召喚された少年は公爵様に愛される

48話 捜索開始 ヴェルナー

「大人しく従え」とライアンの声が辺に響き渡った。

初めて愛する人を見つけたライアンが変わったのは一目瞭然だった。



「はぁ、血が上りすぎたことは謝る。」

「....落ち着いて考えろ。情報が足りなすぎる。」

「だが私は行くぞ。」

そう言ったライアンは真剣な顔つきでこのまま説得しても何も聞かず、ノアの元へ一人で飛び出していきそうだった。　
あんなに冷徹だったこいつをこんなにも感情的にさせられるのはお姫様だけだ。

「はいはい、言い出したら聞かないのは分かってたよ。俺も付いていくから。」

ライアンの肩をパシパシと叩く。すると、

「いや、お前は別行動だ。」

肩に置いた手を虫を払うように避けられた。

「どう言うことだ」

「ノアの元へは私とギルバートの二人で行く。お前はギルバート以外の従者つれ引き続き調査を頼むぞ。」

ヴェルナーは二人で行くのは危険すぎると言おうとするがライアンの言葉によって遮られた。

「初めに言ったはずだ、探して欲しいのはメアリー・ミラー伯爵令嬢だって、あいつを許すわけにはいかない。」

ライアンの瞳の奥が光った気がして背筋に冷たいものが走った。

「頼れるのはお前の眼だけなんだ。」

「そうだな..........ああ！絶対にひっ捕えてきてやるから安心しろ。」

頼られるのはお前の目だけなんてライアンの口から出るとは思わず、少し照れ臭い。
この照れ臭さに何か負けたような...気がする。

さて、伯爵令嬢を探すとするか。
ヴェルナーは魔力を眼に集中させ捜索を始めた。