ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

文字の大きさ
上 下
145 / 169

2-55 王族との関係は…

しおりを挟む

 どうやら王様との話し合いはどうやら上手くいったみたいです。あの後ヴァン様と王様がひそひそと話をしていたんだけど、10分もしないうちに終了して今はヴァン様に引っ張られて部屋から出た所です。

「ヴァン様、自分で歩けますから離して下さい」

 僕をチラリと見た後、僕の服を掴んでいた手をすぐに離してくれた。凄いスピードで飛んでいたのも手を離すと同時に緩やかなスピードに変わる。

 僕は身なりを整えながら疑問に思っていたことをヴァン様に聞いた。

「ヴァン様と王様はどんな知り合いなんですか?」

 口調からして仲が良い感じはしてたけど…。

「…どんな知り合いと聞かれてもな」

 珍しく言いよどみ難しい顔をしているヴァン様。そんな複雑な関係なのかな?

「今の王は生まれた時からの付き合いだ。前の王ともそうだな…」

 …ん?

「え…と、王家との付き合いは何代前からなんですか?」

 たぶんこの聞き方が正しい気がする。

 飛びながらも顎に手を当てて目を閉じて考えているヴァン様。前方に注意してくださいよ。

「4代前…からになるか」

 はい、聞き方正解!

「きっかけは何だったんですか?」

 何百年と王家と知り合い…聞いてないよ。聞ける時にちゃんと聞いておかないとね。

「最初…何だったか…。ああ、魔獣に襲われていたのを助けたのが始まりだったかな…。その後、魔術等を教えて欲しいと言われて定期的に会っていたのだが、その次の王に変わった時に王家の秘密のアドバイザーなったんだ。まあ、ほとんどがコウモリの姿だったが…」

 うん、まあ予想通りのいろいろと気になる事だらけだよね。だけど一番気になるのは…。

「秘密のアドバイザーって何ですか?」

 これは聞いたことがないから一番気になる。

「私は歳をとらないからずっと側にいると周りがおかしく思うだろ。黒魔術だとか呪いだとかいろいろと五月蝿くてな…。だが、王族は私の知識や技術などを手放すのが惜しいと思ったのだろうな…何かあれば手を貸して欲しいと言われて契約をしたのだ」

「…それが秘密のアドバイザーなんですね」

 なんか凄い話だけどヴァン様なら納得できるな。

 …あれ?

「今…契約したと聞こえましたけど?聞き間違い?」

 ヴァン様は表情を変えず「契約した」と即答した。

 どんな契約をしたんだろう?国が大変な時は助けるとか?王族に助けてくれと言われたら断らないとか?

 …でもこれ以上深く聞くのはもっと疲れそうだと予想はできるな。

 聞くのはこれで止めよう。

 王族との関係は何代も前からと知れただけで良しとしよう!

 …現実逃避をした僕でした。



 



 



しおりを挟む
感想 149

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

処理中です...