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25話 お茶の誘い③
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「私には他の方には見えないものが見えるのです。」
それを聞いた瞬間ノアが精霊を使役できることが頭に浮かび、焦るが顔に出ないようにして知らないフリをしようとした。
「それがどうした」
「私の能力は一種の共感覚のようなものと思ってもらって結構です。公女様、いいえ今はアリアお嬢様ですね。アリアお嬢様のパーティーで公爵邸に行った時、見えました。恐らく精霊でしょう、豊かな土地に見えるものと同じでしたので」
「それがノアに関係があるといいたいのか」
「ふふふ、公爵邸に精霊士がいらっしゃいます。それがあの使用人だということを言いたいのです。」
ニヤリと笑みを浮かべたメアリーはノアのことを精霊士と言うことまで分かっていた。
予想外の事実だが逆にそこまで分かっているということは共感覚を持っているのは嘘ではないということか。シラを切るのも手だがそうするとノアに直接何かするかもしれない。それが一番怖いな。
「ほーう、それで精霊士がいる事実を私に話してどうするつもりだ。」
「世間にマーフィー公爵家に精霊士がいることが知れ渡ればその力欲しさにあの使用人を狙う方々がいるとは思いませんか?」
この世界では昔、精霊士と精霊士を利用しようとした人々が原因で世界が一度滅びかけたという過去の過ちからほぼ全てほ精霊士は精霊の里という異次元の空間で暮らしている。現実世界に干渉しないようルールがあり、精霊の里に住んでいる者以外の精霊士は中々居ない。なので生きている間に会えることだけでも奇跡と言われるほど貴重な存在になっていた。
その上ノアは三種類の精霊を使役できるためさらに貴重な存在になる。
ノアを連れ出して無理矢理にでも力を使わせてどうこうしようという輩が出てこないわけがない....
「その通りだな........それで何をして欲しい」
ミラー伯爵令嬢は黙っている代わりに用件を呑めと言いたいわけか。共感覚はどう対処しようか分からないものだ。
「あら、話が早くて助かりますわ!私と婚約をしてくださればいいのです。マーフィー公爵にとってもいい話ではありませんか?私と婚約するだけであとは愛人を作ろうが私は口を出しません。」
「公爵夫人の地位をくれということか」
「ええ」
乃亜が精霊士であることががバレ、危険に晒されるのはライアンにとって一番危惧していたものだ。ヴェルナーも王に話をすると言っていたが王は迂闊にマーフィー公爵家には口出しできない。これ以上話が広がるのは避けたかった。だが乃亜を大切だと言っておきながら婚約者を決めるなどただのクズになってしまう。何よりノアを悲しませたくない。
考えがまとまらないため保留にしてくれとメアリーに頼みホワイトアゼフを立ったのだった。
ああ、問題が山積みでどうにかなりそうだ...
この話は22話(ライアンの機嫌が悪い話)の前の話になります。
それを聞いた瞬間ノアが精霊を使役できることが頭に浮かび、焦るが顔に出ないようにして知らないフリをしようとした。
「それがどうした」
「私の能力は一種の共感覚のようなものと思ってもらって結構です。公女様、いいえ今はアリアお嬢様ですね。アリアお嬢様のパーティーで公爵邸に行った時、見えました。恐らく精霊でしょう、豊かな土地に見えるものと同じでしたので」
「それがノアに関係があるといいたいのか」
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ニヤリと笑みを浮かべたメアリーはノアのことを精霊士と言うことまで分かっていた。
予想外の事実だが逆にそこまで分かっているということは共感覚を持っているのは嘘ではないということか。シラを切るのも手だがそうするとノアに直接何かするかもしれない。それが一番怖いな。
「ほーう、それで精霊士がいる事実を私に話してどうするつもりだ。」
「世間にマーフィー公爵家に精霊士がいることが知れ渡ればその力欲しさにあの使用人を狙う方々がいるとは思いませんか?」
この世界では昔、精霊士と精霊士を利用しようとした人々が原因で世界が一度滅びかけたという過去の過ちからほぼ全てほ精霊士は精霊の里という異次元の空間で暮らしている。現実世界に干渉しないようルールがあり、精霊の里に住んでいる者以外の精霊士は中々居ない。なので生きている間に会えることだけでも奇跡と言われるほど貴重な存在になっていた。
その上ノアは三種類の精霊を使役できるためさらに貴重な存在になる。
ノアを連れ出して無理矢理にでも力を使わせてどうこうしようという輩が出てこないわけがない....
「その通りだな........それで何をして欲しい」
ミラー伯爵令嬢は黙っている代わりに用件を呑めと言いたいわけか。共感覚はどう対処しようか分からないものだ。
「あら、話が早くて助かりますわ!私と婚約をしてくださればいいのです。マーフィー公爵にとってもいい話ではありませんか?私と婚約するだけであとは愛人を作ろうが私は口を出しません。」
「公爵夫人の地位をくれということか」
「ええ」
乃亜が精霊士であることががバレ、危険に晒されるのはライアンにとって一番危惧していたものだ。ヴェルナーも王に話をすると言っていたが王は迂闊にマーフィー公爵家には口出しできない。これ以上話が広がるのは避けたかった。だが乃亜を大切だと言っておきながら婚約者を決めるなどただのクズになってしまう。何よりノアを悲しませたくない。
考えがまとまらないため保留にしてくれとメアリーに頼みホワイトアゼフを立ったのだった。
ああ、問題が山積みでどうにかなりそうだ...
この話は22話(ライアンの機嫌が悪い話)の前の話になります。
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