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2-48 ブラディーガールを探しに!
しおりを挟む王様との話し合いが終わってからの数日間は目の回るような忙しさだった。
パルさんとポルさん達に王様からの伝言を伝えて謁見する日程を調整したり、ヴァン様にも会いに行ってこれまでの話をしたりと…。
ヴァン様、実はパパになってたんでよ。だから早く帰りたかったんですね。いや~、あのヴァン様が赤ちゃんにメロメロだったのには驚いちゃいました。
僕が思い出し笑いをしていると、頭の中に良い声が響いてきました。
『お前といるといろんな人種と出会えるな…。しかし、ブラディーガール探しはまだしないのか?』
僕の脳内に直接話しかけてくる魔王。無駄にハスキーな艶がある声してるからドキッとするんだよ。
「ブラディーガール探しはしたいけど…今は無理です。…って、あれ?僕…ブラディーガールの話をしました?」
魔王にブラディーガールの話しをした記憶は無いんだけどな。もしかしてヴァン様から聞いたとか?
『聞いてはおらぬ。お主の記憶を少し見たのだ』
ん?記憶を見る。…え!?
「いや!勝手に人の記憶を見ないで下さいよ!」
『……』
え、無言ですか。仕方ないな。いつまで僕の身体にいるのかはわからないけど揉めるのはさけたい。
「今後必要な時は僕に聞いてからにしてくださいよ」
『お主に言えば見て良いのか?』
「良い気はしませんが、僕の身体の中にいるんだから仕方がないと思うことにします」
『お主…見かけによらず器がでかかったのだな』
「見かけによらずって!失礼な!」
でも…意外だな。魔王がブラディーガールに興味があったなんて。
まあ、でもそろそろかなと僕も思ってはいたんだよね。
思い返せば本当にいろんな経験をしたな。魔王が僕の身体の中にいるなんて昔の僕に話したら冗談だと思うだろうな。
まだ解決できてないこともあるから頑張らないといけないけどね。特に僕の結婚相手探しとか…。
いっそのこと不老の効果のあるブラディーボールとかができないのかな?
今度ヴァン様に聞いてみよう。
幸いにも時間はまだまだあるからね。ゆっくり解決できたら良いかな。
そして相手を探しながらブラディーガール探しもしていこうかな。
『我はそちらを優先にお願いしたいと思っている』
魔王様…なんでそんなにブラディーガールに興味があるの?
『ヴァンパイア一族の中でもあの技術は秘匿とされておるからだ。前から興味があってな…』
「なるほど…。それで僕の身体に入ったんですね」
『まあ、そうだな。それだけでもないが…』
謎の一つが解けたけど…期待したようなものでは無かったので残念。
『そちとは長い付き合いになると思うので、これからを楽しみにしておるぞ』
「はいはい、楽しんでいただけるように頑張ります」
これけらもこんな感じで毎日が過ぎていきそうです。
また何か面白いことがあったら皆さんに報告しますね。
「あっ、魔王さん勝手に記憶を見ようとしてませんか?」
『いや…そんなことはしておらんぞ…』
「声が裏返ってますよ…」
『いや…気のせいじゃ…。それより今からブラディーガール探しに行かぬか?』
「今からですか。…そんなに気になりますか?」
『気になるぞ』
「仕方ないですね。じゃあ、今からブラディーガール探しにでも行きましょうか」
『待っておったぞ!』
僕はマントをして準備を整えた。
「さあ、じゃあ行きますよ。いざ、ブラディーガールを探しに出発!」
その後ですが…お気づきになった人もいるかと思いますが、回りから見ると独り言が激しい青年にしか見えないと気がつくまでに時間がかかったフルドはお嫁さん探しは難航したそうな…。
突然かもしれませんが、この話で最終回になります。
何だかこの終わりかたがこの物語らしいかなと思ったので未来を想像してもらえる終わりかたにしてみました。
最後まで読んで下さった皆様、感想を下さった人、ブクマしてくださった人、本当にありがとうございました。
皆さんのおかげで長い物語を書き終えることができました。本当にありがとうございました✨️
また、他の物語でお会いできたら嬉しいです。
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黒幸(くろいゆきさん)
いつも感想をありがとうございました✨️
黒幸さんのおかげで長く続けてこられたました。やり取りが楽しく感想が来るのを楽しみに書いてました。
本当にありがとうございました😊
フルドと魔王は何だかんだいって気の合いそうな二人なのでまたいつか二人の新たな物語を書けたら良いなとは思っています。(珍道中確定ですけどね)
また違う物語でもお会いできたら嬉しいです。
くろいゆきさん
いつも感想ありがとうございます✨️
寿命が長いだけならまだ良いですが、見た目が自分だけが歳をとるとなると女心としては複雑になる可能性が高いので、フルドの結婚相手は同じ長寿種でないと難しそうですね。
どうなるのか…。
くろいゆきさん
いつも感想ありがとうございます✨️
確かにフルドは精神鍛練が必要ですねw
この物語の主人公でありながら臆病ですからね。
少しずつ成長してるとは思うのですが…。
見守ってやってください。