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第1章

6話

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すごく気まずい、アンさんはまだ怒っているのか二人は話すこともなく冒険者ギルドへ向かっている。僕は話題を出そうと頑張ったが二言で終わった。そうこう悩んでるうちに冒険者ギルドに着いたようだ。

「クロード?本物のクロードなのか?」

「クロードですか?てっきり死んだかと......」

「おい、さっきお前のパーティーから死んだって聞いたぞ?」

クロードが冒険者ギルドに入った途端中にいた人達がクロードの方を向き、信じられないと言わんばかりき涙を浮かべていた。クロードさん、実はかなりの有名人?

「みんな紹介するよ。この子が俺を助けてくれたテオだ。テオがいなかったら今頃魔物の餌だ。」

クロードは言いたい放題言われ、みんなが落ち着きを取り戻したところでパーティーメンバーに僕のことを紹介をしてくれた。パーティーメンバーはクロードさん含め5人、一人はアンさん、あとはチャラそうな人と端っこで黙っている体の大きな人、おさげの真面目ちゃんといったところだろうか。

「こんなチビがお前を助けただって?ふざけてんのか?死にかけて頭までおかしく、」

「ちょっとダリオス黙りなさい、言い過ぎです。クロードの恩人なのですよ。信じられませんがあの状況で戻って来られたということはこの方のおかげなのでしょう。」

「ああ、テオに治癒魔法で助けてもらったんだ。」

「「「治癒魔法?!」」」

体の大きな人以外の3人が大きな声が重なった。びっくりした。周りの人も大きな声で驚いてるよ!!
治癒魔法という言葉に驚いているのであって冒険者ギルドで喧嘩など日常茶飯事決して大きな声で驚いたわけではない。

「だから是非ともパーティーに入ってほしいと思って連れてきた。ちょうど行くところもないそうだし、ね?」

クロードはこちらを向き言った。どうして僕が行くところがない事を....
考えてみれば突然森に現れてここら辺のことも知らなかったら当然か。

「でも僕、治癒魔法しか使えないですけど...」

「あの重症を治せる治癒魔法なんかなかなかのものじゃないの!痛いのは嫌いだから私は賛成だわ!」

アンがそういうと他の3人も顔を合わせ、賛同の意思を見せた。
痛いのが嫌だという理由だけで賛成ってアンは意外にも楽観的というか能天気というかとにかく面白い人だと分かった。

「治癒魔法ですか.....稀に使える人はいると聞いていましたが凄いですね。回復役が1人入るだけで大分と楽になります。テオさん、宜しければパーティーに入っていただけると嬉しいです。」

おさげの真面目ちゃんが代表して言った。
これを断ったら僕は一文なしで彷徨うことになる気がする......
冒険者、危険も付き纏う仕事だ。現に死にかけている人も見た。それを少しでも減らせることができたら龍神様も喜んでくれるかな!

「あの、不束者ですがよろしくお願いします。」

「本当ですか!それは良かったです!あ、自己紹介しなければ始まりませんね。まずは私から、ごほん、私の名前はナタリーです。 役職は魔導士でパーティーのお世話係と言ったところでしょうか。見ての通り皆さん生活能力が低すぎて大変なんですよ。」

おさげの真面目ちゃんはナタリーさんだった。ローブを羽織ってるからやっぱり魔導士だと思ったよ。

「俺はダリオスだ。よろしくな、クロードと同じで剣士、クロードには遠く及ばないがな。」

チャラそうな人はダリオスさん。この人とまたクロードとは違ったイケメンだ。

「オラはルドルフ、タンカーやってる」

静かで身体の大きな人はルドルフさん。

「説明が足りないようなので補足、ルドルフは地図や索敵をしてくれています。あまり言葉数は多くありませんがとても優しい方ですよ。」

ナタリーが補足をしてくれた。ルドルフの方を見ると褒められたのが嬉しいのか少し赤くなっている。好きなのかな?

「私のことを忘れないでよね!弓使いのアンネットよ。みんなはアンって呼んでるからあなたもそう呼ぶといいわ。」

アンさんはアンネットっていう名前だったんだ。弓かぁ、父も兄も狩りで使っていたけど僕には触らせてもくれなかったな....アンさんはわがままお嬢様みたいな感じだけど意外と教えてくれたりして!もうちょっと仲良くなったら頼んでみよう。

「じゃあ俺も改めて自己紹介を、名前はクロード、剣士でこのパーティーのリーダーだ。」

「僕はテオです。これからよろしくお願いしますね。」

なんだか不思議な気分だ。イデルナ村では村の人はもちろん家族からも避けられ、話すひとなどないに等しかった。ここではみんなが分け隔てなく話してくれる。これからが楽しみになってきた。


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