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第128話「エステルの告白②」
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「そうか……その『ある人』が俺、だったんだ」
「はい! 局長だったんです!」
エステルはそう言うと、花が咲くように、にっこりと笑った。
……エステル・ソワイエはティーグル魔法大学を卒業した後、新卒で秘書見習いとして、王国復興開拓省へ入省した。
そして一人前の秘書になるべく研修中のある日の事……
……遠縁で恩人でもある上司、アレクサンドラ・ブランジェ長官に呼ばれた。
そして、シモンの履歴調査書を見せられ、秘書にならないかと打診されたのだ。
「エステル、今度スカウトするトレジャーハンターのシモン・アーシュ君は、私が見込んだ逸材なの」
「い、逸材!? そ、そうなんですか?」
「ええ。シモン君はとんでもなく有能な人。私やリュシー、レナ、貴女と同じティーグル魔法大学卒。年齢は貴女と同じで、彼は同級生だけど、ぴったりの上司になると思うわ」
「は、はい……」
「履歴調査書を良く読んで、返事を頂戴」
「了解しました、長官」
「あくまでも私の勘だけど、シモン君と仕事をすればエステル、貴女の運命のターニングポイントになると、私は思うの」
「私の……運命のターニングポイント……」
「ええ、私的には単なる勘ではなく、はっきりとした確信ね」
なぜ、アレクサンドラはそこまで、力を入れてシモンを勧めるのか?
その場では、さっぱり分からなかった。
しかし、履歴調査書を持ち帰り、エステルが自分の席で読み込むと……
まず、驚いた。
シモンは父親に失踪され、母子家庭で育っていた事。
そう、自分と同じ母子家庭で育っていた……
でも……シモンはアレクサンドラの支援を受け、生活している自分とは全く違っていた。
働きながら学ぶ苦学生で、コツコツいろいろな仕事をしながら、生活費と学費を全て自らねん出し、故郷の母へ仕送りまでしていたのだ。
更にティーグル魔法大学の成績が自分より上位である事。
魔法鑑定士、教師の資格を取得している事。
それなのに評判の良くない商会に就職。
トレジャーハンターとして、名を馳せている事。
そして、性格は温厚で誠実。
身元を伏せて、王国各地で『名もなき仮面の賢者』と呼ばれる善行を積んでいた事……
エステルは、そんなシモンに大いに興味が湧き、履歴調査書を何度も読み返した。
魔法大学では同級生だが、シモンと話した事は勿論、会った事さえもない。
もしかしたら、教室やキャンパスでニアミスしていたかもしれない。
そう思うと、会ってみたくなった。
エステルは基本、男子が苦手だ。
男子と話すと、緊張し思うように話せない。
顔が赤くなり、つい眼を伏せてしまう。
しかし、何となくだが、直感のようなものが働き……
シモンとは「一緒に仕事をしてみたくなった」のである。
ひと晩考え、決断した。
翌日、エステルは朝一番でアレクサンドラへ返事をした。
「長官、おはようございます!」
「おはよう、エステル。何かしら?」
「はい! シモン・アーシュ様の件ですが、私、決めました! ぜひ! 秘書を務めさせてください」
エステルは大いなる決意を持って、アレクサンドラへ頼み込んだが……
対して、アレクサンドラは即答しなかった。
「分かりました。でも一旦ペンディング。貴女の希望は考慮しておきましょう」
「ええ? こ、考慮? そ、それは一体?」
「ええ、シモン君にはね、貴女のような新人の秘書でなく、経験豊富なベテラン秘書の起用も考えているから」
自分のような新人ではなく、ベテランの秘書を起用!?
「身内だから……優遇してくれると思っていた」……というエステルの考えは甘かったのだ。
これは望みが叶わずかもと思ったら……
何故か大きな喪失感が襲った。
エステルは、必死となる。
「長官! お願い致します! 私、一生懸命頑張りますから、ぜひシモン様の秘書に!」
「一応、希望は聞いておくわ。まあ貴女の頑張り次第ね」
……結果的にアレクサンドラから、はっぱをかけられ、エステルはひたすら努力した。
やがて、シモンの採用が決まり……、
間もなくして、局長専属秘書の辞令が出た時はホッとし、とても嬉しかったと微笑む。
「局長。初めてお会いした時の事を憶えていますか」
「勿論! 俺、極度の緊張状態になって鎮静の魔法を使った」
「うふふ、あの時は……局長も私同様に異性が……女子が大の苦手だったですものね。でもぶっぶー。違います! 初めてお会いしたのは1階の魔導昇降機ホールで、局長が長官と一緒にいらした時ですよ」
「あ! そうだった! ごめん!」
エステルに指摘され、ばつが悪そうに頭をかくシモン。
そんなシモンを、エステルは慈愛を込め、見つめる。
「うふふ、私は男子が苦手でしたけど不思議でした。局長とは、初対面でも全然普通に話せました」
「それ、どうしてだろう?」
「はっきりとした理由は……まず、局長の専属秘書になれて、素直に嬉しかったのだと思います」
「成る程」
「……その際、履歴調査書を見て、局長が私と同じ母子家庭で育っている同士だから親近感を覚えたのと……そして、局長の経歴と実績を知り、シンプルに凄い人だと感じたから……でしょうか」
「そうかあ、初めて会った時、俺の話をいろいろ聞いてくれたけど……出自とか経歴とか事前に知っていたんだよな?」
「はい、大体は。……でもでも! 局長から、直接お話をお聞きしたかったですし、今までの男子とは違い、自然にいろいろお話し出来るのが、とても嬉しかったんです」
「そ、そうか!」
「だからつい舞い上がって、女子校のロジエ魔法学院出身で、今まで彼氏居ませんでしたから、局長へ猛アタックしていたかも……なんて言い、『タイプです』とまで言って……」
「エステル」
「後で思い出して……とんでもなく恥ずかしかったし、軽い女子だと思われ、嫌われたらイヤだと、ひどく落ち込みました」
エステルの『告白』を聞き、シモンは改めて彼女が愛おしいと思う。
だが、ふと見やれば……8時30分を過ぎている。
「おっと! ヤバイ。支援開発戦略局のオフィスへ急がないと」
「ええ、局長、今日も忙しくなりそうですし、頑張りましょう」
という事で、『心の絆』を一層深めたふたりは、今日も元気に仕事を開始したのである。
「はい! 局長だったんです!」
エステルはそう言うと、花が咲くように、にっこりと笑った。
……エステル・ソワイエはティーグル魔法大学を卒業した後、新卒で秘書見習いとして、王国復興開拓省へ入省した。
そして一人前の秘書になるべく研修中のある日の事……
……遠縁で恩人でもある上司、アレクサンドラ・ブランジェ長官に呼ばれた。
そして、シモンの履歴調査書を見せられ、秘書にならないかと打診されたのだ。
「エステル、今度スカウトするトレジャーハンターのシモン・アーシュ君は、私が見込んだ逸材なの」
「い、逸材!? そ、そうなんですか?」
「ええ。シモン君はとんでもなく有能な人。私やリュシー、レナ、貴女と同じティーグル魔法大学卒。年齢は貴女と同じで、彼は同級生だけど、ぴったりの上司になると思うわ」
「は、はい……」
「履歴調査書を良く読んで、返事を頂戴」
「了解しました、長官」
「あくまでも私の勘だけど、シモン君と仕事をすればエステル、貴女の運命のターニングポイントになると、私は思うの」
「私の……運命のターニングポイント……」
「ええ、私的には単なる勘ではなく、はっきりとした確信ね」
なぜ、アレクサンドラはそこまで、力を入れてシモンを勧めるのか?
その場では、さっぱり分からなかった。
しかし、履歴調査書を持ち帰り、エステルが自分の席で読み込むと……
まず、驚いた。
シモンは父親に失踪され、母子家庭で育っていた事。
そう、自分と同じ母子家庭で育っていた……
でも……シモンはアレクサンドラの支援を受け、生活している自分とは全く違っていた。
働きながら学ぶ苦学生で、コツコツいろいろな仕事をしながら、生活費と学費を全て自らねん出し、故郷の母へ仕送りまでしていたのだ。
更にティーグル魔法大学の成績が自分より上位である事。
魔法鑑定士、教師の資格を取得している事。
それなのに評判の良くない商会に就職。
トレジャーハンターとして、名を馳せている事。
そして、性格は温厚で誠実。
身元を伏せて、王国各地で『名もなき仮面の賢者』と呼ばれる善行を積んでいた事……
エステルは、そんなシモンに大いに興味が湧き、履歴調査書を何度も読み返した。
魔法大学では同級生だが、シモンと話した事は勿論、会った事さえもない。
もしかしたら、教室やキャンパスでニアミスしていたかもしれない。
そう思うと、会ってみたくなった。
エステルは基本、男子が苦手だ。
男子と話すと、緊張し思うように話せない。
顔が赤くなり、つい眼を伏せてしまう。
しかし、何となくだが、直感のようなものが働き……
シモンとは「一緒に仕事をしてみたくなった」のである。
ひと晩考え、決断した。
翌日、エステルは朝一番でアレクサンドラへ返事をした。
「長官、おはようございます!」
「おはよう、エステル。何かしら?」
「はい! シモン・アーシュ様の件ですが、私、決めました! ぜひ! 秘書を務めさせてください」
エステルは大いなる決意を持って、アレクサンドラへ頼み込んだが……
対して、アレクサンドラは即答しなかった。
「分かりました。でも一旦ペンディング。貴女の希望は考慮しておきましょう」
「ええ? こ、考慮? そ、それは一体?」
「ええ、シモン君にはね、貴女のような新人の秘書でなく、経験豊富なベテラン秘書の起用も考えているから」
自分のような新人ではなく、ベテランの秘書を起用!?
「身内だから……優遇してくれると思っていた」……というエステルの考えは甘かったのだ。
これは望みが叶わずかもと思ったら……
何故か大きな喪失感が襲った。
エステルは、必死となる。
「長官! お願い致します! 私、一生懸命頑張りますから、ぜひシモン様の秘書に!」
「一応、希望は聞いておくわ。まあ貴女の頑張り次第ね」
……結果的にアレクサンドラから、はっぱをかけられ、エステルはひたすら努力した。
やがて、シモンの採用が決まり……、
間もなくして、局長専属秘書の辞令が出た時はホッとし、とても嬉しかったと微笑む。
「局長。初めてお会いした時の事を憶えていますか」
「勿論! 俺、極度の緊張状態になって鎮静の魔法を使った」
「うふふ、あの時は……局長も私同様に異性が……女子が大の苦手だったですものね。でもぶっぶー。違います! 初めてお会いしたのは1階の魔導昇降機ホールで、局長が長官と一緒にいらした時ですよ」
「あ! そうだった! ごめん!」
エステルに指摘され、ばつが悪そうに頭をかくシモン。
そんなシモンを、エステルは慈愛を込め、見つめる。
「うふふ、私は男子が苦手でしたけど不思議でした。局長とは、初対面でも全然普通に話せました」
「それ、どうしてだろう?」
「はっきりとした理由は……まず、局長の専属秘書になれて、素直に嬉しかったのだと思います」
「成る程」
「……その際、履歴調査書を見て、局長が私と同じ母子家庭で育っている同士だから親近感を覚えたのと……そして、局長の経歴と実績を知り、シンプルに凄い人だと感じたから……でしょうか」
「そうかあ、初めて会った時、俺の話をいろいろ聞いてくれたけど……出自とか経歴とか事前に知っていたんだよな?」
「はい、大体は。……でもでも! 局長から、直接お話をお聞きしたかったですし、今までの男子とは違い、自然にいろいろお話し出来るのが、とても嬉しかったんです」
「そ、そうか!」
「だからつい舞い上がって、女子校のロジエ魔法学院出身で、今まで彼氏居ませんでしたから、局長へ猛アタックしていたかも……なんて言い、『タイプです』とまで言って……」
「エステル」
「後で思い出して……とんでもなく恥ずかしかったし、軽い女子だと思われ、嫌われたらイヤだと、ひどく落ち込みました」
エステルの『告白』を聞き、シモンは改めて彼女が愛おしいと思う。
だが、ふと見やれば……8時30分を過ぎている。
「おっと! ヤバイ。支援開発戦略局のオフィスへ急がないと」
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