45 / 50
第45話「妖精猫の王」
しおりを挟む
ダンとスオメタルは王都の情報屋ジャンの家……
隠れ家に居た。
ダンと邂逅し、従士として戦って来たスオメタルだが、ジャンとは初対面だ。
当然ながら、ダンは紹介する事にした。
「ジャンは初めてだったな。この子はスオメタル、俺のパートナーだ」
「ほう、パートナーか」
ジャンはシルバープラチナ髪の美少女を一瞥《いちべつ》すると、僅《わず》かに微笑んだ。
しかし、スオメタルは即座に「びっ!」と手を挙げた。
きっぱりと言い放つ。
「マスター、パートナーは全然違うでございます。スオメタルはマスターの想い人! 且つ愛する妻、でございますよ」
スオメタルは己の立ち位置と名称をはっきりしたいタイプらしい。
いずれスオメタルが妻になるのは……
お互いに認め合う厳然たる事実。
なので、ダンも反論する気はなかった。
「お、おう! だったな、訂正する。俺の想い人で愛する妻のスオメタルだ」
はっきり言い切ったダンの言葉を聞き、スオメタルは大いに満足したようだ。
改めて自ら、名乗る。
「初めまして、ジャン殿。ダン・シリウスの妻スオメタルでございます」
堂々、きっぱり言い切るスオメタルに、ジャンは気圧されたように噛んでしまう。
「あ、あ、ああ……俺はファザーガットのジャンだ」
「……成る程。ファザーガットとは、単なる妖精猫《ケット・シー》ではない。妖精猫の王……でございますね」
スオメタルの言う通り、ファザーガットとは、
妖精猫《ケット・シー》の王を指す呼称だ。
補足しておくと……
妖精猫《ケット・シー》とは、人語を喋り、二本足で歩く猫である。
文字通り、種族は妖精族。
変身を得意とする者も居る。
外見は一般的な猫と殆ど変わらないので、識別しにくい。
「ふっ、良く知ってるな。まあ宜しく頼まあ、スオメタルちゃん」
ジャンは少し話すと馴れ馴れしく、否、フレンドリーになるらしい。
「妖精族の事は、これまでいろいろ学びましたでございます」
「へぇ、そうかい」
「念の為、ひと言申し上げます」
「何だい、スオメタルちゃん」
「……貴方の言う《ちゃん》の呼称は微妙ではございます。が、一応、良しと致しましょう。……ジャン殿、こちらこそ宜しくお願い致します」
ちょっとだけ、引っ掛かりはあったが……
あいさつは無事済んだ。
と、なれば早々に用事も済ますのが賢明である。
「よっし、ジャン。お互い時間がないだろうから、早速頼む」
ダンはジャンに対し、世界各地に点在するガルドルドの遺跡調査を依頼していた。
ドヴェルグのオルヴォ程深い付き合いではないので、スオメタルの真の身体の事を伝えてはいない。
「うし! お前から依頼のあったガルドルド遺跡が新たに3か所発見された」
「……朗報だな」
新たな遺跡は、まだダンとスオメタルのチェックが入っていない場所だ。
探し物が見つかる可能性が多少は上がる。
と、ここでジャンが衝撃の発言を。
「それとだな、補足しておくと……1か所は魔導工学の研究所だそうだ」
「……了解」
しかし、ダンは努めて冷静さを保つ。
厳しい訓練を経て、このような場合に魔力が乱れないように心の均衡を保つ事が出来た。
しかしスオメタルの波動に驚きの感情が見られたようだ。
そんな些細な変化もジャンは見逃さなかった。
「……スオメタルちゃんの波動に一瞬乱れがあったが、魔導工学の研究所に何かあるのか?」
「そうか……特にないが」
「…………」
ジャンは余計な追及をして来なかった。
ダンもスオメタルも表情を変えず、もう魔力に変化はない。
ジャンは机の引き出しを開けると、
3枚の地図と報告書をセットにし、ズラリと並べた。
「まあ、良い。これが地図と報告書だ」
「ありがたい、いつも仕事が速いな」
「当たり前だ。それが売りだからな」
「助かる! これが金だ。ちょっと色を付けた、金貨500枚だ」
未発見の遺跡1か所につき、金貨150枚が約束した金額である。
但しダンは、今後の事も考え、若干金額を上乗せしていた。
「毎度! お前が紳士的な奴で良かったよ。俺の心を読めるお前がちゃんと金を払って情報を買う。邪悪な奴ならそうはいかん」
「いやいや、オベロン様との兼ね合いもあるし、無茶は出来んよ」
「ふっ、そのオベロン様、そしてティターニア様の住まう妖精の国アヴァロンを、ダン、お前が魔王軍侵攻の危機から救ってくれた」
「ああ、魔王軍討伐の成り行き上な」
「成り行きでも何でも良い。お前は妖精族全員の大が付く恩人だ。オベロン様からは何かあれば、全面協力するように言われてる。本来は金も受け取れんくらいだ」
ダンはドヴェルグ族だけでなく、妖精族も救ったらしい。
しかし、いつもの通り、功をひけらかす様子はなかった。
「ふっ、それはそれ、これはこれだよ」
「じゃあ、サービスで教えてやるぜ」
「サービス?」
「ダンお前のいろいろな噂が飛び交ってる。ヤバイ噂もある。お前から金をちょろまかそうとかな」
「ああ、聞いた。他にもギルドが動いてるとか、バイトに雇いたいとか、いろいろあるみたいだな」
「ああ、たくさんある」
ジャンは、先ほど商店主達が話していた内容の更に詳しい情報を教えてくれた。
こちらもスオメタルの魔導回路に記憶されたのは言うまでもない。
「いろいろありがとさん。……ところで、ここから直で自宅へ転移し、帰って構わないか?」
ダンが転移魔法の「直帰」可否を尋ねると、
またまたジャンから意外な発言が。
「ああ、構わん! そうだ、今度お前の家へ遊びに行っても良いか? ウチの娘がお前に憧れててな。念話で連絡するから、宜しくな」
「おいおい、構わんが、魔境は、この街と違って、な~んも無いぞ」
「何も無い? ふっ、そんな事はない。俺達猫族は犬コロほどではないが、相当鼻が利く。お前とスオメタルちゃんの身体から、美味そうな肉と魚の匂いがする」
よく見るとジャンは鼻を「ひくひく」させていた。
鼻が利くのは本当らしい。
ここでスオメタルがフォロー。
「ああ、ジャン殿が嗅ぎ分けたのは魔境の鳥と鱒でございます。この前いろいろ料理、作ったでございますから」
「お~! 魔境の鳥に鱒か! そりゃ、美味そうだ!」
「丸々太った野生の鳥と鱒でございます。スオメタルは生まれて初めて鱒を食べましたが、即マイフェイバリットの端に加えました。超美味しいでございますよ」
「即マイフェィバリットで超美味しいか! ははははは、スオメタルちゃん、最高だな!」
話は盛り上がり、若干予定の時間は過ぎたが……
ダンとスオメタルは満足して、情報屋ジャンの隠れ家から引き揚げたのである。
隠れ家に居た。
ダンと邂逅し、従士として戦って来たスオメタルだが、ジャンとは初対面だ。
当然ながら、ダンは紹介する事にした。
「ジャンは初めてだったな。この子はスオメタル、俺のパートナーだ」
「ほう、パートナーか」
ジャンはシルバープラチナ髪の美少女を一瞥《いちべつ》すると、僅《わず》かに微笑んだ。
しかし、スオメタルは即座に「びっ!」と手を挙げた。
きっぱりと言い放つ。
「マスター、パートナーは全然違うでございます。スオメタルはマスターの想い人! 且つ愛する妻、でございますよ」
スオメタルは己の立ち位置と名称をはっきりしたいタイプらしい。
いずれスオメタルが妻になるのは……
お互いに認め合う厳然たる事実。
なので、ダンも反論する気はなかった。
「お、おう! だったな、訂正する。俺の想い人で愛する妻のスオメタルだ」
はっきり言い切ったダンの言葉を聞き、スオメタルは大いに満足したようだ。
改めて自ら、名乗る。
「初めまして、ジャン殿。ダン・シリウスの妻スオメタルでございます」
堂々、きっぱり言い切るスオメタルに、ジャンは気圧されたように噛んでしまう。
「あ、あ、ああ……俺はファザーガットのジャンだ」
「……成る程。ファザーガットとは、単なる妖精猫《ケット・シー》ではない。妖精猫の王……でございますね」
スオメタルの言う通り、ファザーガットとは、
妖精猫《ケット・シー》の王を指す呼称だ。
補足しておくと……
妖精猫《ケット・シー》とは、人語を喋り、二本足で歩く猫である。
文字通り、種族は妖精族。
変身を得意とする者も居る。
外見は一般的な猫と殆ど変わらないので、識別しにくい。
「ふっ、良く知ってるな。まあ宜しく頼まあ、スオメタルちゃん」
ジャンは少し話すと馴れ馴れしく、否、フレンドリーになるらしい。
「妖精族の事は、これまでいろいろ学びましたでございます」
「へぇ、そうかい」
「念の為、ひと言申し上げます」
「何だい、スオメタルちゃん」
「……貴方の言う《ちゃん》の呼称は微妙ではございます。が、一応、良しと致しましょう。……ジャン殿、こちらこそ宜しくお願い致します」
ちょっとだけ、引っ掛かりはあったが……
あいさつは無事済んだ。
と、なれば早々に用事も済ますのが賢明である。
「よっし、ジャン。お互い時間がないだろうから、早速頼む」
ダンはジャンに対し、世界各地に点在するガルドルドの遺跡調査を依頼していた。
ドヴェルグのオルヴォ程深い付き合いではないので、スオメタルの真の身体の事を伝えてはいない。
「うし! お前から依頼のあったガルドルド遺跡が新たに3か所発見された」
「……朗報だな」
新たな遺跡は、まだダンとスオメタルのチェックが入っていない場所だ。
探し物が見つかる可能性が多少は上がる。
と、ここでジャンが衝撃の発言を。
「それとだな、補足しておくと……1か所は魔導工学の研究所だそうだ」
「……了解」
しかし、ダンは努めて冷静さを保つ。
厳しい訓練を経て、このような場合に魔力が乱れないように心の均衡を保つ事が出来た。
しかしスオメタルの波動に驚きの感情が見られたようだ。
そんな些細な変化もジャンは見逃さなかった。
「……スオメタルちゃんの波動に一瞬乱れがあったが、魔導工学の研究所に何かあるのか?」
「そうか……特にないが」
「…………」
ジャンは余計な追及をして来なかった。
ダンもスオメタルも表情を変えず、もう魔力に変化はない。
ジャンは机の引き出しを開けると、
3枚の地図と報告書をセットにし、ズラリと並べた。
「まあ、良い。これが地図と報告書だ」
「ありがたい、いつも仕事が速いな」
「当たり前だ。それが売りだからな」
「助かる! これが金だ。ちょっと色を付けた、金貨500枚だ」
未発見の遺跡1か所につき、金貨150枚が約束した金額である。
但しダンは、今後の事も考え、若干金額を上乗せしていた。
「毎度! お前が紳士的な奴で良かったよ。俺の心を読めるお前がちゃんと金を払って情報を買う。邪悪な奴ならそうはいかん」
「いやいや、オベロン様との兼ね合いもあるし、無茶は出来んよ」
「ふっ、そのオベロン様、そしてティターニア様の住まう妖精の国アヴァロンを、ダン、お前が魔王軍侵攻の危機から救ってくれた」
「ああ、魔王軍討伐の成り行き上な」
「成り行きでも何でも良い。お前は妖精族全員の大が付く恩人だ。オベロン様からは何かあれば、全面協力するように言われてる。本来は金も受け取れんくらいだ」
ダンはドヴェルグ族だけでなく、妖精族も救ったらしい。
しかし、いつもの通り、功をひけらかす様子はなかった。
「ふっ、それはそれ、これはこれだよ」
「じゃあ、サービスで教えてやるぜ」
「サービス?」
「ダンお前のいろいろな噂が飛び交ってる。ヤバイ噂もある。お前から金をちょろまかそうとかな」
「ああ、聞いた。他にもギルドが動いてるとか、バイトに雇いたいとか、いろいろあるみたいだな」
「ああ、たくさんある」
ジャンは、先ほど商店主達が話していた内容の更に詳しい情報を教えてくれた。
こちらもスオメタルの魔導回路に記憶されたのは言うまでもない。
「いろいろありがとさん。……ところで、ここから直で自宅へ転移し、帰って構わないか?」
ダンが転移魔法の「直帰」可否を尋ねると、
またまたジャンから意外な発言が。
「ああ、構わん! そうだ、今度お前の家へ遊びに行っても良いか? ウチの娘がお前に憧れててな。念話で連絡するから、宜しくな」
「おいおい、構わんが、魔境は、この街と違って、な~んも無いぞ」
「何も無い? ふっ、そんな事はない。俺達猫族は犬コロほどではないが、相当鼻が利く。お前とスオメタルちゃんの身体から、美味そうな肉と魚の匂いがする」
よく見るとジャンは鼻を「ひくひく」させていた。
鼻が利くのは本当らしい。
ここでスオメタルがフォロー。
「ああ、ジャン殿が嗅ぎ分けたのは魔境の鳥と鱒でございます。この前いろいろ料理、作ったでございますから」
「お~! 魔境の鳥に鱒か! そりゃ、美味そうだ!」
「丸々太った野生の鳥と鱒でございます。スオメタルは生まれて初めて鱒を食べましたが、即マイフェイバリットの端に加えました。超美味しいでございますよ」
「即マイフェィバリットで超美味しいか! ははははは、スオメタルちゃん、最高だな!」
話は盛り上がり、若干予定の時間は過ぎたが……
ダンとスオメタルは満足して、情報屋ジャンの隠れ家から引き揚げたのである。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
亡霊剣士の肉体強奪リベンジ!~倒した敵の身体を乗っ取って、最強へと到る物語。
円城寺正市
ファンタジー
勇者が行方不明になって数年。
魔物が勢力圏を拡大し、滅亡の危機に瀕する国、ソルブルグ王国。
洞窟の中で目覚めた主人公は、自分が亡霊になっていることに気が付いた。
身動きもとれず、記憶も無い。
ある日、身動きできない彼の前に、ゴブリンの群れに追いかけられてエルフの少女が転がり込んできた。
亡霊を見つけたエルフの少女ミーシャは、死体に乗り移る方法を教え、身体を得た彼は、圧倒的な剣技を披露して、ゴブリンの群れを撃退した。
そして、「旅の目的は言えない」というミーシャに同行することになった亡霊は、次々に倒した敵の身体に乗り換えながら、復讐すべき相手へと辿り着く。
※この作品は「小説家になろう」からの転載です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
「やり直しなんていらねえ!」と追放されたけど、セーブ&ロードなしで大丈夫?~崩壊してももう遅い。俺を拾ってくれた美少女パーティと宿屋にいく~
風白春音
ファンタジー
セーブ&ロードという唯一無二な魔法が使える冒険者の少年ラーク。
そんなラークは【デビルメイデン】というパーティーに所属していた。
ラークのお陰で【デビルメイデン】は僅か1年でSランクまで上り詰める。
パーティーメンバーの為日夜セーブ&ロードという唯一無二の魔法でサポートしていた。
だがある日パーティーリーダーのバレッドから追放宣言を受ける。
「いくらやり直しても無駄なんだよ。お前よりもっと戦力になる魔導士見つけたから」
「え!? いやでも俺がいないと一回しか挑戦できないよ」
「同じ結果になるなら変わらねえんだよ。出ていけ無能が」
他のパーティーメンバーも全員納得してラークを追放する。
「俺のスキルなしでSランクは難しかったはずなのに」
そう呟きながらラークはパーティーから追放される。
そしてラークは同時に個性豊かな美少女達に勧誘を受け【ホワイトアリス】というパーティーに所属する。
そのパーティーは美少女しかいなく毎日冒険者としても男としても充実した生活だった。
一方バレッド率いる【デビルメイデン】はラークを失ったことで徐々に窮地に追い込まれていく。
そしてやがて最低Cランクへと落ちぶれていく。
慌てたバレッド達はラークに泣きながら土下座をして戻ってくるように嘆願するがもう時すでに遅し。
「いや俺今更戻る気ないから。知らん。頑張ってくれ」
ラークは【デビルメイデン】の懇願を無視して美少女達と楽しく冒険者ライフを送る。
これはラークが追放され【デビルメイデン】が落ちぶれていくのと同時にラークが無双し成り上がる冒険譚である。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生が単なる無能貴族だって聞いてない!〜捨てられた俺は美少女悪魔に拾われ無能の称号脱却へ。人類最強、いや魔王になります〜
鬼ノ紙ゆうき
ファンタジー
男は突然、日々の疲労から過労死した。
目を覚ますと見に覚えのない光景。それも貴族の家柄に転生していたのだ。しかし無能力だと発覚すると、すぐに男は赤ん坊の姿のまま森の中にに捨てられてしまう。
なのだが、そこで運命的な出会いがあった。
頭から二本のツノを生やし、サラッとした白銀の髪を揺らす美女悪魔との出会い。ヤンデレ過保護な彼女の名前はリリス。
男はリリスから名前を与えられネオと名付けられる。彼女に面倒を見てもらい、年を重ね、一緒に生活し、それはまるで家族のような関係となっていくのだった。
それからというものネオは特殊な力に目覚めたり、魔王の器だと発覚したりと大忙し。学園に入学し、様々な人と出会い、剣術・魔術を学ぶことによってやがてネオは世界最強の一角と呼ばれるまでに成長する。
相対関係にある転移者(勇者)を相手にしながら……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる