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第25話「土いじり①」
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香り高い紅茶とパンに、アプリコットジャム。
大好きな朝食を摂って、歯を磨き……
ダンとスオメタルは城を出た。
周囲にタバサは見当たらない。
まだ自室で眠っているらしい。
さてさて!
本日も快晴。
眩しい陽の光が「さんさん」と降り注いでいた。
天気が良いと幸先が良い。
迷信かもしれないが、ダンはそう信じている。
「お~、今日も春らしく、いい天気だなぁ。ほどほどの暖かさだし」
「は~い! 御意でございます。本当にそうです。気持ち良いでございますね、マスター」
ダンとスオメタルが城から出て来たのを見て、土中から「ぼこぼこ」とスパルトイ達が這い出て来る。
そしてすかさず「びしっ」と整列し、ふたりを出迎える。
50体以上居ると、さすがに壮観。
やや少なめの一個中隊という趣きがある
スパルトイ軍団は、念話で挨拶をして来た
『『『『『『『おはようございます! ダン様、スオメタル様!』』』』』』』』
『おはよう!』
『おはようございます!』
ダンとスオメタルが挨拶をすると、スパルトイリーダーが進み出る。
『おふたりの今日のご予定は? いかがお過ごしでしょうか?』
『ええっと、折角お前達が、草むしりして整地もしてくれたから、畑づくりを始めようと思ってな』
ダンがそう言うと、スパルトイ達は歓びの波動を一斉に放った。
相変わらず勤労意欲に満ちあふれている。
『おお! ならば、また農作業は我々にお任せください。専任にして頂ければ嬉しいのです』
『いやいや、専任はまずいだろ? 城内の片付けをだいぶやって貰ったからな。お前達へあんまり丸投げするのもさ、いかがなものかと思うんだ』
『いえいえ、ご遠慮なく、ガンガンお申し付けください。何せ我々は半士半農、農作業は慣れておりますし、そもそも大好きなのです』
『ん~、ならば、一緒にやろうか。畑を作る場所はお前達が整地してくれたあそこだ』
ダンは敷地の端を指さした。
昨日スパルトイ達が整地した一画は周囲に遮るものが殆どなく、陽がたっぷりと降り注いでいた。
植えた作物が良く実りそうだ。
と、ここでスオメタルが尋ねて来る。
『マスター、ひとつ質問して宜しいでしょうか』
『ああ、遠慮なく聞いてくれ』
『状況次第だと思われますが……魔法と人力、マスターなら両方余裕で行けますが、農作業の仕分けをどのようにお考えでしょう?』
『うん、特に決めていないけど……作業時の体調に問題がなければ基本、人力で行おうと考えている。王宮のしごきじゃないけど、鍛錬を兼ねてね』
『成る程……申しわけありませんが、自動人形たる私の体調は常にフラット状態、故障したとか魔力不足でなければ、ほぼ変化がございません。なので、逐一指示をして頂けますか?』
確かに……
スオメタルは、彼女の言う通り体調不良などない。
すなわちスパルトイ達同様、半永久的に働き続ける事が可能である。
普通なら、その都度命令するのは煩雑かもしれなかった。
だが、ダンは労を惜しまない。
……というか、スオメタルは自分と話す機会を、
少しでも増やしたいと望んだに違いない。
ダンは、スオメタルの健気な気持ちを見抜いた上で、あっさりOKを出す。
『了解! スオメタルへは毎回指示を入れるよ。イレギュラーな場合もあるだろうから』
『うふふ、マスターは凄く優しいです! 私の気持ちをちゃんと理解して頂き凄く嬉しいです!』
『あはは、俺は優しくないって。ほら手をつなごう。畑まで歩いて行こう』
『え? 手を? 宜しいのでございますか?』
『うん、あくまで朝の魔力補給のついで、ホントに、つ・い・で、だよ』
ダンの吸収魔法同様、スオメタルにも同じく、
動力となる魔力を手から吸収する能力がある。
『うふふ、ついでなんて。先ほどの食事で、魔力はほぼ充填されております。すぐばれる嘘はいけませぬよ、マスター』
ふたりは仲睦まじいという感じで、畑予定地へ向かい、歩き始める。
その後を、スパルトイ達が付き従い、歩いて行く。
『基本的には防衛の為でございますが、マスターがお作りになった魔法障壁は農作物を荒らす害獣にも有効でございますね』
『だな! ドラゴンも侵入出来ないから、少し強力すぎる気もするが……防犯、獣害兼用という事で構わないだろう』
『全くの御意! ……でございます』
安全の為、特に夜間、安眠する為……
城の敷地内を、そして敷地の上空100ⅿまで……
ダンが仕込んだ対物理、対魔法の両方に絶大な効果を持つ、
魔法障壁――ベタに言えば、バリアがぐるりと取り囲んでいた。
この魔法障壁は、肉眼では見えないし、音声も通すが……
敷地内に入ろうとしても弾き返されてしまう。
なのでふたりが言うように、
敵たる魔物の侵入は勿論、鳥、熊、鹿、猿等ノーマルな獣が及ぼす害も心配ない。
障壁の真ん中に、ダン達が起居する城がある。
全体の敷地の広さは、王都の中央広場5つ分くらいあった。
公園のような貴族邸宅が数十入るくらいの広さと言ったら分かりやすいかもしれない。
そして必要があれば、敷地をどんどん拡げて行けば良いのだ。
誰も文句をいう者など居ない……はず。
『よっし、ここだ。まずは訓練がてら人力で行くぞ』
気合を入れ直したダンが戦闘開始を宣言すれば、ここで再びスパルトイリーダーが進み出た。
『ダン様、了解です。どれくらいの広さで耕しますか』
『う~ん、とりあえず、10m×10m四方くらいで行くか。俺とスオメタルのふたりで食べる野菜ならそれで十分すぎるだろ?』
『いえいえ! 思い切って拡張し、その3倍で耕して、畝を作りましょう。あれやこれやと植える作物がどんどん増えると確信しておりますから』
『3倍? う~ん、まあ大は小を兼ねると言うし、さくっと行ってみるかあ! スオメタル、どうかな?』
『御意でございます! スオメタルは凄く気合が入って来ましたよ!』
ダンとスオメタルは顔を見合わせ、同意。
にっこり笑ったのである。
大好きな朝食を摂って、歯を磨き……
ダンとスオメタルは城を出た。
周囲にタバサは見当たらない。
まだ自室で眠っているらしい。
さてさて!
本日も快晴。
眩しい陽の光が「さんさん」と降り注いでいた。
天気が良いと幸先が良い。
迷信かもしれないが、ダンはそう信じている。
「お~、今日も春らしく、いい天気だなぁ。ほどほどの暖かさだし」
「は~い! 御意でございます。本当にそうです。気持ち良いでございますね、マスター」
ダンとスオメタルが城から出て来たのを見て、土中から「ぼこぼこ」とスパルトイ達が這い出て来る。
そしてすかさず「びしっ」と整列し、ふたりを出迎える。
50体以上居ると、さすがに壮観。
やや少なめの一個中隊という趣きがある
スパルトイ軍団は、念話で挨拶をして来た
『『『『『『『おはようございます! ダン様、スオメタル様!』』』』』』』』
『おはよう!』
『おはようございます!』
ダンとスオメタルが挨拶をすると、スパルトイリーダーが進み出る。
『おふたりの今日のご予定は? いかがお過ごしでしょうか?』
『ええっと、折角お前達が、草むしりして整地もしてくれたから、畑づくりを始めようと思ってな』
ダンがそう言うと、スパルトイ達は歓びの波動を一斉に放った。
相変わらず勤労意欲に満ちあふれている。
『おお! ならば、また農作業は我々にお任せください。専任にして頂ければ嬉しいのです』
『いやいや、専任はまずいだろ? 城内の片付けをだいぶやって貰ったからな。お前達へあんまり丸投げするのもさ、いかがなものかと思うんだ』
『いえいえ、ご遠慮なく、ガンガンお申し付けください。何せ我々は半士半農、農作業は慣れておりますし、そもそも大好きなのです』
『ん~、ならば、一緒にやろうか。畑を作る場所はお前達が整地してくれたあそこだ』
ダンは敷地の端を指さした。
昨日スパルトイ達が整地した一画は周囲に遮るものが殆どなく、陽がたっぷりと降り注いでいた。
植えた作物が良く実りそうだ。
と、ここでスオメタルが尋ねて来る。
『マスター、ひとつ質問して宜しいでしょうか』
『ああ、遠慮なく聞いてくれ』
『状況次第だと思われますが……魔法と人力、マスターなら両方余裕で行けますが、農作業の仕分けをどのようにお考えでしょう?』
『うん、特に決めていないけど……作業時の体調に問題がなければ基本、人力で行おうと考えている。王宮のしごきじゃないけど、鍛錬を兼ねてね』
『成る程……申しわけありませんが、自動人形たる私の体調は常にフラット状態、故障したとか魔力不足でなければ、ほぼ変化がございません。なので、逐一指示をして頂けますか?』
確かに……
スオメタルは、彼女の言う通り体調不良などない。
すなわちスパルトイ達同様、半永久的に働き続ける事が可能である。
普通なら、その都度命令するのは煩雑かもしれなかった。
だが、ダンは労を惜しまない。
……というか、スオメタルは自分と話す機会を、
少しでも増やしたいと望んだに違いない。
ダンは、スオメタルの健気な気持ちを見抜いた上で、あっさりOKを出す。
『了解! スオメタルへは毎回指示を入れるよ。イレギュラーな場合もあるだろうから』
『うふふ、マスターは凄く優しいです! 私の気持ちをちゃんと理解して頂き凄く嬉しいです!』
『あはは、俺は優しくないって。ほら手をつなごう。畑まで歩いて行こう』
『え? 手を? 宜しいのでございますか?』
『うん、あくまで朝の魔力補給のついで、ホントに、つ・い・で、だよ』
ダンの吸収魔法同様、スオメタルにも同じく、
動力となる魔力を手から吸収する能力がある。
『うふふ、ついでなんて。先ほどの食事で、魔力はほぼ充填されております。すぐばれる嘘はいけませぬよ、マスター』
ふたりは仲睦まじいという感じで、畑予定地へ向かい、歩き始める。
その後を、スパルトイ達が付き従い、歩いて行く。
『基本的には防衛の為でございますが、マスターがお作りになった魔法障壁は農作物を荒らす害獣にも有効でございますね』
『だな! ドラゴンも侵入出来ないから、少し強力すぎる気もするが……防犯、獣害兼用という事で構わないだろう』
『全くの御意! ……でございます』
安全の為、特に夜間、安眠する為……
城の敷地内を、そして敷地の上空100ⅿまで……
ダンが仕込んだ対物理、対魔法の両方に絶大な効果を持つ、
魔法障壁――ベタに言えば、バリアがぐるりと取り囲んでいた。
この魔法障壁は、肉眼では見えないし、音声も通すが……
敷地内に入ろうとしても弾き返されてしまう。
なのでふたりが言うように、
敵たる魔物の侵入は勿論、鳥、熊、鹿、猿等ノーマルな獣が及ぼす害も心配ない。
障壁の真ん中に、ダン達が起居する城がある。
全体の敷地の広さは、王都の中央広場5つ分くらいあった。
公園のような貴族邸宅が数十入るくらいの広さと言ったら分かりやすいかもしれない。
そして必要があれば、敷地をどんどん拡げて行けば良いのだ。
誰も文句をいう者など居ない……はず。
『よっし、ここだ。まずは訓練がてら人力で行くぞ』
気合を入れ直したダンが戦闘開始を宣言すれば、ここで再びスパルトイリーダーが進み出た。
『ダン様、了解です。どれくらいの広さで耕しますか』
『う~ん、とりあえず、10m×10m四方くらいで行くか。俺とスオメタルのふたりで食べる野菜ならそれで十分すぎるだろ?』
『いえいえ! 思い切って拡張し、その3倍で耕して、畝を作りましょう。あれやこれやと植える作物がどんどん増えると確信しておりますから』
『3倍? う~ん、まあ大は小を兼ねると言うし、さくっと行ってみるかあ! スオメタル、どうかな?』
『御意でございます! スオメタルは凄く気合が入って来ましたよ!』
ダンとスオメタルは顔を見合わせ、同意。
にっこり笑ったのである。
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