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2-44 精進します
しおりを挟む急かされるようにもうスピードで空を飛んでお城に到着した。…なんでこんなに急いでるのかなと不思議に思う。もしかして…ヴァン様マリーアさんに早く会いたいとか?
「お前…変なことを考えてないか?」
ヴァン様から睨まれる。毎回だけど勘が良すぎなんだよね!
「べ、別に…。それよりヴァン様、王様とは会う約束されているんですか?」
お城に来たのは良いけど、会う約束が無ければ会えないよね?
「私はそういうのは全てパスできるから大丈夫だ」
うわぁ~、でたよ。アドバイザーだったかな?
そんな権限まであるのか凄いな。
ヴァン様の言う通りで、誰にも止められること無く王様の部屋の前まで来てしまった。決して誰にも会わなかった訳ではないからね。今回はこそこそせずに堂々と姿を見せて来ましたから!
ヴァン様が王様の部屋を守っている人に話をするとすぐに中から王様の声が聞こえてきた。
「ヴァンなのか?気を遣わず中に入ってこい」
声が聞こえたのと同時くらいにヴァン様はドアを開けて部屋に入って行った。
部屋に入ると王様は沢山の書類がのせられた机の前に座っていた。
「すまんな~、少し手が止められないからそこに座って待っていてくれ」
そういって部屋にある豪華なソファーに座るように薦められた。
王様は書類を読んではサインをするを繰り返しているようだ。あの書類が終わるのを待っていたら今日は無理なような気がするんだけど…。
「忙しそうだから用件だけ言うぞ。例の件は片付いた。以上だ」
え…ヴァン様いくらなんでも説明が短すぎるない?
僕が呆気にとられてヴァン様を見ていたら王様が大きな声で笑いだした。
「ハハハハハッ!相変わらずだな。詳しく聞きたいところだが気の短いヴァンにとっては少しの時間も待っておれぬか」
不敬罪ってヴァン様は知らないのかなと思えてくるよ。一緒にいる僕の方がドキドキして緊張感マックスなんですけど…。王様が笑っているから大丈夫だよね。
「わかっているならもう良いだろ。帰るぞフルド」
「へ?」
ソファーから立ち上がり部屋から出ていこうとしているヴァン様。強心臓すぎる!
「フルドよ、またお主に話を聞きたいので近いうちに使者を遣わす」
王様は笑顔で言ってくれてますけど…それってヴァン様の尻拭いなんじゃ…。
これって別に僕が来なくても良かったよね?
ヴァン様は僕が王様に話しかけられている間に部屋から出て行ってしまった。
マイペースで、強心臓か…。僕もそうなりたいよ。
「お主も苦労するな。だが、ヴァンから学べることは多いだろうから精進しなさい」
王様も僕の苦労はわかってくれているんだね。嬉しくて少し頬が緩んでしまう。
「はい!」
僕は元気良く返事をした後、一礼してからヴァン様を追った。
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