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2-32 追跡調査 ヴァン視点
しおりを挟む怪しい教皇と呼ばれる男の後を追跡中、ずっとこの声はどこで聞いた覚えがあるのだろうか…と考えていた。
最近会った人物ではないのは確かで、ずっと昔に会っていた人物だと思うのだが…。
…あっ!思い出した!!
アイツだ!学生時代に学校中の噂になったクラスメイトのラウリだ。
ラウリは噂が出る前くらいから学校に来なくなっていたのだがまさかこんな形でその後を知るとは…。
だが…。
疑問が浮かび上がる。
学生時代の噂ではラウリは獣人の女性と恋に落ちて駆け落ちをしたと聞いていた。そのラウリが獣人の国を滅ぼす為に力を貸した?
そもそもあの噂が嘘だったのか、それとも獣人の女性と何かあったのか。
疑問はもう一つある。
ラウリは長生き出きるような種族では無かったと記憶しているのだが…記憶違いなのか?
声変わり似ているだけの別人というのも考えられるのだが…。
ラウリの事を思い出そうとする。
緑の髪に緑の瞳の森に住む一族出身で、エルフでは無かったはずだ。
私にも気さくに話しかけてくるくらい人見知りもなくクラスメイト全員と仲良くしていて目立つ存在だった。
学校に来なくなるまでは…。
学校に来なくなる直前も変わった感じがなくクラスメイト達が不思議がっていたのを100年以上前の事なのに昨日の事のように思い出す。
懐かしい話だな。
私が思い出に浸っている間にどうやら目的地に着いたらしい教皇が建物の中に入って行くのが見えた。
大通りから少し入った路地にある一見すると普通の家。
だが禍々しい空気が辺りに漂っているのがわかる。
「空気が悪いな…」
家に近づこうとするとバチッと弾かれる感覚があった。
「結界か?」
この結界を解除することも出きるが…先程の教会での様子を見ていただけに今は止めた方が良さそうだと判断した。
中に入る事は出来ないがここで暫く様子を見ることにする。
教皇の後にはまだ誰もあの家には入っていない。
先に誰かいたのかもしれないが…。
あの家の周りの禍々しい空気から考えても中で聖なる仕事をしているようには思えない。きっとあの黒い水晶に関係する様な事をしているんだろう。
…やはり家の中に入るか。
入ろうとしていたら一台の豪華な馬車が家の前で止まった。
この家には合わない馬車だな。
中から出てきたのは…。
「ここなのか?」
「ええ。見かけは汚い家にみたいに見えるけど中に入ると全然違うのよ。中であの方も待ってるらしいから早く入りましょう」
繋がったな。
馬車から出てきたのは聖女とこの国の第一王子だった。
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