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2-55 王族との関係は…
しおりを挟むどうやら王様との話し合いはどうやら上手くいったみたいです。あの後ヴァン様と王様がひそひそと話をしていたんだけど、10分もしないうちに終了して今はヴァン様に引っ張られて部屋から出た所です。
「ヴァン様、自分で歩けますから離して下さい」
僕をチラリと見た後、僕の服を掴んでいた手をすぐに離してくれた。凄いスピードで飛んでいたのも手を離すと同時に緩やかなスピードに変わる。
僕は身なりを整えながら疑問に思っていたことをヴァン様に聞いた。
「ヴァン様と王様はどんな知り合いなんですか?」
口調からして仲が良い感じはしてたけど…。
「…どんな知り合いと聞かれてもな」
珍しく言いよどみ難しい顔をしているヴァン様。そんな複雑な関係なのかな?
「今の王は生まれた時からの付き合いだ。前の王ともそうだな…」
…ん?
「え…と、王家との付き合いは何代前からなんですか?」
たぶんこの聞き方が正しい気がする。
飛びながらも顎に手を当てて目を閉じて考えているヴァン様。前方に注意してくださいよ。
「4代前…からになるか」
はい、聞き方正解!
「きっかけは何だったんですか?」
何百年と王家と知り合い…聞いてないよ。聞ける時にちゃんと聞いておかないとね。
「最初…何だったか…。ああ、魔獣に襲われていたのを助けたのが始まりだったかな…。その後、魔術等を教えて欲しいと言われて定期的に会っていたのだが、その次の王に変わった時に王家の秘密のアドバイザーなったんだ。まあ、ほとんどがコウモリの姿だったが…」
うん、まあ予想通りのいろいろと気になる事だらけだよね。だけど一番気になるのは…。
「秘密のアドバイザーって何ですか?」
これは聞いたことがないから一番気になる。
「私は歳をとらないからずっと側にいると周りがおかしく思うだろ。黒魔術だとか呪いだとかいろいろと五月蝿くてな…。だが、王族は私の知識や技術などを手放すのが惜しいと思ったのだろうな…何かあれば手を貸して欲しいと言われて契約をしたのだ」
「…それが秘密のアドバイザーなんですね」
なんか凄い話だけどヴァン様なら納得できるな。
…あれ?
「今…契約したと聞こえましたけど?聞き間違い?」
ヴァン様は表情を変えず「契約した」と即答した。
どんな契約をしたんだろう?国が大変な時は助けるとか?王族に助けてくれと言われたら断らないとか?
…でもこれ以上深く聞くのはもっと疲れそうだと予想はできるな。
聞くのはこれで止めよう。
王族との関係は何代も前からと知れただけで良しとしよう!
…現実逃避をした僕でした。
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