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2-46 問題が一つ解決~!
しおりを挟むまさかの王族が一室に揃うという事態に慣れません。こういう時ってどうすれば緊張がほぐれるのだろうか…。誰か助けて下さい。
「そんな緊張せずとも良いぞ。肩の力を抜け」
王様は笑いながらそう言った。けど…誰がこの状況で力を抜けるのだろうか。あっ、ヴァン様は大丈夫そうだね。
ふとヴァン様の事を思い出すと不思議だけど力が少し抜けた気がした。
「それで詳しい話しはできそうか?」
「…はい」
僕は昨日の夜どこから話すかを考えた結果、王様と別れてからの全てを話すことに決めた。細かくは長くて時間がかかりそうだからなるべく短く話をまとめた。
それを聞いていた王様は驚くような表情を一瞬見せたけどすぐにいつものにこやかな表情に戻った。
「教皇が魔王と関係していたか…。それで魔王はどうなったのだ?」
あ~、やっぱり気になりますよね。それは誤魔化せないかなと思ってわざと話をしなかったんだよね。だけど嘘をつくわけにもいかないし…。
「…実は…僕の中にいます」
「「「「はあ????」」」」
いつもなら絶対に聞くことができない王族の方々の驚いた声が聞こえてきた。まあ、驚くのは当然なんだけどね。
「え…魔王ってあの魔王だよね?」
第一王子が確かめるように聞いてくる。
「皆さんが想像している魔王で間違いないかと思います」
僕の返答を聞いて王族の皆さんが顔を見合わせている。
「それは…お体とかに危険はないのですか?」
「そうよね。魔王が身体に住み着いているのでしょ?どこかに不具合がでそうよね」
王族の女性人達が心配してくれているようだ。ありがたいです。
「それは私も気になったので魔王に聞いたのですが魔力が上がるくらいで悪い事はないそうです」
実は僕も心配だったからすぐに聞いたんだよね。あの時は悪いことはないと聞いてどれだけホッとしたことか…。
「そうか、それなら良かったが…しかし魔王か…」
王様はまた何かを考えているみたいで黙ってしまった。
無理もないよね。魔王って国一ついや、全世界を滅ぼせる力があるって話だからね。その魔王が国内にいるんだから国のトップとしては対応をどうするか迷いどころなのは理解できる。だけど、僕としてはもう一つの問題を先に解決してしまいたい。
「魔王の心配もわかるのですが、獣人国の話をさせていただいてもよろしいですか?」
「ああ、そうであった。その話もまだであったな」
それから王様と獣人国について話し合った。結果、変換されるのは諸々の手続きがあるので1年後ということになった。近いうちにパルさんやポルさん達とも会いたいそうだ。
はあ~、やっと一つ問題が解決できて良かったよ。
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