154 / 160
第154話「故郷へ!②」
しおりを挟む
シモン帰郷の旅は天気に恵まれ、灰色狼風に擬態した魔獣ケルベロスの威圧効果もあり……
賊や魔物の襲撃等の妨害もなく……途中、様々な町で宿泊。
エステルとクラウディアにとっても思い出深い旅となった。
そんなこんなで……
予定より1日早い、6日目の朝8時に、一行はシモンの故郷小さな町プリンキピウムへ到着した。
ちなみにそのまま入ると、巨大灰色狼といえど『町は大騒ぎ』となる。
それゆえ魔獣ケルベロスは村の少し手前で『異界』へ戻してある。
さてさて!
シモンが言う通り、シモンの生まれ故郷プリンキピウムは、町と名はついても実質は村。
人口は約300人。
商店は個人経営の店がたった10店舗しかない。
住民もいわゆる『耕す者』――農民が殆ど、つまりほぼ農村である。
プリンキピウムの入り口は丸太をそのまま刺した無骨な防護策があり、粗末な詰所には門番が立っており、訪問者のチェックをしていた。
プリンキピウムの門番は町民の交代制であり……
当然ながら本業の農民も兼務する中年男である。
シモンは門番の男を憶えていたし、
門番もシモンの顔を当然ながら忘れてはいなかった。
そして門番は、約5年ぶりに会うシモンを見てたいそう驚いた。
……魔法大学へ入学する為、うつむき加減で暗い雰囲気にて、
ひとり寂しく旅立った18歳のシモンが……
5年経って、23歳のたくましい青年に成長していたからだ。
加えて、ばりっとした新品の革鎧姿である。
また豪華な馬車で乗りつけていて、身なりの整った美しい若い女性ばかり、3人も連れていた。
御者を務めている女子は騎士、馬を連れていた女子も騎士らしい。
「お、おい、シモン! 上級貴族が乗るようなスゲ~馬車だな! それと、そ、その人達は何者だい?」
門番から尋ねられ、シモンはエステル、クラウディア、ジュリエッタ、アンヌ、
そしてリゼットと、順番に紹介して行く。
「おはようございます! おじさん、この女子達は、俺の婚約者ふたり、そして配下の騎士さんがふたりに、あとひとりは侍女さんの計5名だ」
「ほえ~、お前の婚約者がふたり!? 配下が騎士ぃ!? そして侍女まで!?」
「そうだよ」
「な、何が何だかわけが分からんし、女性は本当に『べっぴん』さんぞろいだなぁ……」
「ああ、皆、美人だろ」
「うむ、確かに綺麗な女子達だ。そして怪しさはみじんもない。だがシモン、一応規則だ。お前を疑うわけじゃないが、身分証を見せてくれよ」
「了解」
シモンは驚く門番へ、ミスリル製の身分証を差し出した。
門番は恐る恐る身分証を手に取り、記載内容を確認する。
「ええっと……た、確かにシモン・アーシュと書いてあるな。間違いなくお前の名前だけど、金属製なんて凄い身分証だな。お、お、王国復興開拓省……し、支援戦略局? 何だい、この役所は? 聞いた事がないぞ。それに、この身分証、一体何で造られているんだ」
「ええっと……王国復興開拓省は困っている王国民を助ける役所、俺はそこの一部門長、そしてこの身分証はミスリル製だよ、おじさん」
「ひえ! ミスリルなんて生まれて初めて見る。それに王国復興開拓省? 何だかよく分からないお役所だな」
「何だかよく分からない役所とか、あまりそういう事、大きな声で言わない方が良いよ。何せ王国復興開拓省は、陛下の弟君、マクシミリアン殿下がお作りになった役所だからね」
「ま、マクシミリアン殿下!? ひえ~! 宰相様がかあ!? わ、分かったあ! わ、悪いが、ち、町長のところへ顔を出して、挨拶しておいてくれ」
「了解、おじさん。町長のところへ行くよ」
「おお、そうしてくれ、助かる」
という事で、シモン達一行はプリンキピウムの町内へと入ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ラクルテル公爵家専用の豪奢な馬車は、ひなびた町ではやはり目立った。
ちょうど朝の農作業から帰る町民が何人も道を歩いており……
実家に向かってゆっくり走る馬車を指さしていた。
中には馬車内のシモンの姿を見て、大騒ぎする者も居た。
町長は在宅しており……
シモンがおみやげを持って訪問し、挨拶するとビックリ。
門番とほぼ同じ反応をした。
驚き戸惑う村長へシモンは一行を紹介。
「急な里帰りだが、独り暮らしの母を引き取るつもりだ」と告げ、
シモンの実家と同じ町営住宅の空き家を、短期契約で一軒借りた。
このプリンキピウムは本当に小さな町であり、宿屋などはないからだ。
町長宅を出て、すぐに馬車は実家へ到着した。
シモンの実家は古い借家だ。
父が失踪する前から、ず~っと長く暮らしている。
シモンが王都に居るから、現在は母のひとり暮らしであった。
自宅には狭い庭がついている。
なので、何とか馬車と馬を入れた、その時。
きしむ音を立てながら、扉が開いた。
懐かしい声が、シモンの耳へ。
「どなた? あら、シモンかい?」
「ああ、シモンだよ、オフクロ。今、帰った」
扉が開き、現れたのは小柄な中年女性。
年齢は50代半ばだろうか、顔立ちはシモンに良く似ていた。
すかさず!
『ファスートインプレッション』が肝心なのだと、
エステルとクラウディアが、元気に声を張り上げる。
「初めまして、お母様! 局長……じゃなかった! 私は、シモン様の婚約者エステル・ソワイエでございますっ!」
「お母様、初めまして! 私もシモン様の婚約者クラウディア・ラクルテルでございますわっ!」
ひとりは、たおやかなストロベリーブロンドの美女。
もうひとりは、可憐な金髪碧眼の美少女。
すっくと背を伸ばしてあいさつするふたりとも……
魅惑的で才能あふれる素晴らしい女性である。
ここだけの話、はっきり言ってシモンにはもったいない。
同じ事をシモンの母――マリアンヌ・アーシュは大いに感じたらしい。
「え、えええっ!? あ、あ、貴女達が!? ウ、ウチのシモンの、お、お嫁さん!? ま、まさか!?」
大声で叫ばないよう口に手を当てて、驚き戸惑っていたのである。
賊や魔物の襲撃等の妨害もなく……途中、様々な町で宿泊。
エステルとクラウディアにとっても思い出深い旅となった。
そんなこんなで……
予定より1日早い、6日目の朝8時に、一行はシモンの故郷小さな町プリンキピウムへ到着した。
ちなみにそのまま入ると、巨大灰色狼といえど『町は大騒ぎ』となる。
それゆえ魔獣ケルベロスは村の少し手前で『異界』へ戻してある。
さてさて!
シモンが言う通り、シモンの生まれ故郷プリンキピウムは、町と名はついても実質は村。
人口は約300人。
商店は個人経営の店がたった10店舗しかない。
住民もいわゆる『耕す者』――農民が殆ど、つまりほぼ農村である。
プリンキピウムの入り口は丸太をそのまま刺した無骨な防護策があり、粗末な詰所には門番が立っており、訪問者のチェックをしていた。
プリンキピウムの門番は町民の交代制であり……
当然ながら本業の農民も兼務する中年男である。
シモンは門番の男を憶えていたし、
門番もシモンの顔を当然ながら忘れてはいなかった。
そして門番は、約5年ぶりに会うシモンを見てたいそう驚いた。
……魔法大学へ入学する為、うつむき加減で暗い雰囲気にて、
ひとり寂しく旅立った18歳のシモンが……
5年経って、23歳のたくましい青年に成長していたからだ。
加えて、ばりっとした新品の革鎧姿である。
また豪華な馬車で乗りつけていて、身なりの整った美しい若い女性ばかり、3人も連れていた。
御者を務めている女子は騎士、馬を連れていた女子も騎士らしい。
「お、おい、シモン! 上級貴族が乗るようなスゲ~馬車だな! それと、そ、その人達は何者だい?」
門番から尋ねられ、シモンはエステル、クラウディア、ジュリエッタ、アンヌ、
そしてリゼットと、順番に紹介して行く。
「おはようございます! おじさん、この女子達は、俺の婚約者ふたり、そして配下の騎士さんがふたりに、あとひとりは侍女さんの計5名だ」
「ほえ~、お前の婚約者がふたり!? 配下が騎士ぃ!? そして侍女まで!?」
「そうだよ」
「な、何が何だかわけが分からんし、女性は本当に『べっぴん』さんぞろいだなぁ……」
「ああ、皆、美人だろ」
「うむ、確かに綺麗な女子達だ。そして怪しさはみじんもない。だがシモン、一応規則だ。お前を疑うわけじゃないが、身分証を見せてくれよ」
「了解」
シモンは驚く門番へ、ミスリル製の身分証を差し出した。
門番は恐る恐る身分証を手に取り、記載内容を確認する。
「ええっと……た、確かにシモン・アーシュと書いてあるな。間違いなくお前の名前だけど、金属製なんて凄い身分証だな。お、お、王国復興開拓省……し、支援戦略局? 何だい、この役所は? 聞いた事がないぞ。それに、この身分証、一体何で造られているんだ」
「ええっと……王国復興開拓省は困っている王国民を助ける役所、俺はそこの一部門長、そしてこの身分証はミスリル製だよ、おじさん」
「ひえ! ミスリルなんて生まれて初めて見る。それに王国復興開拓省? 何だかよく分からないお役所だな」
「何だかよく分からない役所とか、あまりそういう事、大きな声で言わない方が良いよ。何せ王国復興開拓省は、陛下の弟君、マクシミリアン殿下がお作りになった役所だからね」
「ま、マクシミリアン殿下!? ひえ~! 宰相様がかあ!? わ、分かったあ! わ、悪いが、ち、町長のところへ顔を出して、挨拶しておいてくれ」
「了解、おじさん。町長のところへ行くよ」
「おお、そうしてくれ、助かる」
という事で、シモン達一行はプリンキピウムの町内へと入ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ラクルテル公爵家専用の豪奢な馬車は、ひなびた町ではやはり目立った。
ちょうど朝の農作業から帰る町民が何人も道を歩いており……
実家に向かってゆっくり走る馬車を指さしていた。
中には馬車内のシモンの姿を見て、大騒ぎする者も居た。
町長は在宅しており……
シモンがおみやげを持って訪問し、挨拶するとビックリ。
門番とほぼ同じ反応をした。
驚き戸惑う村長へシモンは一行を紹介。
「急な里帰りだが、独り暮らしの母を引き取るつもりだ」と告げ、
シモンの実家と同じ町営住宅の空き家を、短期契約で一軒借りた。
このプリンキピウムは本当に小さな町であり、宿屋などはないからだ。
町長宅を出て、すぐに馬車は実家へ到着した。
シモンの実家は古い借家だ。
父が失踪する前から、ず~っと長く暮らしている。
シモンが王都に居るから、現在は母のひとり暮らしであった。
自宅には狭い庭がついている。
なので、何とか馬車と馬を入れた、その時。
きしむ音を立てながら、扉が開いた。
懐かしい声が、シモンの耳へ。
「どなた? あら、シモンかい?」
「ああ、シモンだよ、オフクロ。今、帰った」
扉が開き、現れたのは小柄な中年女性。
年齢は50代半ばだろうか、顔立ちはシモンに良く似ていた。
すかさず!
『ファスートインプレッション』が肝心なのだと、
エステルとクラウディアが、元気に声を張り上げる。
「初めまして、お母様! 局長……じゃなかった! 私は、シモン様の婚約者エステル・ソワイエでございますっ!」
「お母様、初めまして! 私もシモン様の婚約者クラウディア・ラクルテルでございますわっ!」
ひとりは、たおやかなストロベリーブロンドの美女。
もうひとりは、可憐な金髪碧眼の美少女。
すっくと背を伸ばしてあいさつするふたりとも……
魅惑的で才能あふれる素晴らしい女性である。
ここだけの話、はっきり言ってシモンにはもったいない。
同じ事をシモンの母――マリアンヌ・アーシュは大いに感じたらしい。
「え、えええっ!? あ、あ、貴女達が!? ウ、ウチのシモンの、お、お嫁さん!? ま、まさか!?」
大声で叫ばないよう口に手を当てて、驚き戸惑っていたのである。
0
お気に入りに追加
470
あなたにおすすめの小説
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!
KeyBow
ファンタジー
日常のありふれた生活が一変!古本屋で何気に手に取り開けた本のタイトルは【猿でも分かるスキルスティール取得法】
変な本だと感じつい見てしまう。そこにはこう有った。
【アホが見ーる馬のけーつ♪
スキルスティールをやるから魔王を倒してこい!まお頑張れや 】
はっ!?と思うとお城の中に。城の誰かに召喚されたが、無能者として暗殺者をけしかけられたりする。
出会った猫耳ツインズがぺったんこだけど可愛すぎるんですが!エルフの美女が恋人に?何故かヒューマンの恋人ができません!
行き当たりばったりで異世界ライフを満喫していく。自重って何?という物語。
悪人からは遠慮なくスキルをいただきまーーーす!ざまぁっす!
一癖も二癖もある仲間と歩む珍道中!
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
ゴミアイテムを変換して無限レベルアップ!
桜井正宗
ファンタジー
辺境の村出身のレイジは文字通り、ゴミ製造スキルしか持っておらず馬鹿にされていた。少しでも強くなろうと帝国兵に志願。お前のような無能は雑兵なら雇ってやると言われ、レイジは日々努力した。
そんな努力もついに報われる日が。
ゴミ製造スキルが【経験値製造スキル】となっていたのだ。
日々、優秀な帝国兵が倒したモンスターのドロップアイテムを廃棄所に捨てていく。それを拾って【経験値クリスタル】へ変換して経験値を獲得。レベルアップ出来る事を知ったレイジは、この漁夫の利を使い、一気にレベルアップしていく。
仲間に加えた聖女とメイドと共にレベルを上げていくと、経験値テーブルすら操れるようになっていた。その力を使い、やがてレイジは帝国最強の皇剣となり、王の座につく――。
※HOTランキング1位ありがとうございます!
※ファンタジー7位ありがとうございます!
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる