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2-38 実は見ていたフルド
しおりを挟むた、大変なことになっちゃったよ!!!
実はヴァン様が心配でマントで姿を隠してこっそりついてきていたんだけど、まさかこんな展開になるなんて思っていなかったよ。
いつものようにヴァン様があっさり解決して終了~!みたいになるものだとばかり思ってた!
いや、でもヴァン様の事だからこの拘束されているのにも考えがあるとか…?
ここは様子をみるべきなのかな。
僕は迷いながらもヴァン様の周りをグルグルと歩いていた。
「はぁ~」
大きな溜め息をついたヴァン様の目線が僕と合ったような気がする。…気のせいかな?
「ハハハッ!とうとう諦めがついたのか。あの方のお役にたてるのだから喜べ」
教皇が高笑いしながらヴァン様に話しかけているけど、ヴァン様は目線すら合わせていない。
コミュニケーションとるつもりが無いんだね。
「本当はこんな事をしたくは無かったのだが仕方あるまい…」
ヴァン様はそう言うと自分の唇を噛んで出た血を舐めた。
するとヴァン様の身体が仄かに発光し始めた。
えっ!?何がおきているんだ!?
光がおさまりヴァン様の居たところを見るとそこには…。
「はぁ?な、何がおきたんだ!」
大きな声を出して驚く教皇。
そりゃそうだよね…。
「何でそんな姿になったんだ!?」
うん、わかりますよ。その驚き。
だってヴァン様が子供の姿になっているんだからね。
「だから本意ではないと言っていただろう。私だってこの姿にはなりたくなかったが、この拘束から逃れる為には小さくなるしかなかったからな…」
ん?
いや、ヴァン様は蝙蝠に変身できるよね。蝙蝠の方がもっと簡単に抜けられてない?
もしかして…あの姿は人には見られたくないのかな。知らなかったよ。
まあ、簡単に子供に変身できるのも知らなかったけどね。
だけどやっぱりヴァン様だな。僕の助けはいらなかったね。
子供になったヴァン様は拘束されていた椅子から抜け出して飛びおりた。
教皇は魔力を吸いとられる?みたいな事を言っていたけど支障はなさそうだな。普通に動けている。
「何でそんなに動けるんだ?椅子が壊れていたのか?」
教皇はちょっとパニックになってるのかな?独りでブツブツと呟きながらヴァン様が座っていた椅子を調べている。
その時ヴァン様が教皇に近づいて椅子の肘おきに教皇の腕を力強く置いた。置いた瞬間に見覚えのあるベルトが出てきて教皇の腕に巻き付いた。
「なっ!」
驚きの表情でヴァン様を見る教皇。
「椅子の故障を疑っているんだろう?自分で試した方が良いかと思ってな」
相変わらず表情を変えずに淡々と話すヴァン様。流石です。
「フルド…そこにいるのだろう。帰るぞ」
「え!?知ってたんですか」
僕は身体を覆っていたマントをとり姿を見せた。
「当たり前だ。何かアクションを起こすかと思って待っていたが何もしないから力を使う事になったではないか。今まで何をしてきたんだ?」
…ここでお説教ですか。
僕はこの後1時間お説教されていました。
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