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2-40 変更の条件って?
しおりを挟む教皇の様子が何だかおかしい…。声もさっきまでとは全然違っていて低いお腹に響くような声に変わっている。
「まさか…アイツの中に居たとはな…」
ヴァン様が僕を教皇から隠すようにしながら呟いているけど…アイツの中に居た?って何の話しだろうか。
「フハハハハハ!コイツの意識が失くなったことで操りやすくなったぞ!お前達に感謝してやろう」
ずいぶん偉そうな話し方だな。
「どうやってソイツに入り込んだんだ魔王!」
ヴァン様が威嚇するように声をあげた。…けど魔王?!
「えっ!?魔王って…あの魔王?」
「他に魔王がいるなら会ってみたいものだな」
僕の話を聞いていたらしい魔王が笑いながら答えてくれた。
本物…嘘でしょ。
「私の質問に先に答えろ!」
イライラしているヴァン様。
「せっかちな男は嫌われるぞ。時間はあるのだからゆっくりと話そうではないか」
それを流す魔王…。この空気に耐えられそうにないんですけど…。
「まあ、睨まれるのは好きではないからな…仕方ない、答えてやるか。コイツは好きな女に振られたとかで私に血を捧げ世界をほろぼす事を望んだのだ。力が足りずこの世に姿を持つことができなかったからコイツと契約をする形で身体の中に入り込んだんだと言うわけだ。私が望んだことではないぞ。人間であるコイツが望んだのだ」
魔王はニヤリと笑いながら答えているのが何と言うか…本当の事を言っているのかと疑ってしまうよ。
「契約をしたのか…」
ヴァン様はショックをうけているみたいだ。教皇とは知り合いだからかな。
「そうだ。我が消えればコイツも消えるということだな。どうだ、楽しいだろう」
魔王が悪魔に見えるのは僕だけなのか?
魔王を倒さないといけないのに、倒すと教皇も死ぬ事になるんだ…。それはヴァン様には辛いことだよね。
だけど魔王を倒さないと世界が危ない…。堂々巡りになっちゃうよ!
「お前の望みは何なのだ?」
「我の望みか。そうだな…楽しめればそれで良い。長い間生きていると退屈するからな」
まさかの答え!
世界を滅ぼすとかじゃないんだね。
「契約の内容をそちらに変更することは出来ないのか?」
教皇の望みより魔王の望みの方が平和そうだからかな。いや、人間の望みより魔王の望みが平和って…普通は反対だよね。
「…出来ないことはないが、条件はあるぞ」
変更出来るんだ!?
条件ってなんだろう…。
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