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第113話「私達を突き動かすもの①」
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アレクサンドラの言葉を聞き、シモンは慌てた。
「10万枚の半分って、5万枚ですかぁ!」
「うふふ、ご名答! 良かったね、シモン君!」
「いやいや、良かったって、長官! そんな大金受け取れませんよぉ! そもそも公務員のボーナスって、そんなん、ありえないでしょ!」
「あら? 入省の時、私はシモン君に言ったでしょ。ウチは他の省と給与体系が全く違うって! もう忘れたのぉ?」
「い、いや、ちゃんと憶えていますけど……」
「じゃあ、良いじゃない。この話は終わりぃ」
「はああ……」
「ため息つかない。じゃあ、きりの良いところで、小村支援の報告をして貰える?」
「了解です」
シモンは、エステルの作成した報告書を基に補足しながら、アレクサンドラ以下上席3人に報告を行う。
時たまエステルが補足。
簡潔明瞭なシモンの説明は分かりやすい。
……シモンの報告を聞き、アレクサンドラは満足そうに頷く。
「分かったわ、万事順調ね」
「はい、とりあえずは。後は販売単価の高い特産品をひとつ以上、軌道に乗せればと」
「特産品?」
「はい、村民が誇りとし、村の収益を担う商品を開発したいと考えています」
「ああ、シモン君が商業ギルドで提案した案件ね。数多ある王国の特産品を集約して、販売する特産品ショップを王都に開店するって」
「はい、小村で今回開発する商品をぜひ含めたいです」
「うふふ、上手くいくといいわね」
「はい、まずは農産品を中心に王国各地の特産品を精査していますが、商品のジャンルは問いません。王国民に知られているものは勿論、地元の人しか知らない優秀な商品がないかと調べてもいます」
「成る程。人気のある特産品は高い収益を得る事と、誇れる商品を作っているという生産者のモチベーションアップにもつながるから、良いアイディアだと思うわ」
「ありがとうございます。来週局員とともに再び小村に赴き、現地で打合せを持とうと思います」
「分かったわ。でもあまり手取り足取りの支援は禁物よ。村民の自主性を重んじ、やる気を出させるように誘導してね」
「了解です。長官のおっしゃる通りですね。それに局員が話を詰めている間、俺は別部隊を率いて足を延ばし、依頼のあった魔物討伐を行いたいと思います」
「うふふ、やる気満々ね。シモン君だから頑張るのは分かるけど、あまり無理しないでね」
「はい」
「まあ、そうは言っても王国各地から支援の要請が続々来ているわ」
ここで口を開いたのが、次官のリュシーだ。
「シモン君」
「はい」
「貴方の評判を聞き、王国各省の職員から異動希望の問い合わせが多く来ているわ。労働局にも入省希望の問い合わせが殺到し、ウチの人事部は大忙しだそうよ」
リュシーの言葉に、レナも反応する。
「うむ! シモン君へ朗報だ。私へ連絡があった。冒険者ギルドは、先般君が行った山賊団1,000名の討伐確保を依頼遂行の特例とし、ランクSの称号を授けるという事だ。そして小村のプロジェクトに参加した農民出身の冒険者達が引き続きの出向を希望し、それ以外にも上位ランカー達が協力を申し出ているそうだ。更には難儀している案件をウチに頼みたいという話もあるらしいぞ」
リュシーとレナの話を聞き、アレクサンドラも満足そうに頷く。
「シモン君、冒険者ギルド最高ランク獲得おめでとう。そして、懸念している人手不足も解消していけそうね。マクシミリアン殿下もお喜びよ。なので使う予算も心配ないわ。必要ならばどんどん申請して欲しいの」
「もろもろありがたいです。特に殿下もお喜びなのは何よりです」
「ええ、近々、謁見の運びになると思うわよ」
「はあ、成る程……って、ほ、ほ、本当っすかぁ!! お、俺が謁見んん!!?? ちょ、長官!! ま、ま、マジっすかぁ!!」
「ふっ、マジよ!」
驚き戸惑うシモンに対し、アレクサンドラは面白がるように「二ッ」と笑ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その後、3人からはいくつかの話があった。
小村の支援が終わっても、支援の要請はいろいろと来ているらしい。
約1時間後、幹部会議は終了し、散会となった。
会議終了後、さりげなくシモンは風車亭料理修業の件を切り出し、3人にOKを貰った。
「労働の対価として、金品を受け取らなけば、今回は特例とし、問題はない」と言われたのだ。
シモンは一旦、局長室へ戻る。
長官専用会議室出たシモンを、エステルがいたわる。
「お疲れ様でした。局長」
「ああ、エステルもお疲れ……でも、参ったなあ。俺ごときが殿下に謁見か……」
「いいえ、俺ごときではありません! 局長のご活躍を考えれば、殿下が会おうとお考えになるのも当然でしょう。ご自分の部下ならば尚更ですよ」
「そうか」
「はい! 自信をお持ちください。お声がかかるのを誇らしく思い、謁見も仕事だと思ってください」
「謁見も仕事……」
「はい! 長官もおっしゃっていたではないですか」
「長官が?」
「使う予算も心配ないと」
「予算が……そうだな」
「はい! 実績を作り、上に覚えめでたいのならば、我が王国復興開拓省支援開発戦略局はますます発展致します。王国民が富めば、王国も発展するのと全く同じロジックですよ」
「成る程。今の仕事は、俺が頑張って上に気に入られれば、王国民が幸せになれる図式なんだな」
「はい! 実務を行い、私達部下もやりがいを実感しております」
「やりがいか! 分かるよ!」
「はいっ! 局長とともに頑張れば、笑顔をいっぱい見る事が出来ますから。小村の人たちが笑い、私達へお礼を告げる様を見て、今の仕事をやって良かったと心の底から思いました」
「うん! 笑顔か!」
「はい! 王国民の晴れやかな笑顔と心からの感謝の言葉が私達を突き動かすのですよ、局長」
「確かにそうだ!」
「はい! 私、局長の秘書である事が本当に嬉しいです! ありがとうございます!今日も一日頑張りましょう!」
晴れやかな笑顔と心からの感謝の言葉が私達を突き動かす……
エステルを見たシモンは納得。
大きく頷いたのである。
「10万枚の半分って、5万枚ですかぁ!」
「うふふ、ご名答! 良かったね、シモン君!」
「いやいや、良かったって、長官! そんな大金受け取れませんよぉ! そもそも公務員のボーナスって、そんなん、ありえないでしょ!」
「あら? 入省の時、私はシモン君に言ったでしょ。ウチは他の省と給与体系が全く違うって! もう忘れたのぉ?」
「い、いや、ちゃんと憶えていますけど……」
「じゃあ、良いじゃない。この話は終わりぃ」
「はああ……」
「ため息つかない。じゃあ、きりの良いところで、小村支援の報告をして貰える?」
「了解です」
シモンは、エステルの作成した報告書を基に補足しながら、アレクサンドラ以下上席3人に報告を行う。
時たまエステルが補足。
簡潔明瞭なシモンの説明は分かりやすい。
……シモンの報告を聞き、アレクサンドラは満足そうに頷く。
「分かったわ、万事順調ね」
「はい、とりあえずは。後は販売単価の高い特産品をひとつ以上、軌道に乗せればと」
「特産品?」
「はい、村民が誇りとし、村の収益を担う商品を開発したいと考えています」
「ああ、シモン君が商業ギルドで提案した案件ね。数多ある王国の特産品を集約して、販売する特産品ショップを王都に開店するって」
「はい、小村で今回開発する商品をぜひ含めたいです」
「うふふ、上手くいくといいわね」
「はい、まずは農産品を中心に王国各地の特産品を精査していますが、商品のジャンルは問いません。王国民に知られているものは勿論、地元の人しか知らない優秀な商品がないかと調べてもいます」
「成る程。人気のある特産品は高い収益を得る事と、誇れる商品を作っているという生産者のモチベーションアップにもつながるから、良いアイディアだと思うわ」
「ありがとうございます。来週局員とともに再び小村に赴き、現地で打合せを持とうと思います」
「分かったわ。でもあまり手取り足取りの支援は禁物よ。村民の自主性を重んじ、やる気を出させるように誘導してね」
「了解です。長官のおっしゃる通りですね。それに局員が話を詰めている間、俺は別部隊を率いて足を延ばし、依頼のあった魔物討伐を行いたいと思います」
「うふふ、やる気満々ね。シモン君だから頑張るのは分かるけど、あまり無理しないでね」
「はい」
「まあ、そうは言っても王国各地から支援の要請が続々来ているわ」
ここで口を開いたのが、次官のリュシーだ。
「シモン君」
「はい」
「貴方の評判を聞き、王国各省の職員から異動希望の問い合わせが多く来ているわ。労働局にも入省希望の問い合わせが殺到し、ウチの人事部は大忙しだそうよ」
リュシーの言葉に、レナも反応する。
「うむ! シモン君へ朗報だ。私へ連絡があった。冒険者ギルドは、先般君が行った山賊団1,000名の討伐確保を依頼遂行の特例とし、ランクSの称号を授けるという事だ。そして小村のプロジェクトに参加した農民出身の冒険者達が引き続きの出向を希望し、それ以外にも上位ランカー達が協力を申し出ているそうだ。更には難儀している案件をウチに頼みたいという話もあるらしいぞ」
リュシーとレナの話を聞き、アレクサンドラも満足そうに頷く。
「シモン君、冒険者ギルド最高ランク獲得おめでとう。そして、懸念している人手不足も解消していけそうね。マクシミリアン殿下もお喜びよ。なので使う予算も心配ないわ。必要ならばどんどん申請して欲しいの」
「もろもろありがたいです。特に殿下もお喜びなのは何よりです」
「ええ、近々、謁見の運びになると思うわよ」
「はあ、成る程……って、ほ、ほ、本当っすかぁ!! お、俺が謁見んん!!?? ちょ、長官!! ま、ま、マジっすかぁ!!」
「ふっ、マジよ!」
驚き戸惑うシモンに対し、アレクサンドラは面白がるように「二ッ」と笑ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その後、3人からはいくつかの話があった。
小村の支援が終わっても、支援の要請はいろいろと来ているらしい。
約1時間後、幹部会議は終了し、散会となった。
会議終了後、さりげなくシモンは風車亭料理修業の件を切り出し、3人にOKを貰った。
「労働の対価として、金品を受け取らなけば、今回は特例とし、問題はない」と言われたのだ。
シモンは一旦、局長室へ戻る。
長官専用会議室出たシモンを、エステルがいたわる。
「お疲れ様でした。局長」
「ああ、エステルもお疲れ……でも、参ったなあ。俺ごときが殿下に謁見か……」
「いいえ、俺ごときではありません! 局長のご活躍を考えれば、殿下が会おうとお考えになるのも当然でしょう。ご自分の部下ならば尚更ですよ」
「そうか」
「はい! 自信をお持ちください。お声がかかるのを誇らしく思い、謁見も仕事だと思ってください」
「謁見も仕事……」
「はい! 長官もおっしゃっていたではないですか」
「長官が?」
「使う予算も心配ないと」
「予算が……そうだな」
「はい! 実績を作り、上に覚えめでたいのならば、我が王国復興開拓省支援開発戦略局はますます発展致します。王国民が富めば、王国も発展するのと全く同じロジックですよ」
「成る程。今の仕事は、俺が頑張って上に気に入られれば、王国民が幸せになれる図式なんだな」
「はい! 実務を行い、私達部下もやりがいを実感しております」
「やりがいか! 分かるよ!」
「はいっ! 局長とともに頑張れば、笑顔をいっぱい見る事が出来ますから。小村の人たちが笑い、私達へお礼を告げる様を見て、今の仕事をやって良かったと心の底から思いました」
「うん! 笑顔か!」
「はい! 王国民の晴れやかな笑顔と心からの感謝の言葉が私達を突き動かすのですよ、局長」
「確かにそうだ!」
「はい! 私、局長の秘書である事が本当に嬉しいです! ありがとうございます!今日も一日頑張りましょう!」
晴れやかな笑顔と心からの感謝の言葉が私達を突き動かす……
エステルを見たシモンは納得。
大きく頷いたのである。
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