内を掃除。
掃除が完了したら、近所への挨拶である。
母マリアンヌは、あまり近所づきあいをしていない。
父が失踪してからは尚更であった。
お隣さんと、仕事絡みの限られた数人が開いてなので周囲への挨拶はすぐに終わった。
皆、久しぶりに帰郷したシモンの変貌と美しいふたりの婚約者と同行者達に、
とても驚いていた。
一行は帰宅。
マリアンヌは長年住んだ家を感慨深く見つめてから、
「シモン」
「何だい、オフクロ」
「もう二度と戻らないかもしれないし、馬車でこのプリンキピウムを一周したいんだけど」
「了解! オフクロの言う通りだ。嬉しい事も、哀しくて辛い事も、いろいろあったけれど、思い出が詰まった俺の生まれ故郷だ。俺も心に風景を刻んで旅立つよ」
シモンは柔らかく微笑み、自分が生まれ育った家をマリアンヌ同様、じっと見つめた。
母に対するシモンの思いやりと気遣いに、エステル達は「ほろり」となる。
という事で、家に戸締りをしてから、シモン達は出発した。
御者を姉と交代したアンヌが御す馬車で、プリンキピウムの各所をゆっくりと走る。
後方からは、ジュリエッタが騎馬で続く。
シモンとマリアンヌは勿論、エステルとクラウディアも、愛する想い人が生まれ育った町を、馬車の車窓から感慨深く見つめていた。
約1時間と少しかけて、プリンキピウムを一周したシモン達は、町長宅へ。
改めて母とともに丁寧に挨拶をし、深く礼を告げ、町営住宅のカギを返却した。
そして、しばし話した後で、町長宅を辞去。
王都へ向け、旅立ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
帰りの旅も順調であった。
途中、温泉宿にも寄り、食事と風呂を楽しみ、皆で旅の疲れを取り……
プリンキピウムを出立して7日後、シモン達は王都へ到着した。
シモンの母マリアンヌにとって、王都は生まれて初めてである。
マリアンヌは、まず高い街壁に囲まれた巨大な正門の威容にびっくり。
人の多さとにぎやかさにびっくり。
建物の多さにびっくりし、あちこちを眺めていた。
そして一旦、シモン宅へ寄ったが……
息子が住んでいる家の規模と豪華さにもびっくり。
ここで、シモン、エステル、クラウディア、リゼットが着替え、しばしの休憩の後、
ラクルテル公爵家邸へ……
ここでもお約束。
マリアンヌは、公爵邸の敷地の広大さと4階建ての主屋の威容にびっくり。
ようやく息子が大出世した事を実感したようである。
警護の騎士達は、シモン達の姿を見て、大喜び。
全員が既に、エステルの養子入り、シモンとエステル、クラウディアの婚約を知っていた。
なので、全員が祝福の言葉を述べる。
「「「「「お帰りなさいませ、お疲れ様でございます。そしておめでとうございます!」」」」」
温かい言葉が次々に投げかけられる中……
主屋の玄関が開き、大勢の使用人とともに、アンドリュー、ブリジットのラクルテル公爵夫妻が登場する。
名だたるドラゴンスレイヤー、そして王家に匹敵する上級貴族のオーラに、
マリアンヌは圧倒されてしまうが……
「おお、皆、良く帰って来た」
「お疲れ様でした」
アンドリュー、ブリジットはシモン達へ声をかけた後……
不安そうな様子のシモンの母マリアンヌへ挨拶する。
「お初にお目にかかります。エステルとクラウディアの父アンドリュー・ラクルテルです」
「同じく! ふたりの母で、妻のブリジット・ラクルテルです」
上級貴族とは思えない腰の低さ、気さくさに、マリアンヌは仰天。
「マ、マ、マリアンヌ・ア、アーシュでご、ございます……こ、公爵様、お、奥様……私ごとき身分が低い者へ、そ、そんな……もったいない、お、畏れ多いです」
か細い声で、やっと挨拶し、言葉を戻すマリアンヌ。
しかしラクルテル公爵夫妻は、
「畏れ多とは何をおっしゃる! マリアンヌ殿! 我がラクルテル公爵家の跡継ぎシモンを生み、立派にお育てになってくれた貴女は、我々の大事な家族ですよ」
「マリアンヌ様、夫の言う通りですわ。今後とも宜しくお願いしますね。シモンみたいに才能あふれる素晴らしい男子が、当家に『入り婿』へ来てくれるなど、本当にありがたいのですよ」
「公爵様、奥様……」
「ははははは! 気を楽にしてください。王都の勝手や貴族社会のしきたりとかは、おいおいお教え致します。だが、面倒な事は全部我々が引き受けます。ご安心ください」
「そうです。私と同じくシモン、エステル、クラウディアの母として、堂々と自由にふるまってくださいな。誰にも文句は言わせませんよ」
「そ、そんな、そんな! あ、ありがとうございます!」
長きに亘り、シモンを育て慈しみ、王都へ送り出した後も必死に生きていたマリアンヌは……
アンドリューとブリジットふたりからの温かく優しい言葉を聞き、
感極まり、号泣してしまった。
その日の晩……シモンの母マリアンヌが入り、
そして、シモンの良き理解者で上司、エステルの身内でもあるアレクサンドラ・ブランジェ伯爵も招かれ……
シモン・アーシュと、エステル・ラクルテル、クラウディア・ラクルテルの婚約内祝いの宴が、ラクルテル公爵邸で行われた。
……今まで、「王都で一緒に暮らそう」というシモンの誘いを何度も断り、
生まれ故郷プリンキピウムで独り寂しく暮らしていたマリアンヌであったが……
愛しい息子シモンに、優しく美しいふたりの伴侶が出来て、
そして新たな家族もたくさん増え、楽しくにぎやか、そして温かい優しさに包まれたひと時を過ごした。
そう、マリアンヌもまた50代半ばにして、新たな人生のリスタートを切ったのであった。
0
お気に入りに追加
470
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
【完結】従姉妹と婚約者と叔父さんがグルになり私を当主の座から追放し婚約破棄されましたが密かに嬉しいのは内緒です!
ジャン・幸田
恋愛
私マリーは伯爵当主の臨時代理をしていたけど、欲に駆られた叔父さんが、娘を使い婚約者を奪い婚約破棄と伯爵家からの追放を決行した!
でも私はそれでよかったのよ! なぜなら・・・家を守るよりも彼との愛を選んだから。
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
人の身にして精霊王
山外大河
ファンタジー
正しいと思ったことを見境なく行動に移してしまう高校生、瀬戸栄治は、その行動の最中に謎の少女の襲撃によって異世界へと飛ばされる。その世界は精霊と呼ばれる人間の女性と同じ形状を持つ存在が当たり前のように資源として扱われていて、それが常識となってしまっている歪んだ価値観を持つ世界だった。そんな価値観が間違っていると思った栄治は、出会った精霊を助けるために世界中を敵に回して奮闘を始める。
主人公最強系です。
厳しめでもいいので、感想お待ちしてます。
小説家になろう。カクヨムにも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる