ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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2-51 とりあえず成功!?

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 ど、どうしよう!?

 ヴァン様との話で何がおきるかわからないから結界を施した箱の中に入れて割ろうということになっていたのに…。割れちゃった!

 何かおきたらどうしよう!?

 だけど今は隠れているから下手に動くことも出来ないし、変化がないか見ている事くらいしかできないよ!

 僕は割れた黒い水晶をじっと見ていた。

 割れた瞬間に中の黒い靄みたいなのが空気中に出てきて黒い糸みたいに細くなったと思ったら…。

 え…!?

 まさかの動きをした。

 僕の持っていたブラディーボールに吸い込まれるみたいに入ってる!?

 えっと…このブラディーボールはあの聖女の時に出来たブラディーボールだよね。

 黒い靄は聖女が好きなのかな?

 僕の頭の中にはてなマークが並んでいる。どういうことだ???

 とりあえずは全てが終わるまで見ることにした。

 結果…黒い水晶から出た靄は僕のブラディーボールの中に全て収まってしまった。色も黒く変化しているんだけど…なぜかキラキラと輝いていたりする。

 これって不気味じゃない?

 気になるから黒く変化したブラディーボールの機能を確認してみた。

 へ?追加されてる…。

 この前、確認した時は魅了と幻覚を見せる事ができるだけだったのに今はそれプラス洗脳って文字が見えてます。

 怖っ!

 洗脳って…このブラディーボール1つで人を廃人にすることができちゃうってことだよね。こんなボールを持っていても大丈夫なのかな。心配になってきたよ。

 あれ…でもこれって今使えるんじゃないか?

 僕を探している人達に都合の良い幻覚を見せながら僕は仲間だと洗脳すれば…安全にここから出られるんじゃないかな。

 いつもならヴァン様に相談してから実行する所だけど今日はそんな余裕もないし、今のこの状況を考えるとやるしかないよね!

 僕はブラディーボールを強く握りしめて念を込めた。

 僕は仲間、僕は仲間だけど今日で仕事を終える…今から家に帰る所。皆は僕を見送りに出ただけだよ。僕を見送ったら今夜おきた全てを忘れるんだ。

 小さな声で口ずさみながら何回も呪文の様に唱えた。

 するとブラディーボールから黒いキラキラした光が出てきて辺りを包み込み始めた。

 僕を探していた人達も黒い光に包まれると動きが止まり何かをブツブツと言っている。

「お前…何をしたんだ?」

 いつの間にか人間の姿になっていたヴァン様がどうやってわかったのか僕の被っていたマントを掴みあげて横にいた。

「…へへっ…実は…さっき黒い水晶を割っちゃったんですけどそれが何故かブラディーボールに能力を吸い込まれてしまったみたいで…その能力を使ってみました」

 ヴァン様は首をかしげながら難しい顔をしている。今の説明ではわかりにくいのかな。

 でも説明は後でしっかりします!だから…。

「今です!外に出ましょう!!」

 ヴァン様の手を引っ張って出口の門に向かう。この力がどれだけの時間効果があるのかわからないし、早くこの場から逃げた方が良いからね。

 とりあえずは脱出成功!






※タイトルの数字なのですが㊿から後が変換できないみたいで違う感じになっています。これからは○が無い数字になると思います。統一感がなくてすいません。
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