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2-㊿ うっかりで済みますか?
しおりを挟むヴァン様が僕に黒い水晶を投げた結果…全速力で逃げています。
空を飛ぼうとしたら隠れていた森の木の枝が邪魔をして上手く飛べなかったので走ることしかできなかったんだよ~!!!
どうにかして森から抜けるか、枝が少ない所を探さないと体力の限界がもうきそうだ。
「「待て~!!!」」
後ろからは沢山の人達が追いかけてきている。
「ヴァン様…後でじっくり話を…しましょうね」
僕は自分の心の中にあった気持ちを口に出した。周りを探してもヴァン様の姿は見当たらない。僕を囮にして逃げたのか?
酷いよ~!!!
薄暗い森の中に光がさしている場所を見つけた。あそこなら飛べそうだと思い急いでその場所に向かう。
バシュッ!バシュッ!
「ヒェー!」
後方から弓矢が飛んできた。
そんなの持ってた?いや、こんなの当たったら死んじゃうじゃないか!そうなったら絶対にヴァン様の所に化けてでてやるぞ!!…あれ?これ前にも言ったな。何回こんな状況になってるんだよ~。もうやだ!!!
「逃がすな~!!」
「あっちだ!」
このまま飛んだとしても弓矢で射られる可能性が高いんじゃない?
明るい場所に出ることで標的としては狙いやすくなるよね…。
あれ?もしかしなくても僕…凄いピンチなのでは…。
その時だった。
『バカ者!マントを使え!マントの機能を忘れたのか!?』
コウモリの鳴き声が闇夜に響いた。
どこにいるかはわからないけどヴァン様が近くにいたらしい。
マントの機能を使えって言ってる?
機能…?
あ!そうだった!!
僕は走る進路を変更して暗い森の中に進みそしてマントで身体を覆い隠した。
「向こうに逃げたぞ~!」
「あれ?どこに行ったんだ?」
「さっきまで前にいたよな?薄暗くて見えないのか?」
追いかけてきた人達が僕を見失ってオロオロしているみたいだ。
いや~、最近この機能を使ってなかったからすっかり忘れてたよ。何でこんな便利な機能を忘れたのかな。姿を消せるのなら最初から使えば見つかることなんて無かったのに…。
つくづく自分が嫌になってくるよね…。
ただ、姿が消せるだけで声とかは相手に聞こえてしまうから声を出さないように気を付けないとね。
ただ、ここまで走ってきたから息があがってて…それを整えるのが大変なんだよ。ゆっくり深呼吸を何回かすれば収まるかな?
追いかけてきた人達が少し僕から離れた事を確認してから大きく深呼吸を数回してみた。
その時うっかり…。
パリンッ!
「…嘘でしょ」
持っていた黒い水晶を落として割っちゃった~!!!
どうしようー!!!!!
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