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2-㊽ 魔王復活を阻止する方法
しおりを挟む魔王復活を目指す邪教が教会の裏の顔だとわかってから、これからどうするのかを話し合った。
「この流れだと魔王復活を防ぐぞ~!って感じですよね」
僕としてはそんな恐ろしいことにはなるべく関わりたくはないんだけどな…。
「そうなるだろうな。少なくとも獣人達はそうしないと獣人達の国を取り戻したとしてもまた戦争になって国を追われるということになりかねないからな」
ヴァン様の考えが正しいんだろうな。今回の事を最初に知ったのは獣人なんだし、今はどうするかも話し合われているだろう。きっとそのうち僕にも手伝ってほしいと手紙がくるのだろう。
「戦争は嫌いです…」
人を殺すということに大義名分がついて戦争は正義!みたいになるのがどうにも納得いかないんだよね。殺さないと殺されるから仕方ない…と考える人もいるけどそれって悲しい。結局はまたそこから負の連鎖が繋がって大切な人を殺した国を許さない!ってなるんだよね。
憎しみの連鎖ともいえるよね。
「好きな奴は少ないだろう。戦争にならないように私達が動けば良いのだ」
「そんな簡単にできますか?」
ものすごく簡単そうにヴァン様は言ったけど、実際はすごい難しいよね。
「先ほど話しただろう。魔王を復活させなければ奴らの力はたいしたことが無いのだから魔王復活の為に必要とされている物を無くせば良いのだ」
「いや、だからそれが難しいです」
そう、さっきヴァン様から聞いた魔王を復活させるために必要な物って僕たち生き物の悲しみや苦しみから出る感情や涙らしいんだよ。
え?
それがなぜ聖女の魅了に繋がるのかって?
それは僕もわからないから聞いたけど聖女の魅了にかかった相手は恋の苦しみや悲しさ、それから嫉妬などいろいろな負の感情を生み出すからだろうって説明されたよ。
まだ恋をしたことの無い僕にはしっくりこなかったけどね。
でもその感情を無くすって絶対に無理じゃないかと思うんだけどな。
「あ~、その顔はピンっときていないんだな。さっき説明した時の内容をよく思い出してみろ。感情を何に集めると言った?」
え~、そんなこと言ってました?
負の感情を集めるのに使うもの…。
「あっ!水晶だ!」
「そうだ。大きくて透明な水晶を真っ黒にするまで感情を貯める必要がある。だからその水晶を壊せば良いのだ」
「なるほど…。じゃあ、それを教会に潜入している獣人さんにお願いしますか?」
パルさんとの手紙をやり取りしないといけないから少し時間はかかるけどね。
「いや、私とお前で行こう」
「え!二人で行くんですか!?」
何で僕もなんですか~!!!
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